カナダのデジタルマーケティングトレンド2025(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

― 成熟市場の中で「つながり」と「信頼」をどう築くか?― 

カナダはインターネット普及率・モバイル利用率ともに世界トップクラスの成熟市場です。SNSユーザーや検索行動、オンライン購買の動向には明確な傾向があり、B2C・B2Bを問わず、「信頼を軸にした一貫性のあるマーケティング戦略」が求められています。本記事では、最新の統計データをもとにカナダのデジタル環境を分析し、CVRを高めるためのSNS・検索・デバイス対応戦略を提案します。 

カナダの概要 

カナダは、豊富な天然資源と安定した経済基盤を持つ先進国であり、デジタル社会への移行も着実に進んでいる国のひとつです。2022年の名目GDPは約2兆7,850億カナダドル(約2兆1,390億米ドル)に達し、1人当たりGDPは4万1,015米ドルと高水準を維持しています。主要輸出品には石油・ガス、自動車・部品、木材、銅などが挙げられ、資源国家としての側面を持ちながら、製造業やサービス業も堅調に推移しています。 

以下は、2020年〜2024年(見込み)の主要な経済指標を抜粋してまとめた表です(単位:%、または記載の通り)。 

指標 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年(推定) 
実質GDP成長率 -5.0 5.3 3.8 1.2 1.3 
民間消費 -6.3 5.1 5.1 1.7 2.8 
総国内投資(総資本形成) -7.0 13.0 1.4 0.2 0.9 
消費者物価上昇率(CPI・平均) 0.7 3.4 6.8 3.8 2.9 
失業率(年平均) 9.7 7.5 5.3 5.4 6.2 
経常収支(GDP比) -2.0 0.0 -0.4 -0.7 0.0 
財政赤字(GDP比) -10.9 -2.3 -1.4 -0.6 -1.2 
政府債務残高(対GDP比) 16.1 14.3 15.6 12.8 13.4 
輸出量増加率 -7.7 1.7 2.4 4.5 1.2 
輸入量増加率 -7.0 8.8 5.8 0.9 3.0 

(出典:IMF, Haver Analytics, 2024年版) 

ポイント解説: 

  • 景気回復と減速の両面性:2021年以降の回復基調ののち、2023〜2024年は成長の鈍化が予測されており、慎重な金融政策と財政支出管理が求められています。 
  • インフレの沈静化傾向:2022年に6.8%に達したインフレ率は、2024年には2.9%まで低下すると見込まれています。 
  • 失業率の持ち直し:コロナ禍で急上昇した失業率も2023年には5.4%と落ち着き、労働市場の安定がうかがえます。 
  • 財政健全化への動き:パンデミック時の大幅な財政赤字から徐々に回復しており、2024年にはGDP比-1.2%と一定の改善が見込まれます。 

このように、カナダ経済は堅実なマクロ基盤を維持しながらも、成長率や消費動向には慎重な対応が必要な局面を迎えています。特にインフレ・金利・労働市場の動向は、デジタルマーケティングの施策(広告費配分や消費者行動の変化)にも影響するため、継続的なモニタリングが重要です。 

デジタルマーケティング概況

2025年2月時点のデータによると、カナダはデジタル化が極めて進んだ先進国のひとつであり、マーケティング施策においてもオンラインチャネルの活用が必須の市場といえます。 

カナダの総人口は約3,990万人で、前年より+1.0%(+40.8万人)増加しています。このうちインターネット利用者は3,800万人に達し、人口比で95.2%という非常に高い普及率を誇ります。年次成長率は+1.9%(+71.8万人)であり、既に成熟市場でありながらも、着実にデジタルユーザー数が増加していることがわかります。 

一方で、SNSユーザー数は3,170万人と、インターネット利用者の約79.4%に相当しますが、前年比では-0.6%(-20万人)とわずかな減少を見せています。この背景には、一部ユーザーの利用分散やSNS疲れといったトレンドが影響している可能性があります。ただし、依然としてマーケティングにおけるSNSの重要性は高く、利用率の高さからも、ブランド認知やリテンション施策には欠かせないチャネルであることに変わりはありません。 

