メキシコのデジタルマーケティングトレンド2022(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

メキシコにどんなイメージがありますか。メキシコ料理の代表格であるタコスやナチョス、サッカー強豪国、サボテンが多いなどの印象があるのではないでしょうか。

日本とメキシコの物理的距離は遠いものの、日本の牛肉や食品をメキシコに直接輸出したり、メキシコで日本の漫画やアニメが放送されていたりします。特に自動車産業では、トヨタ自動車、ホンダ技研工業、日産自動車などがメキシコに進出し日本車が走っているのは見慣れた光景です。意外に日本と関係があるんだなと思ったと思いますが、メキシコ人は日常生活で日本の商品や文化に触れています。

日本の大手企業が参入しているとはいえ、今からメキシコ人向けに販路を築くのは遅くありません。むしろ、日本製品の流通は限られており、メキシコで日本製品を販売するチャンスはたくさん転がっているといえます。

メキシコのデジタルマーケティングトレンドを押さえることで、日系企業のライバルが少ない場所でビジネスを展開できるようになります。米国や台湾、中国以外の国でシェアを拡大できれば、会社は大きく成長できるでしょう。

メキシコとは

メキシコの国土は約196万平方キロメートルもあり、日本の約5.2倍の広さを保有しています。国土全体で標高が高く、最も高度の低い首都メキシコシティでさえ標高が2,240mもあります。標高2,240mは御嶽山とほぼ同じなため、スキー場と同じ高さに首都があると考えるとイメージしやすいでしょう。

次の表を見て分かる通り、人口は毎年増えており人口増加率は1.0%を超えています。平均年齢にあっては29歳と若く、日本の平均年齢48.6歳に比べると少子高齢化とは遠い国といえるでしょう。

また、スペイン人による植民地であった歴史背景があり、公用語はスペイン語です。ただ、南部には人口の約3割を占める先住民族が住んでおり、先住民族の言語が60以上も存在するといわれています。

そして、毎年人口が増えているメキシコの経済にあっては、 コロナ禍で打撃を受けたものの2022年にはコロナ禍前と同程度のGDPにまで回復する見通しです。また、消費者物価指数は上昇し続けると想定されており、インフレが高まる可能性が考えられます。

2018年2019年2020年2021年2022年※
人口(人)1億2,530万1億2,650万1億2,770万1億2,890万1億3,010万
国内総生産(GDP)(USドル)9,290億9,270億8,530億8,930億9,120億
経済成長率(%)2.1-0.1-8.04.72.1
消費者物価指数100103107113122
物価上昇率(%)4.83.63.35.68.0
失業率(%)3.33.44.44.13.4

※2022年にあっては推計の値

出展:IMF – World Economic Outlook Databases(2022年10月版)

後ほど詳細に解説していきますが、2020年のメキシコインターネット協会の発表によると、ネット利用人口は年々増加傾向にあり、EC取引額も拡大傾向にあるとされています。ただ、ネット広告経由での購入者数は少ないようで、ネット販売に対して「安心できない」イメージを持っていると思われます。

そこで、2022年のメキシコの最新情報をまとめました。SNSのシェア率やネット普及率など、メキシコのデジタルマーケティング攻略に必要な情報を解説しています。

メキシコのデジタルマーケティング概況

2022年1月におけるメキシコのネットユーザーは何人か想像できますか。DATAREPORTALによると、2022年1月のネットユーザー数は9,687万人、ネット普及率は総人口の74%だったと報告されています。メキシコは平均年齢が若いため、若者の多くがネットを利用していると推測できます。

そしてネットユーザー数は、2020年から2022年にかけて毎年約4%近く増えている傾向で、2021年から2022年にかけ360万人も増えたと分かったそうです。では、約1億人のネットユーザーは、どんなデバイスからネットにアクセスしているのでしょうか。16歳から64歳のネットユーザーを対象に行った調査では、次の表のようなランキングになりました。

ランキングデバイス割合(%)前年比(%)
第1位モバイルフォン(個人用、会社用含む)95.1-0.8
第2位スマートフォン90.0-1.6
第3位ノートパソコン or デスクトップ(個人用、会社用含む)77.7-4.8
第4位ノートパソコン or デスクトップ(個人用)72.2-5.5
第5位テレビ42.8-0.5

やはり、日本と同様にモバイルフォンやスマートフォンからネットを利用する割合が多いです。持ち運びやすさ、起動しやすさなど気軽に利用できるため利用者の割合が高いのかもしれません。また、第5位にテレビがランクインしており、情報収集を目的としたネットユーザーが多いことから、ニュースなどの情報に敏感な国民性も伺えるかと思います。

では、SNSのシェア率はどうでしょうか。

SNSシェア率

2021年のSNSのユーザ数にあっては、1億250万人と総人口の約78%が利用していたとも分かっています。そして前年に比べ、250万人も増加したことも判明しました。SNSに触れる1日の平均時間は、3時間20分とアメリカのネットユーザーよりも長いです。

では、メキシコで最も使われているSNSは一体何だと思いますか。皆さんが気になっているSNSのTOP5は次の通りです。

ランキングSNS割合(%)
第1位Whatsapp94.3
第2位Facebook93.4
第3位Facebook Messenger80.5
第4位Instagram79.1
第5位TikTok70.4

また、ネットユーザーが好きなSNSについては次の結果となっています。

ランキングSNS割合(%)
第1位Facebook36.1
第2位Whatsapp24.9
第3位Instagram14.4
第4位TikTok10.3
第5位Twitter3.8

この結果を見て、驚いた方もいるのではないでしょうか。実は、Whatsappがメキシコでは最も使われているSNSなのです。日本では馴染みが浅いため、初めて聞いた方もいるかと思います。

Whatsappは39カ国語に対応している無料のチャットアプリ。そのため、海外では多くのユーザーから支持されています。ただWhatsappはチャットや通信専用のアプリのため、LINEのようにニュースを読んだり、ゲームしたりできません。

なのになぜ人気なのか。人気の秘密を読み解く上で、SNSを使う目的がヒントとなるでしょう。メキシコのネットユーザーの多くは、情報収集と同じく友達や家族との連絡を目的として使っている人が多いようです。よって、チャットや通信に特化したWhatsappのユーザーが多いのかもしれません。

検索エンジンシェア率

日本ではGoogleとYahoo!が人気ですが、メキシコではどうでしょうか。メキシコの検索エンジンのランキングは次の通りになっています。

ランキング検索エンジン割合(%)前年比(%)
第1位Google95.1-0.8
第2位Bing3.3+20.4
第3位Yahoo!1.1+17.0
第4位Duckduckgo0.1+18.8
第5位Ecosia0.1+7.1

メキシコでも「Google」ユーザーは圧倒的に多いことが分かりました。2位の「Bing」との差はかけ離れており、いかにGoogleが人気なのかが分かるでしょう。

検索ブラウザだけでみると、メキシコでWebマーケティングをする場合、Googleでの広告だけに絞るべきだと思います。このランキングを見れば理由を説明する理由はいらないかと思います。メキシコで認知度を広めたい場合は、Google広告の戦略が鍵になるでしょう。

では、好きなブランドや商品に関する最初の情報は、検索エンジンから得られているのでしょうか。若しくは、最初の情報はテレビや雑誌から得ているのでしょうか。

新しい商品・ブランドを何で最初に知るか

実は、SNSで新しい商品・ブランドを見つける割合が最も高いのです。ランキングで確認してみましょう。

ランキングツール割合(%)
第1位ソーシャルメディア広告37.7
第2位オンラインショップ34.0
第3位ブランドサイト32.2
第4位口コミ31.7
第5位検索エンジン31.0

ネットユーザーやSNSユーザーが多いこともあり、SNSやオンラインショップで新しい商品やブランドを知る機会が多いようです。メキシコで認知度を広めるためには、FacebookでPRしつつ、AmazonやメキシコのECモールでアピールすると良いでしょう。

また、別の調査では、ECで商品を購入するきっかけとして、ダイレクトメールやショートメッセージがきっかけになっている割合も多いと判明したそうです。新規顧客の囲い込みや、リピート客を定着させる1つの方法として、ダイレクトメールやショートメッセージが有効かもしれません。

ネットは便利なものの、メキシコでも詐欺被害が発生しているため、いかに信用してもらえるかがビジネスの成功と失敗を分けるでしょう。

商品・ブランドを何を通じて調べるか

新しい情報を知ったあと、どのように詳細を調べるのか。興味深いことに、SNSの割合が最も多いと分かりました。次の表で確認してみましょう。

ランキングツール割合(%)
第1位SNS63.0
第2位検索エンジン53.7
第3位ブランドのサイト37.6
第4位消費者レビュー35.1
第5位価格の比較サイト27.3

SNSで新しい情報を入手し、そのままSNSで検索するネットユーザーが多いようです。つまり、SNSの情報に信頼を寄せている人が多いのかもしれません。メキシコでのWebマーケティングにおいても、SNSの活用は必須といえるでしょう。

デバイスの比率

約1億人近いネットユーザーがいるメキシコで最も保有率が高いデバイスは何でしょうか。DATAREPORTの調査結果では、以下のランキングになりました。(調査対象者:16歳から64歳までのインターネットユーザー)

ランキングデバイス割合(%)前年比(%)
第1位スマートフォン98.5-0.2
第2位ノートパソコン or デスクトップ69.6-6.2
第3位タブレット42.2-12.1
第4位ゲーム機42.1-12.8
第5位スマートウォッチ orスマートリストバンド24.2+7.1

やはり、スマートフォンの保有者が圧倒的に多く、なんと保有率は98.5%。そして、パソコンの保有率は69.6%、タブレットの保有率は42.2%と続き、ネット接続可能なデバイスを持つ人が多いです。

メキシコのネットユーザーが1日にネットを使う時間は、8時55分と長時間に及びます。モバイルフォンでは4時間37分、パソコンやタブレットにおいては4時間18分と、モバイルフォンの時間が約20分長いです。

また、ネットを使う理由として、情報検索、How to調査、友達や家族との連絡がTOP3を占めており、日本人の利用目的とあまり変わらないと思います。また興味深いことに、教育や勉強を目的としてネットを使う人が多いそうです。

識字率は95.2%と高いものの、勉強目的でのユーザーが多いことから、勉強熱心な若者が多いのかもしれません。日本語向けの動画配信やアニメの書き方など、日本の文化を学べる情報発信をするとファン獲得に期待できるでしょう。

検索言語

メキシコの公用語はスペイン語です。次に多い言語は先住民族の言語になります。スペイン語での検索が基本になります。

まとめ

メキシコの特徴を始め、ネットユーザーの普及率やSNSシェア率など、Webマーケティングに関する内容をお伝えしてきました。少しはメキシコのネット状況を把握できたでしょうか。

これまで日本製品に対して、自動車やオートバイの高度な技術、アニメ文化などをイメージに掲げるメキシコ人が多かったそうです。しかし、2016年にメキシコへ進出した企業の影響もあり、日本製品に対するイメージが「とても便利で欧米より優れている」と変わりつつあるようです。

これを機に、メキシコへの新規開拓を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
ITストラテジスト、応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、情報処理安全確保支援士、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター