メディア運営やWebサイトの規模が大きくなればなるほど、外部の支援会社の力を借りるケースが多くなります。
Google Analytics4(以下GA4)などのデータ管理がツールを社外の人と情報を共有する際は、アクセス権限に注意して権限を付与しなければいけません。
不用意なアクセス権限の付与は情報漏洩の原因です。そのため、ツールにアクセスをできるユーザーを増やす際は、閲覧できる権限などを管理することで、不必要なデータを公開することがなく、分析やWebサイトの運営を行うことができます。
本記事ではGA4におけるアクセス権限付与方法や付与後の解除の手順、権限の範囲、注意すべき点など、詳しく説明しています。
目次
権限付与の手順について
GA4のアクセス権限の付与はGmailの利用を前提に説明されていますが、Gmail以外のメールアドレスでも権限の付与は可能です。
GA4の権限付与の手順はとてもシンプルです。管理画面からすぐにアクセス管理画面へ遷移できます。
アクセス管理画面への遷移手順と、追加方法は次の通りです。
①GA4にログイン: 権限を付与したいプロパティにアクセス
②管理画面へ: 左下にある「管理」をクリック

③アクセス管理: アカウントの「アカウントのアクセス管理」クリック
※権限によって、アクセス管理が行えない場合があるため、権限付与できない場合は自分の権限レベルを確認しましょう。

④ユーザー追加: 右上にある「+」ボタンをクリックし、「ユーザーを追加」を選択

⑤ユーザー情報入力:以下の情報を入力
・メールアドレス
・付与する権限の選択
・特定のデータへのアクセスの制限

追加: 設定内容を確認し、「追加」をクリックして完了
権限の確認はプロパティのアクセス管理画面へ遷移すると一覧で確認できます。一度付与したユーザーの権限はいつでも変更可能です。権限が付与されたユーザーには招待メールが送信されます。
アカウントレベルで権限を付与すると、アカウント内の全てのプロパティにアクセスできるようになるため、注意しましょう。
Google Analytics4にて設定されている権限とデータの共有制限
GA4では、5つの役割に応じて権限が付与される仕組みを採用しています。
設定されている5つの役割と権限を一覧表にまとめました。
種類 | 権限の範囲 | 付与対象者の例 |
---|---|---|
管理者 | GA4のすべてを管理できる権限。ユーザーの削除、追加もできる | 役員や事業責任者、マーケティング責任者など |
編集者 | プロパティ単位の設定が全てできる。ユーザーの追加や削除はできない | メディア管理者やGA4担当者 |
マーケティング担当者 | オーディエンス、コンバージョン、アトリビューション モデル、イベント、計測期間の作成と編集と削除 | メディア管理者やGA4担当者 |
アナリスト | 特定のプロパティアセットの作成と編集、削除ができる | レポートの作成者、分析担当者、社外の支援会社 |
閲覧者 | 閲覧のみ(※編集・レポートの作成不可) | 研修中の社員やインターン、社外支援会社など |
それぞれの権限に応じて対応できることが細かく分けられています。付与する際は、確認するデータや作業範囲を明確にした上で権限付与を行うことをオススメします。
データの共有制限について
余計なデータまで共有せずに済むように、GA4では2つの項目を設定することができるという点が特徴です。
データ制限 | 詳細 | 表示される指標 |
---|---|---|
費用(コスト)指標なし | 費用に関する指標が表示されず、収益に関する指標のみ表示される | 広告収益、平均日次収益、商品の平均価格等 |
収益指標なし | 収益に関する指標が表示されず、費用に関する指標が表示される | Google広告の費用 Google広告のクリック単価・コンバージョン単価 |
具体的には、コンサルティングを依頼している会社に、収益情報まで開示したくない場合は「費用(コスト)指標なし」を選んで収益情報を隠すことができます。
その他には、広告代理店に広告運用を依頼する場合、費用指標のみを共有して収益指標を隠すなどの活用方法があります。
権限の編集・削除方法について
権限の編集と削除方法は基本的に追加とほとんど同じです。一連の流れは次のとおりです。
①GA4にログイン: 権限を付与したいプロパティにアクセス
②管理画面へ: 左下にある「管理」をクリック

③アクセス管理: プロパティの「プロパティのアクセス管理」クリック
④ユーザーの選択: 編集したいユーザーの右側から、「ユーザーのアカウントの詳細を表示」もしくは「アクセス権を削除」を選択。

⑤ユーザー権限の変更:変更したい権限に設定します。

⑥保存: 変更内容を保存して完了
GA4の権限を付与する時に気をつけたい3つの注意点
GA4の権限を付与する際に気をつけたい3つの注意点を紹介します。
- 権限ごとのアクセスレベルをよく確認する
- 権限が正しく付与・解除されているかしっかり確認する
- 権限を付与できるユーザー数は100人まで
権限ごとのアクセスレベルをよく確認する
GA4に設定されている6つのアクセス権限の名称と権限の内容をよく把握しておきましょう。
それぞれの権限にてアクセスできるデータや実行できる内容が差別化されています。社外の支援会社のアクセス権限や自社内の責任に応じたアクセス権限など、細かな注意を払ってよく検討するようにしましょう。
外部の会社へ権限を付与するときは特に注意が必要です。まずは、最小のアクセス権限からスタートして、段階的に追加していく方法が有効です。
権限が正しく付与・解除されているかしっかり確認する
権限の共有者が多くなると誰に付与したのかわからなくなってしまいます。権限を付与した後は、権限が正しく適用されているか、確認しなければいけません。
権限の付与だけでなく、解除の確認も大切です。以前支援を受けていた会社へのアクセス権限が解除されずにそのままになっていた場合は、情報漏洩のリスクがあります。支援の契約が終了したらすぐに権限を変更しましょう。 定期的な権限チェックをしておくと、付与忘れの予防に効果的です。
GA4のアカウント作成上限は100人と決められているため、100人を超えてユーザーを追加したい場合は、Googleアナリティクス360というGA4の有料版への登録が必要です。
権限がありませんと表示されたときの対処法
GA4にアクセスした際に、「権限がありません」と表示されることがあります。権限は正しく付与されているのに、権限がありませんと表示されたときの主な対処法は次のとおりです。
原因 | 対処法 |
---|---|
パラメーターが自動で変化した | 一度パラメーターを消して、再度GA4へアクセス |
Googleアカウントが複数存在し切り替えができていない | 権限があるアカウントを確認して再度ログイン |
ブラウザ拡張機能やCookieに問題がある | シークレットモードや違うブラウザで再ログイン |
まとめ
今回はGA4でのプロパティ単位の権限付与の方法と確認、編集方法について説明しました。
データ共有と権限の範囲を慎重に考えなければいけませんが、データ分析やマーケティング支援が得意な支援会社にGA4の権限を付与して分析や施策の示唆をしてもらうことで、マーケティングの効果を最大化することが可能となります。自社内で権限付与の運用ルールを決定し、GA4を活用しましょう。
当社ではGA4を用いたWebサイトの分析サービス提供しています。GA4を導入しているものの、データから見る改善にお困りの方はぜひご相談ください。
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