台湾ECサイトの特徴と越境ECを始めるポイント

海外のECサイトでも自社商品を販売していきたい、海外にも事業展開していきたいなと思っていませんか。日本はなかなか不景気から脱出できず、今後の消費者人口の減少も重ねて考えると海外向けの販売に目を向ける方が多いと思います。

日本の越境ECは年々右肩上がりの販売実績を残しており、中国やアメリカ以外に台湾への越境ECに乗り出している企業もいます。では、なぜ台湾へ越境ECを展開している企業がいるのでしょうか。

結論をお伝えすると、売り上げを見込めることに加えて、越境ECを始めるのにハードルが低い、台湾人の日本製品への抵抗が低いなど取り組みやすさが関係していると考えられます。そこで本記事では、台湾越境ECの仕組みや台湾人の生活を始め、台湾で人気のECサイトなど、台湾越境ECに関して気になる点をまとめて解説しています。

本記事を読むことで、台湾越境ECで成功するポイントを押さえつつ、越境ECを始めるにあたっての具体的な行動をイメージしやすくなります。周りの企業に遅れを取らないよう、台湾越境ECについて理解を深めていきましょう。

台湾越境ECとは

「台湾越境EC」を簡単に説明すると、インターネットを通じて、台湾の消費者に自社商品を購入してもらうECビジネスのことを指します。そして、越境ECのビジネスモデルは主に6つあり、次の通りです。

越境ECのビジネスモデル

① 日本に台湾越境EC向けの自社サイトを構える

② 台湾越境ECに対応する日本のECモールに出店する

③ 台湾のECモールやECサイトに出店する

④ 台湾の保税区域の倉庫に商品を保管して販売する

⑤ 一般貿易と同様の手続きを行い台湾のECモールやサイトで販売する

⑥ 台湾で自社サイトを構える

実は、既に楽天は2008年に「台湾楽天市場」の名前を持つECサイトを構えており、楽天市場に出店されている海外向けに販売可能な日本の商品を「台湾楽天市場」で表示し、日本商品の海外展開を後押ししています。

さらには、台湾大手ECモールの「PChome 24h購物」にも楽天として出品しています。これらのように、台湾越境ECは台湾人の方が訪日しなくても日本製品を購入できる仕組みを持つビジネスのことです。

では、なぜここまで台湾のEC市場に楽天が乗り出しているのでしょうか。ここからは、台湾と日本のEC市場の違いに触れつつ、取り組む背景を読み解いていきましょう。

台湾と日本のEC市場の違い

まず、EC化率において日本と台湾で差があります。日本のEC化率が約6%に対し、台湾のEC化率は約19%といわれており、日本のEC化率の約3倍にもなります。このことから、日本人よりもネットで頻繁に買い物をする傾向にあるといえるでしょう。

なぜネットで買い物をする人が多いのか。その背景には、台湾の社会事情が関係しているかもしれません。台湾では日本と同じく共働きの世帯が多く、物価の高騰に給与水準が追いついていないといわれています。結果、日本のように専業主婦として過ごしている方は少ないようで、ネットで買い物をする回数が多いと予想できます。

コンビニで受け取りが主流

台湾のコンビニの出店数を知っていますか。台湾国際放送が2020年に公開している情報では、2019年の末に11,465軒に達したと発表しており、台湾でのコンビニ出店数は年々増加傾向にあるそうです。因みに、出店数の約8割をセブンイレブンとファミリーマートが占めており、日本でも主力のコンビニが台湾でも大きな存在となっています。

消費者の利用頻度にあっては、1週間に毎日利用する人は約3割もいるようで、利用者が多い理由として充実したサービスが関係しているかもしれません。台湾のコンビニでは、日本と同様に食品や飲料の販売の他、生鮮食品、荷物の受け取り、クリーニングの受付サービスなどサービスが豊富です。

充実したサービスとコンビニの出店数の多さから、台湾人にとって欠かせない存在になっているといえるでしょう。そのため、自宅配送よりもいつでも気軽に受け取りできるコンビニ受け取りサービスを利用する人が多くいます。

また、台湾人の方は現金主義の方も多いそうで、現金払いをする習慣からもコンビニ受け取りを希望する方が多いともいわれています。

台湾越境ECの特徴

越境ECの利用者の多くは訪日観光客ということもあり、訪日観光客が多い中国への販売額は、2021年において約2兆1,000億円にも達しています。コロナ禍前の2019年の台湾人の訪日観光客数は約490万人だった統計データもあり、台湾越境ECに注力している企業が多い理由も分かるかと思います。

そこで、注目を集めている台湾越境ECの特徴についてまとめました。中国やアメリカへの越境ECと何が違うのか分からない方も、次の特徴を知ることで納得するでしょう。

関税が高い

一部の商品において、関税が高いといわれています。代表的な例ですと、日本酒(醸造酒)の関税です。2019年には40%から20%へ引き下げられましたがまだ高く、台湾の商品棚に置かれる時には日本の価格より数倍の価格で販売されています。

また、チューイングガムやピーナッツキャンディーなどの砂糖菓子、スイートビスケット、米菓なども20%以上の関税率が適用されています。そのため、輸出する商品がどの品目に該当するのか必ず確認しないと、関税率の高さに驚くかもしれません。

既に多くの日本製品が出回っている

「台湾楽天市場」や「ヤフー奇摩オークション」が台湾で利用されており、既に多くの日本製品が越境ECで購入されています。よって、既に競合他社の製品が台湾に流通している可能性は高いといえるでしょう。

関税の調査とともに、自社商品とジャンルの被る商品が既に台湾の生活に馴染んでいないかも調べる必要があると思います。既に台湾市場のシェアを奪われている場合は、海外マーケティングを得意とする会社に支援を依頼するべきでしょう。

日本製品を信頼している

観光庁が実施した「訪日外国人消費動向調査(2019年)」によると、台湾人の訪日観光客における購入率のランキングは、第1位お菓子、第2位医薬品、第3位その他食料品・飲料・たばこと続いています。

第2位の医薬品については、日本の医薬品に対する信頼度が高いそうで、風邪薬や胃腸薬と家庭で使う薬が人気が高いようです。飲料やたばこにおいては、関税が高いため購入者が多いのかもしれません。

このデータから考えると、多くの台湾の方が日本製品に信頼を持ってくれているのではないでしょうか。台湾のコンビニの約8割をセブンイレブンやファミリーマートが占めている現状からも、日本への好意度が高いと推測できます。

台湾で人気のECサイト(ECモール)

ここからは、台湾で人気のECサイトを3つ紹介します。2020年の5月において、月間訪問者数が多かった順に解説していきます。台湾越境ECを検討中の方は、是非参考にしてください。

Shopee(蝦皮購物)

月間訪問者数は、5,236万人。台湾の人口が2,356万人のため、1人1日につき2回以上も利用されている台湾で超絶な人気を誇るECサイトです。日本で例えると楽天市場に近いサイトではないでしょうか。

 Shopee(蝦皮購物)の利用者が多いのは、利用者を優先した「後払いシステム」に似た機能が要因の1つでしょう。後払いに似たシステムのため、購入者が商品を受け取るまで販売事業者に対し支払いは完了されないようになっています。よって、購入者がトラブルに遭遇するリスクを下げられます。安全性と信頼性により、多くのユーザーに活用されているのでしょう。

また、Shopee(蝦皮購物)に出店するには、以下の3つの方法があります。

① 個人アカウントを作成し出品

② 台湾法人アカウントを作成し出品

③ ShopeeJapanの法人アカウントから出品

③の方法を使う場合は、固定費無料(初期費用や月額使用量など)、販売手数料無料(新規出店から3ヶ月以内)や配送料支援もあり、初心者が越境ECを始めやすい台湾ECサイトかと思います。

PChome 24h(網路家庭)

月間訪問者数は、3,244万人。Shopeeに対して約2,000万人と少ないものの、台湾ECサイトで第2位のアクセス数を誇る有名な台湾ECサイトです。

既に、300社以上の日本企業と契約しているようで、今後も日本商品の取り扱いを広げていきたい思いがあるそうです。日本製品のなかで売れ筋なのが食品。カップラーメン、お米や調味料などが人気を集めています。

 PChome 24h(網路家庭)に出店するには、直接PChome に問い合わせをして交渉します。交渉成立となれば、PChome から紹介を受けた代理店や商社を通じて、販売に向け調整していきます。

momo(momo 購物網)

月間訪問者数は、3,117万人。PChome 24h(網路家庭)とあまり変わらないアクセス数を集め、台湾で人気のECサイトです。当初はテレビショッピング事業からスタートし、「momoカード」や「momoコイン」と独自のサービスを展開した結果、後発にも関わらずアクセス数3,000万人を越える台湾大手のECサイトにまで躍進を遂げました。

ユーザー層は30〜40代の女性の支持者が多く、化粧品やキッチン用品といったママさん向けの商品に強みを持っている傾向です。衣料品やベビー用品も取り扱っており、30〜40代のファンが多いのも納得です。

越境ECを始める際のポイント

記事前半でもお伝えした通り、越境ECには主に6つのビジネスモデルがあります。

越境ECのビジネスモデル

① 日本に台湾越境EC向けの自社サイトを構える

② 台湾越境ECに対応する日本のECモールに出店する

③ 台湾のECモールやECサイトに出店する

④ 台湾の保税区域の倉庫に商品を保管して販売する

⑤ 一般貿易と同様の手続きを行い台湾のECモールやサイトで販売する

⑥ 台湾で自社サイトを構える

ただ、日本国内の自社サイトから越境ECを始めるのか、台湾で自社サイトを構え始めるのかなど、ビジネスモデルにより押さえるポイントは様々です。ただ、そのなかでも共通して大切なことがあります。それは、台湾の法律を調べることです。

課税関係や流通方法など確認するべきポイントは他にもありますが、法律を破っては訴えられる可能性もあり、最悪の場合、今後出店をできなくなる可能性もあるでしょう。そのため、法律を調べておくのが重要です。

法律を調べる

台湾だけではないかもしれませんが、商品の販売時の表示方法に注意が必要です。商品パッケージは日本語でも良いとされていますが、台湾人の消費者向けに広告やラベルの表示は、台湾で使われている文字に変更しないといけません。

また、「薬事法」と呼ばれる法律があり、化粧品や健康食品を販売する場合は、特に注意が必要です。

まとめ

台湾ECサイトの特徴や越境ECサイトのポイントなどを網羅的に解説してきました。台湾越境ECは、越境EC初心者の企業でも取り組みやすいビジネスモデルかと思います。台湾人ユーザーも日本製品に信頼性や安全性を持っていると思われ、他国の越境ECと比較すると、ハードルは低いことでしょう。

台湾も今後、消費高齢化を迎える国であるため、日本のビジネスを水平展開しやすいかもしれません。是非、一度検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
ITストラテジスト、応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、情報処理安全確保支援士、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター