インドネシアのデジタルマーケティングトレンド2022(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

東南アジアは、中国や日本に次いで経済力のある国家が育ち、次世代の経済圏が構築されつつあるということで、注目を集めています。今回は、そんな東南アジアの中でも注目度の高いインドネシアについて、同国におけるデジタルマーケティングの概況をご紹介します。

インドネシアの概要

インドネシアは東南アジアに浮かぶ島国ですが、国土面積は日本の5倍という同地域でも最大級の規模を誇る国家です。人口は2022年現在2億7,770万人に達しており、日本の2倍の人口を抱えています。

インドネシアの人口は現在も増加の一途を辿っており、2021年から2022年にかけて、280万人の増加が確認されています。少子高齢化が進む日本とは異なり、今後も労働人口の増加が進み、消費者の数も増えていくことが期待されています。

また、インドネシアは都市部に住む現地人も多く、全体の57.9%は都市部に住んでいるとされています。残りの42.1%は農村部に住んでいますが、新たな仕事や住処を求めて、若者を中心に都市部への移住も進んでいます。

インドネシアの平均年齢は若く、30.3歳です。年齢層は25歳から44歳に集中しており、高齢化の気配は見られません。

インドネシアにおける公用語はインドネシア語ですが、語学教育が進み、若年層を中心に英語が話せる人間も増えています。宗教については、国民の87%近い割合でイスラム教が浸透しているイスラム教国家です。

一人当たりのGDPは4,356米ドルで、国家GDPは1兆1,186億米ドルです。

直近5年の数値は以下の通りです。

 2018年2019年2020年2021年2022年※
名目GDP(10億ドル)  1,042.71 1,120.05 1,059.90 1,186.07 1,289.30
名目GDP(10億ルピア)  14,838,756.0 15,832,657.2 15,438,017.5 16,970,789.2 18,534,850.4
一人当たりの名目GDP(ドル)  3,947.25 4,196.33 3,922.60 4,356.56 4,690.75
一人当たりの名目GDP(ルピア)  56,173,024.4 59,317,914.3 57,134,691.7 62,335,657.3 67,434,006.6
経済成長率(%)  5.175 .02-2.07 3.695.41 
物価上昇率(%)  3.292.82 2.03 1.56 3.29 
失業率(%)  5.245.18 7.07 6.49 6.0 

※ 2022年の数値はIMFによる2022年4月時点の推計 

出展:IMF – World Economic Outlook Databases(2022年4月版) 

インドネシアのデジタルマーケティング概況

続いて、インドネシアにおけるデジタルマーケティングを支えるインターネット環境について、解説します。インドネシアのインターネットユーザー数は2億470万人で、総人口の73.7%の人がインターネットを利用できる環境にある状況です。

インターネットユーザーの数は急速に増加しており、同国のユーザー数は2021年から2022年にかけて、210万人(+1.0%)の増加が見られました。

現在、インドネシアでオフライン環境にある人は7,305万人に上るとみられます。今後通信インフラが都市部だけでなく、農村部にも十分に行き渡ることとなれば、更なるネット人口の増加が見込まれます。

インドネシア人の1日あたりのインターネット利用時間は、平均で8.36時間にのぼります。テレビを視聴している平均時間が2.5時間、ラジオの視聴時間が37分であることを考えると、インターネットが深く現地に浸透していることがわかります。

インドネシアにおけるSNSユーザー数と1ヵ月に利用する割合

ここから、インドネシアにおけるSNSユーザーの数を見ていきましょう。インドネシアでは現在、1億9100万人ものSNSユーザーが存在し、前年比で2022年は2100万人増加するなど、急激な利用者の増加が進んでいます。1日あたりの平均利用時間は3.17時間で、インターネット利用時間の半分近い時間を占めています。

対象SNSSNS利用ユーザー数
Youtube1億3,900万人
Facebook1億2,990万人
Instagram9,915万人
TikTok9,207万人
Facebook Messenger2,840万人
LinkedIn2,000万人
Twitter1,845万人
SnapChat330万人
引用:Meta,Google,Twitter,Tiktokなど各社のオープンデータ
対象SNS1カ月に利用する割合
Whatsapp88.7%
Instagram84.8%
Facebook81.3%
TikTok63.1%
Telegram62.8%
Twitter58.3%
Facebook Messenger48.6%
LINE39.7%
Pinterest36.7%
Kuaishou35.7%
LinkedIn29.4%
SnapChat17.7%
Discord17.6%
Skype14.9%
Ukee14.2%
引用:GWI.com

平均して毎月8.5ものSNSを使い分けているなど、目的に応じてサービスを有効活用している様子もうかがえます。

Facebookのユーザー数

世界で最も普及しているSNSの代名詞であるFacebookは、インドネシアにおいても最大級のユーザーを抱えています。同国のFacebookユーザー数は1億290万人に達し、ネットユーザーの半数がFacebookを利用していることとなります。

また2022年の開始時点で、インドネシアにおけるFacebookの広告リーチは総人口の46.8%に達しており、同国において広く訴求効果を発揮する広告媒体であることもわかっています。インターネットユーザーに限定すると、そのリーチ数は63.4%に伸び、インドネシアにおけるデジタルマーケティングの重要な媒体として活躍が期待できます。

Youtubeのユーザー数

動画共有プラットフォーム大手のYoutubeは、インドネシアにおいてもその人気は健在です。Youtubeのユーザー数はインドネシア国内で1億3900万人にのぼり、その数字はFacebookよりも大きい点が特徴です。Youtubeの広告リーチも、インドネシアの総人口比で50%に達し、幅広い層に訴求効果を発揮するSNSであることがわかっています。

インターネットユーザーに限定しても、そのリーチ数は67.9%と高く、Youtubeが同国のネット上で重要な役割を果たしていることがわかります。

Facebookと同じく、インドネシアでのデジタルマーケティングには欠かせないサービスと言えるでしょう。

Instagramのユーザー数

続いては、Instagramです。比較的若年層にユーザーが固まっている、Instagramのインドネシアにおけるユーザー数は、9,915万人です。YoutubeやFacebook同様、他の先進国と変わらないほどの影響力を有しているのは、インドネシアの平均年齢が若いことも背景にあるのが考えられます。

Instagramの広告リーチ数は総人口の35.7%に達しており、インターネットユーザーに限定すると45.8%にのぼります。また、インドネシアでは基本的に55%前後のインターネットユーザーが男性ですが、Instagramについては男性が47.7%、女性が52.3%と、やや女性が多い傾向にある点も特徴です。

TikTokのユーザー数

中国発のSNSとして世界的な人気を誇るTikTokは、インドネシアでも一定の影響力を持っています。2022年時点で9,207万人のユーザーを同国で抱えており、Instagramに引けを取らない人気があると言えるでしょう。

TikTokを運営するバイトダンスが発表する、成人に到達したインドネシア全体への広告リーチ数は、全体の47.6%に及びます。年齢に関係ない、インターネットユーザーに限定した場合、その割合は45.0%です。

また、TikTokもInstagram同様、インドネシアでは珍しく女性ユーザーに人気のあるサービスです。ユーザー全体の34.0%が男性、66.0%が女性となっています。

Facebook Messengerのユーザー数

Facebookに付随するメッセージサービスのFacebook Messengerは、2,840万人の人々に広告がリーチしています。総人口で見ると、全体の10.2%にあたる数字で、インターネットユーザーに限定すると、13.9%に達します。

LinkedInのユーザー数

ビジネスパーソン向けSNSのLinkedInでは、インドネシアにおいて2,000万人のユーザーを獲得しています。広告のリーチ数は、総人口比で7.2%、インターネットユーザーに限定して9.8%です。

YoutubeやInstagramには見劣りする数字ですが、ビジネスパーソンや転職に特化したサービスであることを踏まえると、これくらいの数字が妥当とも言えるでしょう。

SnapChatのユーザー数

SnapChatのインドネシアにおけるユーザー数は、330万人です。InstagramやTikTokと比べ、人口のピークを迎えている同サービスは、インドネシアにおいても大きな影響力は有していません。

広告リーチ数は総人口の1.2%、インターネットユーザーでも1.6%と、運用には工夫が求められます。

Twitterのユーザー数

日本では大きな人気を誇るTwitterですが、インドネシアのユーザー数は1,845万人と、そこそこの規模を誇ります。

広告リーチ数は総人口の6.6%、インターネットユーザー全体の9.0%と、平均的な影響力と言えるでしょう。

日本ほど重宝されているわけではないので、インドネシアでの運用は工夫が求められるでしょう。

検索エンジンシェア率

続いて、検索エンジンのシェアを見ていきます。インドネシアで最も利用されている検索エンジンは、97.43%で圧倒的にGoogleです。そのほかのエンジンで1%以上を記録しているものはなく、Google一強であると考えて間違いありません。

検索エンジンシェア率前年比
Google97.43%-0.9%
Bing0.97%+43.6%
Baidu0%-100%
Yahoo!0.94%+30.6%
Yandex0.57%+171%
DuckDuckGo0.25%56.3%
Ecosia0.01%不明
その他0.010%0%から
引用:STATCOUNTER

インドネシアの検索言語

インドネシアでの主な検索キーワードを覗いてみると、英語が使われています。ただ、検索エンジンはYoutubeなどのWebサービスを利用するためだけに用いられている傾向も強く、英語といってもサービス名を記述するだけというケースも多く見られます。

公用語であるインドネシア語でのアプローチも、デジタルマーケティングには必要となるでしょう。

新しい商品・ブランドを何で最初に知るか

インドネシア人にとって、新しい商品やブランドとの接点となっているのは、SNSです。82.7%もの人々がSNSを通じてこれらのコンテンツを発見すると調査では回答しており、SNS主体の情報発信が求められます。

検索エンジン45.6%
ソーシャルメディア広告42.8%
ソーシャルメディアコメント35.5%
ブランド・商品のウェブサイト33.5%
TV広告33.0%
口コミ32.2%
消費者レビューサイト29.5%
専門家のブログのレビュー29.0%
モバイルアプリ内の広告26.5%
店舗ディスプレイ・プロモーション26.3%
商品比較サイト25.8%
パンフレット・カタログ25.4%
TV番組・映画22.7%
ウェブサイトの広告22.1%
ブイログ20.3%
引用:GWI.com

商品・ブランドを何を通じて調べるか

詳しい商品情報を調べる上でもSNSは活躍しています。Q&Aサービスやフォーラムで情報共有に励んでいるユーザーが複数おり、検索エンジンで調べるよりも新しく正確な情報を手に入れていると見られます。

デバイスの比率(PC・スマートフォン・タブレット)

Webトラフィックのシェア

ウェブトラフィックのシェアではモバイルが6割超えをしており、デスクトップが4割弱です。
他の国と比べるとウェブトラフィックのシェアがやや高めです。

デバイス流入シェア前年比
モバイル62.76%+10.8%
デスクトップ36.9%-13.8%
タブレット0.35%-34.0%
その他0%不明
引用:STATCOUNTER

EC市場

EC市場規模推移

引用:Statista

インドネシアEC市場規模は上記図の通り。右肩あがりで市場規模は膨らむ想定です。

ECマーケット(ジャカルタ)

引用:トランス・コスモス「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2020」

ECプラットフォームではASEANを中心にシェアの高いShopee、インドネシアローカルプラットフォームのTokopedia、そしてInstagramを通じて購入する割合が高い状態です。

購入商品(ジャカルタ)

引用:トランス・コスモス「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2020」

購入分野ではファッション、家電・パソコン、日用品・トイレタリーの順となっています。

まとめ

インドネシアはハイテク化が進む東南アジア有数の国と言え、多くの国民がインターネット利用、特にSNSの利用を好んでいます。情報収集の場としても機能するSNSは、デジタルマーケティングを考える上でも見逃せない要素です。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 プルーヴ株式会社事業開発部シニアマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優秀賞受賞

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター