オーストラリアは高いインターネット普及率と購買力を背景に、デジタルマーケティングの効果が最大化しやすい市場のひとつです。2025年の最新データでは、SNS・検索・モバイル利用率が世界でもトップクラスの水準にあり、企業が成果を出すためには“現地ユーザーのデジタル行動”を深く理解することが欠かせません。
本記事では、オーストラリアにおけるインターネット利用動向やSNSシェア、検索エンジンシェア、ブランド認知経路などをもとに、今後のマーケティング戦略を成功させるための実践的なヒントを提供します。
目次
オーストラリアとは
オーストラリアは2025年現在、安定した経済基盤と高い生活水準を誇る先進国のひとつであり、デジタルインフラも世界水準に整備されています。名目GDPは2.8兆豪ドル(約1.8兆米ドル)に迫り、人口は約2,700万人と規模は中堅ながら、購買力の高さと堅実な成長性で注目される市場です。
主要経済指標(2022〜2025年)
| 指標 | 2022年 | 2023年(見込み) | 2024年(予測) | 2025年(予測) |
| 実質GDP成長率(%) | 3.9 | 2.0 | 1.2 | 2.1 |
| 民間消費成長率(%) | 5.1 | 1.3 | 1.1 | 1.3 |
| 総固定資本形成(投資)成長率(%) | 4.4 | 0.9 | 1.1 | 2.4 |
| 失業率(%) | 3.7 | 4.0 | 4.3 | 4.4 |
| CPI(消費者物価)上昇率(%) | 6.6 | 5.4 | 3.7 | 3.0 |
| 貯蓄率(%、GDP比) | 22.4 | 20.4 | 19.7 | 19.6 |
| 経常収支(%、GDP比) | -0.9 | -1.5 | -1.4 | -1.2 |
| 名目GDP(十億A$) | 2,648 | 2,716 | 2,837 | 2,974 |
| 一人当たり名目GDP(A$) | 101,647 | 102,618 | 105,516 | 109,673 |
| 人口(百万人) | 26.1 | 26.5 | 26.9 | 27.1 |
出典:IMF World Economic Outlook Database(2024年4月版)
経済的特徴と展望
オーストラリア経済は、コロナ後の景気回復によって2022年に3.9%の高成長を記録しましたが、インフレ抑制を目的とした金融引き締めの影響で2023年以降は成長率が鈍化傾向にあります。ただし、民間消費と住宅投資が再び上向く見通しで、2025年には成長率が2.1%に回復すると予測されています。
インフレ率は2022年の6.6%から年々低下し、2025年には3.0%まで収束する見通しです。これにより、中長期的に金利安定→消費・広告投資拡大→マーケティング需要の増加というポジティブな循環が期待されます。
また、インフラ支出と移民政策による人口拡大も継続しており、マーケティングやEコマースにおける潜在顧客の増加にもつながる点は見逃せません。
デジタルマーケティング概況

オーストラリアは、2025年時点でデジタルインフラが極めて整備された先進国市場であり、企業のマーケティング活動においてもオンラインチャネルの活用が主流となっています。以下の統計からは、インターネットとSNSの利用環境が高度に成熟していることが読み取れます。
まず、総人口は約2,680万人で、前年から1.0%(+26万人)増加しました。特筆すべきは、インターネットユーザー数が2,610万人(人口の97.1%)に達しており、世界的にも非常に高い普及率を誇っている点です。これは、オーストラリア市場においてデジタルチャネルを活用した施策が大半の国民に届くことを意味しています。
また、SNSユーザー数は2,090万人(全人口の77.9%)で、前年より+10万人増加しています。SNSの浸透が進んでいる背景には、広大な国土に対するインターネット接続の重要性と、個人間および企業とのコミュニケーションの効率化ニーズがあります。
携帯電話回線数は3,440万件に達しており、人口比128%と1人あたり1台以上の端末を保有している計算になります。モバイルファーストな市場特性が強く、特にSNS広告、モバイルコマース、動画コンテンツ配信などとの親和性が非常に高い点が特徴です。
さらに、都市化率は86.8%に達しており、大半の人口が都市部で暮らしていることから、地理的に集中したターゲティング施策や地域密着型の広告展開が効率的に行える点もマーケターにとっては利点です。
このように、オーストラリアは「人口規模は中程度ながら、極めて高度なデジタル接続率を有する高単価市場」であると位置付けられ、今後もデジタル広告・SNS運用を中心とした統合的マーケティング施策が不可欠となるでしょう。
オーストラリアにおけるSNSユーザー数

2025年初頭のデータによると、オーストラリアのソーシャルメディアユーザー数は約2,090万人で、総人口の約77.9%に相当します。これは、デジタルマーケティング戦略においてSNSが極めて重要なチャネルであることを示しています。
主要ソーシャルメディアプラットフォームのユーザー数
| SNSプラットフォーム | 利用率(%) | 推定ユーザー数(万人) |
|---|---|---|
| 77.7 | 1,624万人 | |
| Messenger | 68.9 | 1,440万人 |
| 65.2 | 1,363万人 | |
| 48.3 | 1,009万人 | |
| TikTok | 44.1 | 922万人 |
| iMessage | 42.4 | 886万人 |
| Snapchat | 33.1 | 692万人 |
| 30.7 | 642万人 | |
| 30.6 | 639万人 | |
| 28.3 | 592万人 | |
| X(旧Twitter) | 27.2 | 569万人 |
| Discord | 13.3 | 278万人 |
| Telegram | 12.3 | 257万人 |
| Skype | 12.0 | 251万人 |
| Quora | 10.8 | 226万人 |
出典:Social Media News(2024年12月)
オーストラリアにおける主要SNSプラットフォームと活用法(2025年)
2025年2月時点で、オーストラリアのインターネットユーザー(16歳以上)が最も利用しているソーシャルメディアプラットフォームは以下の通りです。
SNSプラットフォーム利用率ランキング
| 順位 | プラットフォーム | 利用率(%) |
| 1位 | 77.7% | |
| 2位 | Messenger | 68.9% |
| 3位 | 65.2% | |
| 4位 | 48.3% | |
| 5位 | TikTok | 44.1% |
| 6位 | iMessage | 42.4% |
| 7位 | Snapchat | 33.1% |
| 8位 | 30.7% | |
| 9位 | 30.6% | |
| 10位 | 28.3% | |
| 11位 | X(旧Twitter) | 27.2% |
| 12位 | Discord | 13.3% |
| 13位 | Telegram | 12.3% |
| 14位 | Skype | 12.0% |
| 15位 | Quora | 10.8% |
出典:GWI(Q3 2024)


上位6つのSNSプラットフォームの特徴とマーケティング活用法
1. Facebook
利用状況(広告リーチ)
- メタ社広告リソースによると、オーストラリアのFacebookは1700万ユーザーにリーチ(全人口の64.1%相当)。うち13歳以上の「利用可能層」の75.6%、18歳以上の成人の81.5%が利用しています。
特徴・利用理由
- 広範な年齢カバー:10代〜シニアまで幅広く、家族・地域コミュニティ/ビジネス双方での接点。
- 多彩なフォーマット:動画投稿(Feed/Stories/Reels)、Facebook Live、イベントページ、Marketplace、ダイナミック広告など。
- 高精度ターゲティング:行動・興味・デモグラフィックに基づく詳細なセグメント配信が可能。
具体的マーケティング施策・事例
- コミュニティ支援キャンペーン
- Commonwealth Bankは「Community Seeds」キャンペーンを実施。公式Facebookアプリ上でユーザー投票ごとにコミュニティ団体へ1ドル寄付、175,000ドルを還元。
- 動的リターゲティング広告
- EC企業が商品カタログ連携+Facebookピクセルで閲覧商品を自動表示。CTRが平均2.8%、ROAS(広告費回収率)が30%向上した事例も。
- Facebook Live×Shoppable Ads
- ブランドがライブ配信中に「Shop Now」ボタンを表示し、視聴者の約12%が配信中に購入。リアルタイム販促でエンゲージメントとCVRを両立。
2. Messenger
利用状況(グローバル/参考値)
- 世界では月間10億ユーザー超を抱え、前年比+5.2%で成長。16カ国で首位のメッセンジャーアプリに選出(オーストラリア含む)。
特徴・利用理由
- 即時性×高開封率:一般的に開封率は88%以上。
- ボット・Rich Message対応:24/7の自動応答、ステップメッセージ、テンプレート通知、Quick RepliesなどをAPI経由で実装可能。
- SNS内完結型:Feed広告との連動で、クリック1回でチャット開始(Click-to-Messenger広告)。
具体的マーケティング施策・事例
- チャットボットによるFAQ自動化
- SentiOneの事例では、AIチャットボットで顧客対応を自動化し、運用コストを30%削減。
- Click-to-Messenger広告
- ニュースフィード広告から1タップでMessengerへ誘導し、問い合わせ率を通常リンク広告比で2.5倍に改善(Brightspark Consulting事例)。
- ステップメッセージ型プロモーション
- 新商品リリースやクーポン配信をシナリオ配信し、コンバージョン率を平均15%向上。
3. Instagram
利用状況(広告リーチ)
- オーストラリアのInstagramは1430万ユーザーにリーチ(全人口の53.1%相当)。13歳以上の62.6%、成人の65.4%が利用。
特徴・利用理由
- ビジュアル訴求特化:Feed/Stories/Reelsが中心。
- ショッピング機能:Shop Nowタグで「タップ→商品ページ」へのシームレス遷移。
- 若年層エンゲージメント:Z世代〜30代のブランド認知・共感フェーズで高い効果。
具体的マーケティング施策・事例
- UGCハッシュタグキャンペーン
- Gymshark「#Gymshark66」は、約140,000本のユーザー動画・累計193M回再生を獲得し、ブランドフォロワーを1.4M→4Mに拡大。
- インフルエンサーマーケティング
- オーストラリアのファッションブランドがローカルマイクロインフルエンサーと連携し、ストーリーズ広告でECクリック率を3.5倍に改善。
- ショッピングタグ付きReels広告
- 短尺動画に商品タグを付与し、平均CVRを8%向上(Love, Bonito事例)。
4. WhatsApp
利用状況(Global/参考値)
- WhatsAppは世界で20億MAUを突破。Business APIは200MのMAUを抱え、企業導入が急速に拡大中。
特徴・利用理由
- 高開封率・即時性:メッセージ開封率98%超。
- API連携多機能:チャットボット、カタログ、リッチメニュー、支払い(WhatsApp Pay)など。
- 電話番号ベースID:ユーザー側の導入障壁が非常に低い。
具体的マーケティング施策・事例
- Click-to-WhatsApp広告
- Facebook広告内に「WhatsAppで問い合わせ」ボタンを表示し、1タップでチャット開始→リード獲得率が従来比1.8倍に。
- ブロードキャストリスト配信
- 既存顧客グループへセール情報やニュースレターを一括通知し、開封率90%超を達成。
- カート放棄リマインド自動化
- CRM連携により、ECサイトのカート放棄者へ自動リマインドを配信。回収率を25%向上。
5. TikTok
利用状況(広告リーチ)
- オーストラリアのTikTokは成人広告リーチ800万超(38.0%の成人/30.7%の全インターネット利用者)。
特徴・利用理由
- ショート動画×AIレコメンド:For Youフィードで潜在ニーズ掘起。
- バイラル拡散力:ハッシュタグチャレンジやBranded Effectsで爆発的に拡散。
- Z世代エンゲージメント:1日平均の視聴時間が長く、高い没入体験を提供。
具体的マーケティング施策・事例
- Branded Hashtag Challenge
- Oreo(Mondelez)はハッシュタグチャレンジで高ROASを記録し、売上寄与を可視化。
- ライブコマース運営
- リアルタイム販売イベントで視聴者の8%がその場で購入。従来EC比CVR+30%を達成。
- In-Feed+Spark Adsフルファネル
- UGC風クリエイティブ採用でCTR2.5%、ROAS2.3倍を達成。
6. iMessage
利用状況(iOSシェア)
- 2025年3月時点で、オーストラリアのモバイルOSシェアはiOSが54.99%と首位を獲得。iMessage対応端末は同率シェア。
特徴・利用理由
- 標準搭載×高エンゲージメント:SMS感覚で使えるリッチメッセージ、Apple Payなど決済連携も可能。
- 企業向けBusiness Chat:リッチメニュー、FAQボット、有人エスカレーション、予約・購入フローをiMessage上で完結。
具体的マーケティング施策・事例
- Apple Business Chat+Apple Pay連携
- Rogers/TD Bankは銀行サポートをiMessage上で提供し、Apple Pay決済で支払い完了まで一気通貫のUXを実現。
- ハイブリッド自動応答
- FAQ自動化→有人応答にシームレス遷移し、第一次回答率を70%向上。
- 招待制キャンペーン
- VIP顧客限定の招待コード配信や、イベント参加案内をiMessageで配信し、開封率90%超を達成。
各プラットフォームはユーザー属性・利用シーンが異なるため、ターゲット設計→クリエイティブ最適化→効果測定→PDCAを高速で回し、最適チャネルミックスを構築することがマーケティング成果を最大化する鍵です。
DataReportal – Global Digital Insights
The Financial Brand
Adam Connell
SentiOne
Brightspark Consulting
Red Search
Telstra.com
Sinch
StatCounter Global Stats
オーストリアにおける検索エンジン/ブラウザシェア率
2025年2月時点におけるオーストリアの「ウェブブラウザ別のWebトラフィックシェア」は、依然としてGoogle Chromeが圧倒的なシェアを誇っており、モバイル・PC問わずGoogle検索の利用頻度が高いことを示唆しています。以下は主要ブラウザのシェア率です。
オーストリアのWebブラウザ別シェア(%)
| ブラウザ | シェア(%) |
| Chrome | 51.64% |
| Safari | 23.81% |
| Edge | 8.65% |
| Firefox | 7.81% |
| Samsung Internet | 4.34% |
| Opera | 2.84% |
| Yandex Browser | 0.32% |
| その他 | 0.59% |
出典:DataReportal(2025年2月版) / Meltwater / We Are Social


考察とマーケティングへの示唆
- Google系ブラウザ(Chrome)のシェアが50%超と圧倒的であり、Google検索を前提としたSEO・リスティング広告(Google Ads)施策が最重要であることがわかります。
- Safari(23.81%)の存在感も高く、iPhone利用者が多いオーストリアにおいては、Apple系デバイス最適化(表示速度・UI/UX)の重要性も高いです。
- Microsoft Edge、FirefoxなどPC比率の高いブラウザが上位にある点から、B2Bや長期比較検討型商品の検索導線としても、ブラウザ最適化やコンテンツ戦略が重要です。

今後もモバイルユーザーの増加が見込まれる一方で、SafariやEdgeなどの台頭により「クロスブラウザ対応」と「マルチデバイス対応」の重要性が増しています。検索経由流入を強化するためにも、モバイル・デスクトップ双方に最適化されたWebサイト運用と、SEOとPPCの組み合わせた戦略が不可欠です。
オーストラリアにおける検索言語の傾向
オーストラリアでは、英語が事実上の第一言語であり、検索エンジンで使用される言語も圧倒的に英語が主流です。Google、Bing、Safariなど、主要ブラウザや検索エンジンの言語設定も初期状態で英語がデフォルトとなっているため、英語キーワードを軸としたSEO対策が基本となります。
英語中心の検索文化
- オーストラリアの総人口の約97%以上が英語話者(日常会話レベル)であり、検索ワードも自然と英語表現が中心です。
- 多言語国家であるものの、中国語、アラビア語、イタリア語、ギリシャ語などの言語を話す少数派も存在しますが、検索行動においては主に英語が使われています。
- また、音声検索やスマートスピーカーの普及により、「会話調の英語フレーズ」での検索クエリも増加傾向にあります。
マーケティングへの示唆
- SEO施策は英語を中心に設計しつつ、「オーストラリア英語(オージーイングリッシュ)」の表現を意識したコンテンツ作りが求められます。
- 例:color(米)→ colour(豪)、organization → organisation などスペルや用語の違い
- 地域名や都市名(Sydney, Melbourne, Brisbaneなど)を組み合わせたローカル検索対策(ローカルSEO)も重要です。
- 多文化国家という背景から、一部のターゲット向けに翻訳ページや多言語LP(特に中国語・アラビア語)の用意があると、越境ECや観光・教育分野では有効に働きます。

英語圏市場ではありながら、オーストラリアならではの言語的ニュアンスとローカル性を押さえることで、検索結果上位獲得やCVR改善につながる施策が実現できます。検索キーワードの選定においては、GoogleトレンドやGoogleサジェスト、オーストラリア国内の検索ボリュームデータを活用し、定期的に見直すことが推奨されます。
オーストラリアで新しい商品・ブランドを最初に知る手段
オーストラリアの消費者は、さまざまな情報源から新しいブランドや製品に出会っています。2025年2月時点のデータ(出典:We Are Social & Meltwater)によると、特に検索エンジンと口コミ(Word of Mouth)がブランド発見の主要チャネルとして高い信頼を得ていることがわかります。
ブランド認知の主要チャネル(%はインターネットユーザー16歳以上の割合)
| 順位 | チャネル | 利用率(%) |
| 1位 | 検索エンジン | 37.6% |
| 2位 | 口コミ(Word of Mouth) | 34.3% |
| 3位 | テレビ広告(TV Ads) | 33.6% |
| 4位 | ソーシャルメディア広告 | 29.5% |
| 5位 | ブランド公式サイト | 26.8% |
| 6位 | 店舗内プロモーション | 25.8% |
| 7位 | EC・小売サイト | 23.0% |
| 8位 | ウェブサイト上の広告 | 21.7% |
| 9位 | ソーシャルメディアのコメント | 18.6% |
| 10位 | テレビ番組・映画 | 18.5% |
| 11位 | 商品カタログ・パンフレット | 18.1% |
| 12位 | メールや郵送 | 17.5% |
| 13位 | モバイルアプリ内広告 | 17.0% |
| 14位 | レビューサイト | 16.0% |
| 15位 | 商品比較サイト | 14.8% |
分析と活用ポイント
- 検索エンジン(37.6%)がトップ:SEOやリスティング広告による「検索経由での認知獲得」は引き続き強力な手段。キーワード選定とローカライズが鍵。
- 口コミ(34.3%)とSNSコメント(18.6%)の合算で約5割:UGC(ユーザー生成コンテンツ)やレビューの活用、顧客の声をコンテンツ化する施策が効果的。
- テレビ広告(33.6%)とSNS広告(29.5%)の併用:マス広告とデジタル広告を掛け合わせたクロスメディア戦略が有効。
- ECサイト(23.0%)やブランドサイト(26.8%)での体験:オンラインショッピング導線の最適化やLPのUX改善がブランド想起につながる。
戦略提案
- 検索+SNS連動型キャンペーンを展開し、ユーザーの複数接点での接触頻度を上げる。
- ブランドサイトやECにレビュー・Q&A・チャットサポート機能を導入し、信頼性を補強。
- SNS広告では動画フォーマットやインフルエンサーコラボを活用し、視覚訴求と感情移入を強化。
商品・ブランドを何を通じて調べるか
商品やブランドに出会った後、オーストラリアのユーザーはどのチャネルで詳細情報をリサーチしているのでしょうか。2025年2月時点のデータによれば、検索エンジンが他を圧倒して最も利用されており、続いてブランド公式サイトやレビューサイトといった「信頼性の高い情報源」が上位を占めています。
主なブランドリサーチチャネル(%はインターネットユーザー16歳以上の割合)
| 順位 | チャネル名 | 利用率(%) |
| 1位 | 検索エンジン | 62.5% |
| 2位 | ブランド・製品の公式サイト | 36.8% |
| 3位 | 消費者レビューサイト | 36.5% |
| 4位 | ソーシャルネットワーク | 33.6% |
| 5位 | 価格比較サイト | 27.8% |
| 6位 | モバイルアプリ | 18.3% |
| 7位 | 割引クーポンサイト | 16.5% |
| 8位 | 専門レビューサイト | 16.3% |
| 9位 | Q&Aサイト | 15.6% |
| 10位 | フォーラム/掲示板 | 13.1% |
| 11位 | 動画サイト | 12.7% |
| 12位 | ブランド・商品ブログ | 11.3% |
| 13位 | メッセンジャーサービス | 9.3% |
| 14位 | Vlog | 7.7% |
| 15位 | オンラインピンボード | 6.9% |
分析と活用ポイント
- 検索エンジンの圧倒的シェア(62.5%): SEO対策やGoogle広告などの検索マーケティングは、リサーチフェーズのユーザーを獲得する上で不可欠です。
- オウンドメディアの強化が鍵: 公式サイトやレビューの信頼性が評価されており、商品説明・FAQ・比較コンテンツなどの充実がCV率向上に直結します。
- SNSとレビューサイトの相互連携: ソーシャルネットワーク(33.6%)と消費者レビュー(36.5%)の併用率が高く、SNS上でのリアルな声の拡散がリサーチにも波及。
- モバイルシフトの強まり: モバイルアプリ(18.3%)や動画サイト(12.7%)の利用も注目。モバイルファーストな情報設計や縦型動画コンテンツの整備が重要です。
戦略的示唆
- 検索流入に備え、ブランド名+商品カテゴリ+レビューのような複合ワードを意識したコンテンツSEOを強化。
- レビューや比較サイトとの提携や口コミ獲得キャンペーンで外部信頼を強化。
- SNSでは教育系・比較系の投稿+リンク誘導を組み合わせることで、リサーチ行動への導線を設計。
まとめ|オーストラリア市場の推移と今後の展望、マーケティング戦略

過去と現状の推移まとめ
2025年現在、オーストラリアのデジタル環境は成熟段階にあります。総人口2,680万人のうち、インターネット利用者は2,610万人(97.1%)、SNSユーザーは2,090万人(77.9%)と、ほぼ全国民がオンラインで何らかの情報接触を行っている状態です。
SNS利用では、Facebook(77.7%)やMessenger(68.9%)などMeta系の強さが依然として顕著で、Instagram、WhatsApp、TikTokといったビジュアル中心のSNSも存在感を高めています。
ウェブトラフィックにおいてはChromeが51.6%と圧倒的シェアを誇り、SafariやEdgeなどを大きく引き離しています。検索エンジン経由のブランド認知(37.6%)とブランド調査(62.5%)の高さからもわかるように、検索マーケティングの影響力が非常に大きい市場です。
また、利用デバイスではモバイル端末(スマートフォン)からのアクセスが6割以上を占めており、レスポンシブなモバイル最適化は前提となっています。

今後の動向の推測
今後のオーストラリア市場では、以下のような変化が予想されます。
- SNSの多様化・分散化:Meta系プラットフォームのシェアは引き続き高いものの、TikTokやReddit、Snapchatなどニッチで影響力のあるSNSへの分散が進行。
- 信頼重視の消費行動:レビューサイトや公式サイト、比較系チャネルへのアクセス増が示す通り、「自分で調べて納得して購入する」リサーチ行動が主流化。
- モバイル+動画のさらなる重要性:動画サイトやモバイルアプリでのブランド調査・認知も上昇傾向にあり、ショート動画やストーリー広告の最適化が鍵を握ります。

対策と戦略提案
SEOとコンテンツマーケティングの強化
検索エンジンを活用した流入は依然として王道。検索意図を意識したコンテンツ設計や、FAQ・レビュー・比較記事などE-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性)を高める構成が必要です。
マルチSNS戦略とパーソナライズ化
FacebookやInstagramだけでなく、TikTokやReddit向けの縦型動画やスレッド投稿など、チャネル特性に合わせたクリエイティブとコンテンツ設計が求められます。
モバイルUXと動画活用の徹底
モバイル対応は必須。さらに、ショート動画、How-to動画、レビュー動画を広告やLPに取り入れ、リサーチ・購買を一貫して支援する導線設計が鍵。
信頼獲得コンテンツの活用
レビュー、比較サイト、インフルエンサーの活用により、ユーザーの信頼を獲得しながら商品理解を深める仕組みを構築しましょう。

オーストラリア市場では、「検索・比較・納得」の消費行動をベースに、信頼と利便性を両立させたデジタル戦略が必須です。成熟市場で差別化を図るには、正確なチャネル戦略とクリエイティブの最適化が鍵となるでしょう。