携帯電話の契約数は4,160万件で、人口比104%と普及率は非常に高い水準にあり、モバイルファーストの施策設計が前提となる点は見逃せません。特にスマートフォンを介したショート動画・モバイル検索・アプリ内広告などの接点は、今後さらに重要性を増すと考えられます。 

さらに、都市化率は82.1%と非常に高いため、ローカル密着型施策よりも、都市部を起点とした全国的なデジタルキャンペーンや、先進的なデジタル体験(例:AR広告、ライブ配信コマースなど)との親和性が高いマーケット特性を持っています。 

戦略的インサイト 

  • Web広告やSNS広告の精緻なターゲティングが必須:人口の大部分がネット上にいるため、リーチだけではなくセグメントごとの行動パターンに基づいた訴求が成果の鍵となります。 
  • モバイル最適化の徹底:レスポンシブデザインやモバイル検索対策、アプリ広告の強化は不可欠。 
  • SNS多様化への対応:TikTokやThreads、LinkedInといった多様なプラットフォームの活用や、世代別SNS戦略の構築が有効です。 

カナダにおけるSNSユーザー数(2025年3月時点) 

カナダは高いインターネット普及率(95.2%)を背景に、SNSの利用が日常生活に深く浸透しています。​2025年3月時点での主要SNSのユーザー数は以下の通りです。​ 

主要SNSのユーザー数(2025年3月|カナダ) 

SNSプラットフォーム利用率(%)推定ユーザー数(万人)
Facebook77.2%2,448万人
Messenger64.5%2,046万人
Instagram58.4%1,851万人
WhatsApp43.8%1,388万人
iMessage37.9%1,202万人
TikTok37.5%1,189万人
LinkedIn35.2%1,115万人
Pinterest32.8%1,039万人
X(旧Twitter)31.7%1,004万人
Reddit30.1%954万人
Snapchat25.5%808万人
Telegram14.2%450万人
Skype12.6%399万人
Discord12.4%393万人
Quora11.4%362万人

出典:NapoleonCat、Statista、The Show & Tell Agency(2025年3月時点) 

カナダで最も利用されているSNSプラットフォーム

以下は、16歳以上のインターネットユーザーを対象にしたSNSプラットフォーム別の利用率データ(GWI調査/2025年2月)です。 

表:カナダのSNS利用率(上位プラットフォーム) 

順位 プラットフォーム 利用率(%) 
Facebook 77.2% 
Messenger 64.5% 
Instagram 58.4% 
WhatsApp 43.8% 
iMessage 37.9% 
TikTok 37.5% 

上位6つのSNSプラットフォームの特徴と活用法 

1. Facebook

  • 利用状況・特徴
    • カナダのFacebook広告リーチは約2,300 万人、総人口の59.1%に相当し、18 歳以上の登録可能ユーザーの68.0%をカバーしています​。
    • 幅広い年齢層に支持されており、コミュニティ形成やイベント告知、ブランドページ運営など多彩な機能を搭載。Metaの広告管理ツールによる詳細なオーディエンスセグメンテーションと効果測定が可能です​。
  • マーケティング活用法
    1. ダイナミックリターゲティング広告
      • Shopify導入企業では、Facebookピクセルと商品カタログを連携し、訪問ユーザーに対して閲覧商品を自動で表示する「ダイナミック広告」を活用。CTR(クリック率)が平均20%以上向上した事例もあります​。
    2. Lookalikeオーディエンスによる新規顧客獲得
      • 既存の購入者データを基に類似ユーザーを抽出し、最もコンバージョンしやすい見込み層へ効率的にアプローチ可能。
    3. Facebookグループ運営+コミュニティマーケ
      • ブランド公式グループでファン同士の交流を促進し、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用した認知拡大やロイヤリティ向上を図る。

2. Messenger

  • 利用状況・特徴
    • カナダのMessenger利用者は約2,181 万人、人口の55.6%に相当します​。
    • メッセージ開封率は平均88%以上と高く、リアルタイムでの1対1コミュニケーションが可能。チャットボットを使った自動応答やキャンペーン通知にも対応します​。
  • マーケティング活用法
    1. チャットボットによるカスタマーサポート自動化
      • よくある質問への自動応答設定で、問い合わせ対応コストを削減しつつ24時間対応を実現。
    2. ステップメール型プロモーション配信
      • 新商品リリースや限定クーポンをシナリオ配信し、ユーザーの購買意欲を段階的に高める。
    3. Messenger広告(チャット広告)
      • ニュースフィードから直接チャットを開始させる広告フォーマットで、問い合わせや予約誘導を促進。

3. Instagram

  • 利用状況・特徴
    • カナダのInstagram広告リーチは約1,925 万人、総人口の49.4%、登録可能ユーザーの56.9%をカバーしています​。
    • ビジュアル重視のプラットフォームで、特に18〜34歳が活発に利用。ストーリーズ、リール、ショッピング機能(Instagram Shopping)を備え、EC施策との親和性が高いです​。
  • マーケティング活用法
    1. ショッピング投稿/タグ付け機能
      • 投稿写真や動画に商品タグを埋め込み、タップするだけで商品詳細へ遷移。Shopify連携事例では導線短縮によりCVR(コンバージョン率)が15%上昇したケースも報告されています。
    2. インフルエンサー・アンバサダープログラム
      • Lululemon Canadaでは、ブランドアンバサダーと協業し、ライフスタイル系投稿でカナダ国内外の認知を拡大​。
      • リール広告+UGC活用
        • 短尺動画リールを用いたストーリー形式の広告で高いエンゲージメントを獲得。ユーザー生成コンテンツを流用したリアルなレビュー動画も効果的。

4. WhatsApp

  • 利用状況・特徴
    • カナダでの月間利用率は約79.9%(ユーザー提供データ)。
    • グローバルでは20億超のMAUを誇り、ビジネス向けAPIを通じてチャットボット連携、リッチメニュー、支払い機能など多彩なCRM施策が可能です​。
    • メッセージ開封率は98%、配信成功率は90%以上と高いリーチ力を持ちます​。
  • マーケティング活用法
    1. Click-to-WhatsApp広告
      • Facebook広告上で「WhatsAppで問い合わせ」ボタンを表示し、1タップでチャット開始。
    2. ブロードキャストリスト配信
      • 既存顧客グループにニュースレター的な情報やセール情報を一括通知。
    3. WhatsApp Business API連携
      • CRMと統合し、カート放棄者への自動リマインドや予約・注文フローの自動化を実装。

5. iMessage(Apple Business Chat)

  • 利用状況・特徴
    • カナダのiPhone 市場シェアは約59%で、iMessage利用のポテンシャルが高い市場です​。
    • 2018年にApple Business Chatがカナダで正式提供開始。RogersやTD Bankなど大手企業がサポートを導入し、予約受付や決済(Apple Pay)も可能になっています​。
  • マーケティング活用法
    1. Apple Pay連携チャットコマース
      • iMessage上でそのまま支払いまで完了できるリッチメニューを活用し、購入フローをシームレスに提供。
    2. チャットボット+有人対応のハイブリッドサポート
      • FAQ自動応答から有人へのエスカレーションまで自然な会話体験を提供。
    3. リマインダー・通知機能
      • 予約確認や配送状況のプッシュ通知で高いリーチと開封率を活用。

6. TikTok

  • 利用状況・特徴
    • カナダのTikTok広告リーチは約1,205 万人(18歳以上)、広告対象可能ユーザーの38.0%、インターネット利用者の32.8%をカバーしています​。
    • Z世代を中心に1日平均45分以上の視聴時間を誇り、バイラル性の高いアルゴリズムが特徴です。
  • マーケティング活用法
    1. ハッシュタグチャレンジ
      • Sephora Canadaは店頭に「Out of Phone」スクリーンを設置し、#SephoraGiveOrKeepチャレンジを通じて動画再生6,000万回、3,000人の新規来店誘導を実現しました​。
    2. クリエイター/インフルエンサー連携
      • Mark’s Canadaはライフスタイル系クリエイターを起用し、#GRWM動画やショッパブル広告でサイト誘導とブランドリフトを獲得。
    3. TopView・Branded Effects
      • 大画面広告(TopView)やブランドエフェクトで認知拡大を図り、目的に応じて上・中・下層ファネルを横断的に設計。

各プラットフォームは利用文脈とユーザー特性が大きく異なるため、「ターゲットの属性」「導線設計」「コンテンツ形式(画像/動画/チャット)」を最適化することで、マーケティング成果を最大化できます。 

DataReportal – Global Digital Insights
Shopify
EnhencerSingle Grain
NapoleonCat
EMARKETER
SARAL – Influencer Marketing OS
Neontri
AppleInsider
TikTok For Business

検索エンジンシェア率

カナダの2025年2月時点におけるWebブラウザ別トラフィックシェアは以下の通りです(出典:StatCounter / DataReportal 2025年2月)。 

ブラウザ シェア(%) 
Chrome 51.87% 
Safari 32.84% 
Edge 7.80% 
Firefox 3.44% 
Samsung Internet 2.93% 
Opera 0.88% 
Android Browser 0.32% 
その他 0.52% 

このブラウザシェアは、検索エンジン利用傾向を推察する重要な指標です。特に、ChromeユーザーはGoogle検索を、Safariユーザーは主にGoogleもしくはBingを併用しているとされます。 

マーケティング施策への影響と戦略 

  • SEO施策は「Googleファースト」で設計すべき 
     カナダではGoogleが検索エンジンの事実上のスタンダードであるため、検索対策やWeb最適化はすべてGoogleアルゴリズムを基準に進めるのが基本です。 
  • Bing対策も業種次第で重要 
     特にBtoB企業や年齢層が高めのユーザーを対象とするサービス(教育、行政関連、企業向けソフトウェア等)では、Edgeユーザー=Bing利用者が一定数存在するため、Bing広告やBing Placesへの掲載も検討する価値があります。 
  • 検索体験の多様化にも注目を 
     音声検索(Google Assistant、Siriなど)やAI検索(ChatGPT、Perplexityなど)の普及により、今後は単純なキーワード施策から、ナレッジグラフや構造化データを用いた検索文脈設計が求められます。 

カナダの検索言語

カナダは世界でも数少ない公用語が2つあるバイリンガル国家であり、デジタルマーケティングにおいても検索言語の最適化が成果に直結する重要なポイントです。 

主な検索言語構成(2025年時点・推計) 

言語 使用率(検索・日常利用ベース) 主な地域 
英語 約74〜76% 全国(特に西部・オンタリオ州) 
フランス語 約23〜25% ケベック州中心、東部各州 
その他 約1〜2%(中国語、パンジャブ語など) 都市部の移民コミュニティ 

※出典:StatCan(カナダ統計局)・We Are Social / Meltwaterレポート等の統合推計 

地域特性と検索言語の使い分け 

  • 英語ユーザーはGoogleでの検索行動が中心で、SEOキーワードや広告表現もアメリカ市場に近い傾向があります。 
  • フランス語ユーザーは、Google.caのフランス語UIまたはローカル検索での利用が多く、検索クエリにも文化的・語彙的な違いが現れます。 
  • モントリオールやケベック地域では、フランス語SEO対応が不可欠です。英語だけの運用では機会損失につながる可能性があります。 

マーケティング対策とローカライズのポイント 

① 多言語SEOの導入 

  • Webサイトは英語/フランス語の両対応が推奨 
  • hreflangタグやlang属性を正しく設定することで、Googleのインデックス最適化を図る 

② 広告配信における言語ターゲティング 

  • Google広告では「言語別ターゲティング」が可能 
  • ケベック州や東部に配信する広告は、フランス語コピーでの展開が効果的 

③ コンテンツマーケティングでの表現最適化 

  • フランス語圏ユーザーには、直訳ではなくネイティブ向けローカライズされたコピーや動画を用意するのがベスト 
  • 特に商品名、サービス紹介、CTA文言などで文化的・表現的な違いに配慮 

補足:検索ボリュームの言語差(例) 

キーワード例 英語検索数(月間) フランス語検索数(月間) 
“insurance quote” 約33,000 “soumission assurance”(約6,500) 
“buy shoes online” 約18,000 “acheter des chaussures en ligne”(約3,000) 

※出典:Googleキーワードプランナー(カナダ国内設定) 

今後のカナダ市場においては、バイリンガル対応が「優位性」ではなく「前提条件」となりつつあります。特にEコマース、旅行、教育、金融などの業種では、英語・フランス語の両軸での検索最適化が成果拡大の鍵となるでしょう。 

新しい商品・ブランドを何で最初に知るか

2025年時点のカナダにおけるブランド認知の主なきっかけは、多様なチャネルに分散しており、オンラインとオフラインの両方が依然として影響力を持つことが特徴です。 

以下は、インターネットユーザー(16歳以上)における「新しいブランドや製品をどのチャネルで最初に知ったか」に関する割合です。 

ブランド認知のきっかけトップチャネル

チャネルカテゴリ 割合(%) 
口コミ(Word of Mouth) 39.4 
検索エンジン(Googleなど) 36.8 
テレビCM(TV Ads) 32.8 
小売系Webサイト(Retail Websites) 32.1 
店頭プロモーション(In-store Promos) 30.8 
ブランド公式サイト(Brand Websites) 24.9 
SNS広告(Social Media Ads) 24.3 
Webサイト上の広告(Display Ads) 20.7 
商品サンプルや試供品(Product Trials) 20.4 
レビューサイト(Consumer Review Sites) 20.3 
メールや郵便物(Emails or Mail) 19.2 
映画・番組(TV Shows and Films) 19.1 
SNSコメント(Social Media Comments) 16.0 
比較サイト(Product Comparison) 15.4 
モバイルアプリ広告(In-app Ads) 15.1 

※出典:GWI「Digital 2025 Canada」(Q3 2024) 

考察と戦略的ポイント 

① オフラインの信頼性は依然として高い 

口コミやTV広告、店舗プロモーションといった従来型チャネルも根強い影響力を維持しており、地域密着型キャンペーンリアルイベントとの連動が有効です。 

② 検索エンジンが2位にランクイン 

SEOやリスティング広告(SEM)の重要性は引き続き高く、コンテンツマーケティングによる検索流入戦略はB2C・B2B両方で欠かせない施策となっています。 

③ SNS広告は成長中の中核チャネル 

Facebook、Instagram、TikTokなどを活用した広告運用は、商品認知の初期接点として強力。特に動画コンテンツやインフルエンサー活用による可視化が成果につながりやすいです。 

④ ユーザー生成コンテンツ(UGC)とレビューが鍵 

レビューサイトやSNSコメントなど、他者の評価・声を重視する傾向が強く、ECやサービス紹介ページでも「実績・レビュー表示の充実」がCV改善の鍵となります。 

マーケティングへの活かし方

戦略カテゴリ 推奨アクション例 
SEO対策 検索意図に沿ったロングテールコンテンツ、FAQ強化、Googleレビュー対策 
SNS広告運用 Instagram・Facebook中心のリターゲティング広告、動画・カルーセル投稿 
店頭+オンライン連携 店舗でのプロモーションにWeb誘導のQRコード、O2O施策 
UGC活用 レビューキャンペーン、ユーザー投稿促進、SNSハッシュタグ運用 
テレビCM+YouTube連携 リッチメディア型動画広告、CM素材の短尺展開で再活用 

商品・ブランドを何を通じて調べるか

商品やブランドの詳細情報を調べる際、カナダのインターネットユーザー(16歳以上)は検索エンジンを中心に、レビューやSNS、公式サイトなど多様な情報源を活用していることが分かります。 

以下は、ブランド調査時に主に利用されるチャネルの割合です。 

ブランド調査の主要チャネル

情報チャネル 利用率(%) 
検索エンジン(Googleなど) 64.3 
消費者レビュー(Consumer Reviews) 43.0 
ブランド・製品の公式Webサイト 39.6 
SNS(Social Networks) 30.6 
価格比較サイト(Price Comparison) 24.9 
Q&Aサイト(例:Quora) 16.6 
モバイルアプリ(Mobile Apps) 15.7 
専門レビューサイト(Specialist Sites) 15.7 
割引・クーポンサイト(Voucher Sites) 14.0 
掲示板・フォーラム(Forums) 12.5 
動画サイト(Video Sites) 11.3 
ブランド/商品ブログ 9.5 
メッセンジャーアプリ(Messenger) 7.7 
オンラインピンボード(例:Pinterest) 6.7 
Vlog(Video Blogs) 6.2 

※出典:GWI「Digital 2025 Canada」(Q3 2024) 

考察と戦略的ポイント 

① 検索エンジンとレビューが圧倒的な信頼源 

検索エンジン(64.3%)と消費者レビュー(43.0%)は、信頼性と客観性が重視される段階で最も活用されていることを示しています。SEO対策・レビュー施策・比較コンテンツがキーファクターです。 

② 公式Webサイトは信頼の拠点 

39.6%のユーザーがブランド・製品サイトを確認しており、情報の正確性やスペック、FAQ、サポート情報が購買判断に影響を与えることがわかります。 

③ SNSと動画の役割は「共感・リアルさ」 

SNS(30.6%)や動画サイト(11.3%)、Vlog(6.2%)などは体験型・レビュー型コンテンツに強みがあり、ユーザーが他人の実体験を参考にする傾向が強まっています。 

④ 専門メディアとQ&Aも影響力あり 

特定業界・用途に関心の高いユーザーは、Q&Aサイトや専門メディアを利用してニッチな比較・導入事例などを探しています。B2Bや高単価商品では特に重視すべきチャネルです。 

マーケティングへの活かし方

対策カテゴリ 施策アイデア例 
SEO・コンテンツ戦略 比較・選び方記事、レビューまとめ、業界キーワード対策、FAQ構築 
レビュー対策 Googleレビューの獲得、ECサイトでの星評価表示、レビューキャンペーン 
公式サイトの最適化 モバイル対応・高速化、製品スペック・FAQの充実、CTAの強化 
SNSコンテンツ戦略 商品の使い方・実体験動画の投稿、インフルエンサー施策、キャンペーン展開 
動画マーケティング 商品レビュー動画、比較系ショート動画、YouTube広告連動 
比較サイトとの連携 自社掲載ページの最適化、価格・利点が明確なバナーや説明文の整備 

デバイス別アクセス比率 

2025年現在、カナダにおけるWebトラフィック(Webページ閲覧)のデバイス別シェアは以下の通りです。利用者の閲覧環境の変化を理解することで、Webデザインや広告配信、ユーザー体験(UX)最適化の方向性が見えてきます。 

デバイス別Webトラフィックシェア

デバイス種別 シェア(%) 前年比変化(%) BPS差分(ベーシスポイント) 
ノートPC・デスクトップ 50.59 -6.9 -376 
スマートフォン(モバイル) 45.96 +9.4 +393 
タブレット端末 3.40 -4.2 -15 
その他のデバイス(ゲーム機など) 0.05 -28.6 -2 

※出典:We Are Social & Meltwater, Digital 2025 Canada(2025年2月) 

分析とインサイト 

① デスクトップが依然過半数を維持(50.59%) 

カナダではグローバルトレンドとはやや異なり、デスクトップ/ノートPCがモバイルを上回る構成比となっています。B2B利用や家庭での安定した作業環境として根強い需要がうかがえます。 

  • 業務系SaaSツールやEC、金融系のUX最適化はPC表示優先が有効 
  • フォーム入力や比較型ページはPC環境での操作性が重視される 

② モバイル利用は大きく伸長(+9.4%) 

スマートフォン経由のWebアクセスは、前年比で約9.4%増と大幅に伸び、45.96%に到達。今後数年でPCと逆転する可能性もあると考えられます。 

  • モバイルファーストのUI/レスポンシブ設計は必須 
  • SNS広告やショート動画経由の流入対策も重要性が増す 

③ タブレットとその他デバイスは縮小傾向 

タブレット(3.40%)やゲーム機などの“その他デバイス”(0.05%)は縮小。マルチデバイス対応は必要だが、主要ターゲットはPC/モバイルの2軸で考えるのが現実的です。 

マーケティング戦略への活かし方 

観点 戦略アプローチ例 
Webサイト構築 PC/スマホ両対応のレスポンシブ設計+スピード最適化 
広告施策 デバイス別のCTR・CVR分析 → モバイル向け動画広告強化 
EC対応 カートUIはモバイル優先、購入導線のシンプル化 
LPO(ランディングページ) モバイル閲覧時のスクロール耐性やCTA配置の工夫 

まとめ|カナダ市場におけるデジタル戦略の現在地と今後の展望 

過去から現在への推移

カナダは、デジタル先進国のひとつとしてインターネット普及率(95.2%)やスマートフォン保有率(モバイル接続比率45.96%)が非常に高く、成熟したオンライン環境を背景に堅調なデジタル消費行動が見られます。SNSユーザー数は3,170万人(人口の約79.4%)で高水準を維持している一方、前年比では微減(-0.6%)となっており、ユーザー数の頭打ちと質的変化(利用目的や接触頻度の変化)が進んでいると考えられます。 

また、SNS別ではFacebookやMessenger、InstagramなどMeta系プラットフォームが上位を占め、WhatsAppやTikTok、LinkedInも成長中。検索エンジンではChromeが半数超(51.87%)を占め、次いでSafari、Edgeと続きます。検索言語は英語が90%以上を占めるため、英語でのSEO・広告最適化が主流です。 

今後の動向予測

今後、以下のような変化が見込まれます: 

  • SNS広告市場は成熟へ:ユーザー数の増加よりもエンゲージメント(滞在時間やアクション率)や広告精度の向上が求められる 
  • モバイル利用のさらなる拡大:現在45.96%のモバイル比率は、数年内にデスクトップを逆転する可能性あり 
  • 検索起点の行動が依然優勢:検索エンジン(64.3%)がブランドリサーチの最上位であるため、SEO・リスティング広告の強化は今後も不可欠 
  • 口コミとレビューの影響力増大:ブランド認知や比較検討の場でレビューサイト・SNSコメントの影響力が増す傾向 

戦略的な対策と提案

項目 戦略アプローチ例 
SEO対策・広告出稿 英語検索対策を徹底しつつ、ローカルSEO(地名+業種)対策Bing広告の併用も視野に 
SNS活用 Facebook/Instagram広告を主軸に、LinkedInでB2Bリード獲得、TikTokでZ世代向け動画PR 
モバイル最適化 モバイルファーストのLP設計、UI改善、ページ読み込み速度の高速化 
レビュー戦略 自社商品へのレビュー投稿促進施策(インセンティブ付与やUGC活用)を推進 
動画コンテンツ YouTube・TikTok向けのショート動画やHow-toコンテンツ制作が鍵 
パーソナライズ施策 CRM連携によるメールマーケティングやリターゲティング広告の最適化 

総括 

カナダ市場は「ユーザー数の拡大」から「ユーザーの質と体験向上」へとフェーズが移行しています。検索を中心に情報収集し、SNSで感情的に判断し、ECサイトで完結させるという一連の流れに対し、クロスチャネル施策で一貫したユーザー体験を設計することが今後の鍵となるでしょう。 

この記事を書いた人

GDXマーケティングチーム

海外デジタルマーケティングや海外のトレンド、デジタルマーケティングに役立つ情報を基礎的な部分から応用編まで発信しています。
様々な業界や施策に対応できるメンバーが揃っていますので、デジタルマーケティングでお困り事がありましたらお気軽にお問い合わせください。