LP(ランディングページ)の重要性と作成時に押さえるべきポイント

LP(ランディングページ)は、特定の目的を達成するために設計されたWebページです。広告や検索結果、SNSから訪れるユーザーをターゲットにし、商品の購入や問い合わせの促進を目的とします。通常のWebサイトと異なり、コンバージョン(目標達成)を最大化するために最適化されています。
この記事では、LPがなぜ重要なのか、またその作成時に押さえるべきポイントについてご説明いたします。

LPの重要性

LPは、ユーザーに必要な情報を簡潔に伝え、最短ルートでアクションへ誘導することに特化しています。広告経由で訪問するユーザーにとって、的確な情報提供とスムーズな誘導がコンバージョン率を高める鍵となります。

特に、検索エンジンやSNS広告からの流入ユーザーは、明確な目的を持っているケースが多いため、LPが最適に機能すると、より高い成約率を実現できます。また、サイト内の他のページと違い、無駄なリンクを排除し、訪問者が迷わずにアクションを起こせる構成が求められます。

LPとサイトページの違い

LPと通常のWebサイトページ(企業のトップページやサービス紹介ページなど)には、目的とデザインにおいて大きな違いがあります。LPとサイトページの主な違いは下記です。

項目LPサイトページ
目的特定のアクション促進(購入・登録など)情報提供やブランド構築
デザイン余計な情報を省きユーザーにアクションを促す要素(ボタン等)を強調多くの情報を掲載
誘導方法広告やSNSから直接誘導ユーザーが自由に回遊

このように、サイトページが多くの情報を提供する場であるのに対し、LPはユーザーに「今すぐ行動を起こさせる」ためのページなのです。

LPの作り方・考え方

効果的なLPを作成するためには、しっかりとした計画と設計が必要です。ここでは、LP作成時に大切なポイントと具体的な作り方について解説します。

目的と目標の設定

LPを作成する最初のステップは、目的と目標を明確にすることです。目的が不明確なまま作成すると、訴求軸がぶれ、コンバージョン率が低下する原因となりかねません。

また、LPの目的を明確にし、KGI・KPIを設定することで、成果を測定しやすくなります。たとえば、「問い合わせ件数を増やす」場合、KGIを「月間1000件の問い合わせ」とし、KPIとして「訪問者数やコンバージョン率」を指標に設定すると、運用の指標が明確になります。

ターゲットとなるペルソナ設定

ペルソナとは、理想的な顧客像を具体的に描いた人物像のことです。ターゲットユーザーの年齢、性別、職業、関心を具体的に設定し、最適な訴求方法を選定します。ペルソナを詳細に設計することで、コンテンツやデザインの方向性が明確になり、訪問者の共感を得やすくなります。

また、ユーザーの悩みやニーズを深掘りし、それに応じたコンテンツを作成することで、より効果的なLPに仕上げることができます。例えば、同じ商品でも「価格を重視する層」と「品質を重視する層」では、訴求ポイントが異なります。

運用方法の策定

LPは作成するだけで終わりではありません。効果的な運用が求められます。そのためには、広告の活用が不可欠です。広告を使ってターゲットユーザーをLPに誘導し、コンバージョンを促進することが基本となります。

主なLP広告の種類

リスティング広告ユーザーがGoogleなどの検索エンジンで検索した際に、検索結果の上部に表示される広告
ディスプレイ広告様々なWebサイトに表示される画像や動画の広告
SNS広告LINEやX(旧Twitter)、Instagram、FacebookなどのSNSに表示される広告
動画広告YouTubeやSNSなどに表示される動画の広告

前もってどのような広告を使うか計画し、LPを制作するための適切なキーワードの選定や素材の準備を行うと良いでしょう。

ワイヤーフレーム(構成)の作成

LPの効果を最大化するには、適切な構成設計が欠かせません。代表的な構成要素として「ファーストビュー」「商品詳細」「ベネフィット」「レビューや事例」「CTA(行動を促す要素)」などがあります。
これらの項目を元に、どの情報をどの順番で配置すれば効果的に訴求できるかを検討しましょう。

また、詳細な解説は省きますが、LPの設計には「AIDMAの法則」や「新PASONAの法則」など、効果的なフレームワークがいくつか存在します。これらを活用することで、反応を得やすいLPの構成が作りやすくなります。

必要な要素を整理し、全体の設計図となるワイヤーフレームを作成することで、直感的に分かりやすいLPを設計できます。

制作フェーズ

コンテンツ内容の作成

ワイヤーフレームが完成したら、具体的なコンテンツ内容を作成します。ワイヤーフレームに沿って、画像の大きさや文章量を考慮しながら作成しましょう。その中でも特に重視すべきはファーストビューとCTAです。

ファーストビューページを訪れて最初に目に入る、スクロールせずに表示される箇所を指す
ユーザーはサイトに訪れてから3秒以内に、自分に有益な情報があるかどうかを判断すると言われているため、ユーザーの興味を引きつけるキャッチコピーやビジュアルにすることが重要
商品・サービス詳細簡潔に魅力を伝え、特徴を明確にする
ベネフィットターゲットにとっての利点を具体的に示す
レビュー・事例信頼感を高めるユーザーの声や導入事例
CTA(行動喚起)ユーザーに具体的なアクション(購入、登録、問い合わせなど)を促すもの
明確なボタンやリンクで次のアクションへ誘導する

デザイン作成

LPのデザインは、ユーザーの視線誘導を考慮して設計し、情報を自然な流れで伝える工夫が求められます
中でも「Z型レイアウト」と呼ばれる、左上から右上へ、右下から左下へ視線を誘導するパターンが定石です。
また、要素の大きさを変えてメリハリをつけたり、関連する情報を近くに配置してグルーピングしたりと、視線誘導の方法はさまざまです。

使用する色味によってもページの印象が大きく変わります。色が与える心理的影響や、商品やコンセプトを考慮して使用するカラーを決めていきます。
特にCTA部分は目立たせることが重要です。全体に馴染みすぎない配色や目を引く形、動きをつけるなど、視線を止めやすい工夫を凝らしましょう。

コーディング

LPのコーディングでは、以下のポイントに気を付けて進めましょう。

ページの読み込み速度を最適化画像の圧縮や不要なスクリプトを削減
レスポンシブデザイン対応スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧可能にする
修正しやすい構造A/Bテストなどで異なるデザインやCTA、コンテンツの組み替えが発生する可能性があるため、差し替えしやすい構造で作成する

公開後の効果検証

LPは公開後の分析と改善が不可欠です。よく使われる測定方法として、以下のツールが挙げられます。

サイト解析ツール(GA4など)訪問者データを分析し、離脱率やコンバージョン率を確認
ヒートマップツールユーザーの行動を可視化し、重要な箇所が十分に見られているかを確認
A/Bテスト適なデザイン・コンテンツを検証し、ボタンの配置や色を調整

また、定期的なコンテンツ更新も重要です。市場のトレンドや競合の動向をチェックしながら、必要に応じてコピーやデザインを見直すことで、LPの効果を持続させることができます。

海外向けにLPを作成する場合のポイント

海外市場向けのLPを作成する場合は、文化や言語の違いを考慮したアプローチが重要です。日本語とは異なるユーザーの習慣や期待に合わせてコンテンツをローカライズし、効果的に訴求することが求められます。
下記のようなポイントを抑えて作成していきましょう。

文化や言語に合わせたコンテンツ作り

構成

簡潔な構成海外向けLPでは、情報を簡潔に伝え、直感的に理解できるような構成が好まれる傾向
ベネフィット中心の訴求キャッチコピーには、ユーザーの利益を明確に伝える表現を使用
視覚的アプローチイメージを想起させるアイコンや画像を活用
文化的配慮画像や表現の中に文化的な誤解を招かないよう注意が必要

デザイン

シンプルでコンパクトなデザイン海外ではテキストよりもビジュアルを重視する傾向が強い
色使い国や文化によって色の持つ意味が異なるため、ターゲット国に適した配色を選ぶ
動画やアニメーションの活用海外向けLPでは動画や動的要素が効果的に活用されることが多い

法規制

データ保護規制EUならGDPR、アメリカならCCPAなど、各国の個人情報保護法を遵守
広告規制医療・金融・教育など特定の業界では、国ごとの広告規制があるため事前確認が必須

翻訳の品質

直訳ではなくローカライズターゲット市場に適した表現を使用
専門的な用語やフレーズは、ネイティブの専門家に依頼することをおすすめ
ネイティブのチェック言語的な違和感を防ぐため、現地の専門家によるチェックが重要

A/Bテスト

異なる言語バージョンでの効果検証市場ごとにユーザーの反応を分析し、最適なデザインやコンテンツを選定
CTAの最適化国や文化に応じた訴求方法を検証し、コンバージョン率の向上を図る

まとめ

LPは、特定の目的を達成するためのWebページであり、ターゲットの明確化、適切な構成、継続的な改善が成功の鍵です。
特に、ペルソナ設定を作りこむことと、A/Bテストを活用することで、効果的なLPを作成できます。海外向けLPでは、文化や法規制への対応も重要です。

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この記事を書いた人

UDXマーケティングチーム

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