中国のデジタルマーケティングトレンド2022(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

世界第1位の人口を保持し、世界最大規模のグローバルマーケットとして変容を遂げつつある中国。世界的なコロナ禍においても、ハイテク化や経済成長が著しく進んでいます。そこで今回は、中国のインターネットやSNS事情、デジタルマーケティングの概況についてご紹介します。

中国の概要

中国は東アジアの大部分を占める国であり、国土面積は約960万平方キロメートルと、日本の約26倍の広さを持ちます。人口は2022年4月時点で約14億4951万人に達しており、世界最大の人口数を保持しています。

人口は年々増加傾向にあり、過去に人口を抑えるため「一人っ子政策」がとられていましたが、現在は廃止されています。同国では経済成長も著しく、国際社会での存在感は年々大きくなっています。

中国は国土が広いため、地域によって文化や言語が大きく異なります。総人口の92%は漢民族ですが、55の少数民族も暮らしています。公用語は中国語で、宗教は仏教だけでなくイスラム教やキリスト教などが信仰されています。

一人当たりのGDPはIMF推計値で約10,511ドルで、国家GDPは約14兆8,667億ドルです。

中国のデジタルマーケティング概況

続いて中国におけるデジタルマーケティングを支えるインターネット環境について、解説します。中国のインターネットユーザー数は10億2000万人で、総人口の70.9%の人がインターネットを利用できる環境にある状況です。

インターネットユーザーの数は増加傾向にあり、同国のユーザー数は2021年から2022年にかけて、3590万人(+3.6%)の増加が見られました。

現在、中国でオフライン環境にある人は4億2100万人と見られており、これは人口の29.1%に当たります。また中国人の1日あたりのインターネット利用時間は、平均で5.15時間にのぼり、昨年比では7分(−2.2%)減りました。

しかしテレビを視聴している平均時間が2.57時間、ラジオの視聴時間が1.14時間であることを考えると、中国ではインターネットが最も利用されるメディアであることが分かります。

中国におけるSNSユーザー数

ここから、中国におけるSNSユーザーの数を見ていきましょう。中国では現在、9億8330万人ものSNSユーザーが存在し、全人口の約68.0%がソーシャルメディアを活用しています。

対象SNSSNS利用率(1ヵ月に利用する割合)
Wechat77.0%
Douyin(tiktok)70.2%
QQ61.5%
Baidu tieba57.0%
Sina weibo50.7%
Xiaohongshu47.9%
Kuaishou45.7%
Qzone34.4%
Meipai28.0%
Douyin huoshan23.6%
iMessage21.8%
引用:GWI.com

SNSユーザー数は2021年から2022年の間に5300千人(+5.6%)増加していて、多くの国民にとってSNSは生活に欠かせない存在となりつつあります。

しかし、1日あたりの平均利用時間は1.57時間で、前年よりも約5.6%減少しています。

中国のSNS事情。中国最大の特徴であるグレートファイアウォール

中国では、中国政府が「グレートファイアーウォール(防火長城)」というインターネット規制を実施しているため、海外のIT企業が開発したSNSを利用することができません。またSNSだけでなく、Googleのような検索エンジンも規制の対象となっています。

そのため、中国では世界的に人気なFacebookやYouTube、Instagramが利用されておらず、中国企業で開発された独自のSNSが主流となっています。これから紹介するSNSのほとんどは中国独自のサービスで、中国における生活インフラの主軸となっています。

次に、中国の人々がどのような理由でSNSを利用しているかについてです。調査によると、1番回答の多い理由は「友人や家族と連絡を取るため」です。34.9%の人々がこのように回答しました。

また、「暇つぶしのため」が28.5%、「何が話題になっているか見るため」が27.4%と続きます。SNSは中国人にとって、単なる連絡手段ではなくより日常生活に根ざしたサービスへと変化しています。

WeChatのユーザー数

次に各SNSのユーザー数についてご紹介します。まずは中国の大手IT企業であるテンセントが運営する、WeChatです。WeChatは簡単に説明すると、中国版LINEといったようなもので、メッセンジャー機能が主なサービスとなります。

中国ではインターネットユーザーの77%がWeChatを利用してます。またインターネットユーザー全体の約4割がお気に入りのSNSとしてWeChatを回答しています。

Douyinのユーザー数

Douyinは日本人にとって聞き慣れないサービスかもしれませんが、実はByteDance社が2016年にリリースしたTikTokの前身です。そもそもTikTokは日本を含めた世界中の国で利用される国際版のもので、本国である中国ではDouyinが使われています。

Douyinには国際版であるTikTokにはない機能が導入されています。その一つがEC機能で、ショートムービーやライブ配信から複数のECサイトへリンクすることができ、ユーザーはDouyinのアプリ内で決済まで完了させることができます。中国ではこのようなEC体験が当たり前となりつつあります。

中国ではインターネットユーザーの70.2%がDouyinを利用しています。またインターネットユーザー全体の18.1%がお気に入りのSNSとしてDouyinを回答しています。

QQのユーザー数

QQはWeChatと同じテンセント社で運営されているSNSです。QQもWeChatと同様メッセージアプリですが、ユーザーのほとんどは若者中心で、10代のユーザーが多くいます。

そんなQQは中国におけるインターネットユーザーの61.5%に利用されていて、今後もますますユーザー数が増えると予想されています。

Weiboのユーザー数

Weiboは中国最大のSNSとも呼ばれる、トレンドや情報収集には欠かせないSNSです。全世界に約8億人のユーザーが存在し、中国だけでなく日本を含むアジアや欧米地域でも利用されています。

中国ではインターネットユーザーの50.7%がWeiboを利用していて、ユーザー数は世界的に年々増加傾向にあります。

Xiaohongshuのユーザー数

最後にXiaohongshuをご紹介します。Xiaohongshuは中国最大級のeコマースプラットフォームとして有名なSNSです。口コミが大きな影響力を持つ中国市場において、Xiaohongshuはとりわけ若年層の女性から絶大な人気を集めています。

中国ではインターネットユーザーの47.9%がXiaohongshuを利用していて、近年インフルエンサーを活用したプロモーション施策も増えてきています。

検索エンジンシェア率。Baiduがトップ

引用:statcounter

続いて、検索エンジンのシェアを見ていきます。中国では先述の通り、規制によって海外企業の検索エンジンが利用できません。そのため世界的にメジャーとなっているGoogleではなく、Baiduが多く利用されています。

Baiduの月間ユーザー数は6億人以上存在し、1日になんと平均約100億回以上の検索がされています。そして中国国内の検索エンジンマーケットシェアは約90%を占めており、同国で圧倒的な人気を誇っています。

中国市場は大規模かつ成長が著しいため、海外ビジネスの場として無視できない存在となってきています。そしてデジタルマーケティングにおいて、Baiduは中国全体にアプローチできるため非常に多くの企業で活用されています。

BaiduはGoogleの検索アルゴリズムと異なるため、BaiduのSEO対策は独自の対策が必要です。

新しい商品・ブランドを何で最初に知るか

中国の人々にとって、新たな商品やブランドとの接点となっているのは、口コミや検索エンジンです。23.6%の人々が口コミ、21.9%の人々が検索エンジンを通じてこれらのコンテンツを発見しています。その他には、調査によると21.8%の人がブランドのwebサイト、21.7%の人々が口コミサイトで商品・ブランドを知ると回答しています。

このような結果から、中国では買い物の際にも情報の信憑性が重要視されていることが分かります。

口コミ23.6%
検索エンジン21.9%
ブランドのウェブサイト21.8%
消費者のレビューサイト21.7%
TV広告20.9%
ソーシャルメディアのコメント20.6%
TV番組や映画19.4%
ソーシャルメディアの広告19.3%
モバイルアプリ内の広告18.9%
ウェブサイトの広告18.7%
店内の広告18.7%
Webのリコメンデーション18.3%
有名人・著名人のオススメ17.7%
オンライン動画の広告17.6%
プロのブロガーのレビュー16.7%
引用:GWI.com

商品・ブランドを何を通じて調べるか

続いて詳しい商品情報をどのような手段で調べるかについてです。中国では、検索エンジン以外にもSNSを利用して調べる人が多く、33.6%が検索エンジン、32.9%がSNSと回答しています。

検索エンジン33.6%
ソーシャルメディア32.9%
消費者レビュー32.2%
ブランドウェブサイト31.3%
ビデオサイト26.4%
個人ブログ25.7%
価格比較サイト25.2%
モバイルアプリ24.6%
クーポンサイト23.2%
メッセージ&ライブチャット22.8%
ブランド・商品サイト22.4%
フォーラム&メッセージボード21.9%
Q&Aサイト21.5%
VLOG17.6%
有識者のレビューサイト16.7%
引用:GWI.com

デバイスの比率(PC・スマートフォン・タブレット)

デバイス所有率

中国インターネット利用ユーザーの94.7%はスマートフォンを所有しており、52.3%はPCを所有、35.5%がタブレットを所有しています。

ウェブトラフィックのシェア

引用:statcounter

ウェブトラフィックのシェアではモバイルが64.32%、デスクトップが34.82%、タブレットが0.86%の割合です。
モバイルとデスクトップの両画面対応が必要と言えるでしょう。

EC市場

EC市場規模推移

引用:Statista

中国EC市場規模は上記図の通り。右肩あがりで市場規模は膨らむ想定です。

ECマーケット(上海)

引用:トランス・コスモス「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2020」

中国では中国特有のECプラットフォームであるTmall.com(天猫)、JD.com、Taobao.comがトップシェアとなっています。

購入商品(上海)

引用:トランス・コスモス「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2020」

購入分野ではファッション、フードデリバリー、食品・飲料・酒類の順となっています。

まとめ

今回は中国のデジタル環境やデジタルマーケティング施策に関して、概要をご紹介しました。
中国ではIT化が年々進んでいて、近年様々なインターネットサービスが普及しています。

しかし中国人ユーザーは情報の信憑性を重要視し、購入の際は口コミサイトや検索エンジンの利用も目立ちます。ぜひ傾向を意識しながらマーケティング戦略を立てましょう。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 プルーヴ株式会社事業開発部シニアマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優秀賞受賞

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター