海外デジタルマーケティングで気を付けるべき法律・規制④ FDA認証

海外デジタルマーケティングで米国に対して食品や化粧品などを取引する際に関わってくるFDA認証ですが、具体的な内容について知らない方も多いのではないでしょうか?

アメリカ食品医薬品局(FDA)が認証するFDA認証を受けることで、食品や化粧品の取引に関わる日米の食品衛生法や薬機法を満たした商品の取引が可能です。

この章では、海外向けのデジタルマーケティングで成功するためのポイントや食品・化粧品を取引したい場合に覚えておきたいFDA認証について解説します。

FDA認証を受けるための手順や注意点についても解説しているので、海外を見据えたマーケティング展開を考えている方は、参考にしてみてください。

海外デジタルマーケティングで成功する5つのポイント

海外デジタルマーケティングでビジネスを成功させるためには、下記のポイントをおさえておきましょう。

  • ターゲットを明確にする
  • 現地言語や韓国に合わせてマーケティングする
  • モバイルに最適化する
  • 海外企業とのネットワークを作る
  • 海外ECサイトを活用する

海外に売り込む際には、ターゲットの明確化と商品・サービスの現地化が大切。

この章では、海外デジタルマーケティングを考える際のポイントを見ていきましょう。

参考URL:https://connection.com.my/digitalmarketing/

ターゲットを明確にする

国内外のデジタルマーケティングにおいては、商品・サービスを販売する顧客を明確に決めて、そのターゲットに向けてマーケティング施策を講じることが大切です。

商品・サービス自体を誰に売り込みたいのか、どのようなポイントを訴求して売上につなげるのかを考えて、広告宣伝をしていく必要があります。

まずは市場調査をして市場のニーズを把握して、自社の商品・サービスに需要があるのかを確認し、価格やマーケティングの工夫について試行錯誤しなければなりません。

海外の国では所得格差が大きく、ターゲット設定によって価格帯やアピールすべき点が異なる場合も多いです。

そのため市場調査と現地調査をした上で細かくターゲットを設定して、マーケティング戦略を検討していくことが重要なのです。

現地言語や感覚に合わせてマーケティングする

「海外デジタルマーケティング」とは言っても、マーケティング対象国によってとるべきマーケティング施策は異なります。

宗教や人種、言語、現地の伝統文化など、その国のもつバックグラウンドを把握しつつ、最適なアプローチを考える必要があります。

その国に住む人々に届くようなマーケティングを考える上では、文化的バックグラウンドを考慮して現地の人に響きやすいマーケティング戦略を実施しましょう。

モバイルに最適化する

多くのユーザーはパソコンではなく、スマホからアクセスします。

そのためスマホから見ることを想定したサイト設計が重要です。

「レスポンシブデザイン」と言われる、デバイスごとに調整して表示させるためのデザイン上の工夫をECサイトに組み込むようにしましょう。

とくに新興国においては、パソコンを購入できない層でもスマホは契約しているケースも多いです。

より多くの方に向けたマーケティングを実施するなら、スマホユーザーを意識したオンラインショッピングサイトや企業サイトを作る工夫が必要でしょう。

海外企業とのネットワークを作る

海外デジタルマーケティングをするなら、海外企業とのネットワークづくりも重要です。

市場調査などでは把握しきれない市場ニーズや現地企業ならではの視点からアドバイスを受けられることで、海外デジタルマーケティングが成功する可能性も高いでしょう。

また現地企業と共同で新商品を発売して、安定的な売上を稼ぎつつマーケティングの知見を得られることも期待できます。

手軽にメールや通話ができる今の時代、海外企業との連携も容易になりつつあります。

海外企業とのつながりも重要視しながら、海外デジタルマーケティングを行いましょう。

海外ECサイトを活用する

オンラインショッピングサイトは、海外のECサイトも有効活用するべきです。

2021年における世界のオンラインショッピング人口は21億4,000万人に及んだとの推計もあり、その多くは現地で受け入れられているECサイト経由によるものです。

もちろん自社サイトによる広告宣伝や販売も重要ですが、拡散力が大きい海外ECサイトを利用しない手はありません。

海外デジタルマーケティングをはじめる際には、現地の人が利用しているECサイトを調査し、それを有効活用して売上をあげましょう。

デジタルマーケティングで気をつけるべき!FDA認証とは?

海外デジタルマーケティングで気をつけたい制度に「FDA認証」があります。

この章では、FDAとは何か、その役割や規制内容、認証を受けるプロセス、注意点を紹介します。

そもそもFDAとは?

FDAとは「Food and Drug Administration(アメリカ食品医薬品局)」を意味する略語です。

FDA公式サイトによれば、下記のようなミッションが掲げられています。

  • 医薬品や医療機器、生物学的製剤、家畜用製剤の安全性・有用性を確保して、公衆衛生を保護する責任を負っている
  • タバコの生産・広告を規制することで、非喫煙者の公共衛生を守る
  • 新薬の開発を促進し、有用性と安全性を向上し、彼らの健康を維持・促進するための科学に基づいた医薬品や食品の情報を提供する
  • 人為的・自然発生的な公衆衛生のリスクに答えるために、医薬品を発達させながら、サプライチェーンの安全性を保証していきます

引用:FDA:What we do

FDAは、1906年に国民の公衆衛生を守る目的で設立された公的機関です。

食品・医薬品・医療機器・化粧品の、流通・広告・販売における認可や取り締まりを行っています。

特に米国で新薬を販売するためには、CDERという組織で許可をもらわないとたとえ日本で認可をもらっていたとしても、販売することはできません。

FDA認証を受けるということは日本の厚生労働省、米国のFDAの両方で認可を受けて、自社商品を合法的に販売できることを意味します。

参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/united_states/16495.php

参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/united_states/19537.php

FDA認証がもつ役割

FDA認証は日米における食品・医薬品・化粧品などの有用性や安全性を証明し、海外の消費者に対して、上記のような自社商品を販売するのに必須です。

アメリカでFDA不認証の食品・医薬品・化粧品を販売していることが発覚すると、営業停止や罰金、最悪の場合には懲役刑に課せられてしまうリスクもあるのです。

ちなみにタイの食品衛生局も「FDA」と呼ばれており、タイでの事業展開がある企業の方は、同じ略称の食品衛生局もあることも覚えておきましょう。

FDA認証が必要な商品のカテゴリー

FDA認証が必要な商品カテゴリーは下記のとおりです。

【食品・飲料カテゴリー】

  • 果物・野菜
  • 乳製品・卵
  • 食品・食品成分として使用される未加工農産品
  • 魚・海鮮食品
  • 飼料・ペットフード
  • 栄養補助食品
  • 乳幼児用調乳
  • 飲料
  • 生きた食用動物
  • パン菓子・スナック菓子・砂糖菓子
  • 缶詰食品
  • タバコ製品

食品やサプリメント販売を考えている企業は、FDAに申請する必要があります。

【化粧品】

一般化粧品と効能を約束している薬用化粧品の2種類があり、それぞれ規制と手続きのプロセスが大きく異なる点を覚えておくことが大切です。

  • 一般化粧品:人体に塗布し、スプレーする使用法。魅力を高め、外見を変える
  • 薬用化粧品:効能を約束している化粧品

一般化粧品にはシャンプーや保湿剤、歯磨き粉やマニキュアが含まれます。

その一方で日焼け止めやフッ素入りの歯磨き粉など、効能を謳っている化粧品は薬用化粧品です。

前者にFDA認証の義務はありませんが、後者は製造・加工・品質に関する情報を提出し登録する必要がある点に注意しましょう。

【医薬品】

FDAの定義によれば「人や動物の疾病の診断・治療・予防をする商品」とされており、ワクチンや生物学的製剤、血液および血液製剤も医薬品に該当します。

薬用化粧品と同じく、製造・加工・品質に関する情報を提出する必要があります。

【医療機器】

FDAは医療機器ごとにクラス分類を設けており、それぞれに該当する医療機器について把握してFDA認証の申請手続きをしなければいけません。

具体的には、下記のようなクラス分けがあります。

  • クラス1:歯ブラシ・デンタルフロス・絆創膏など
  • クラス2:温度計・妊娠検査キット・輸血ポンプ
  • クラス3:人工心臓用パルプなど(人体損傷・健康面のリスクが大きい)

クラスごとにFDAから認証を受ける必要があり、それぞれ手続きが異なります。

【放射能機器】

レーザーポインタやレーザープリンタ、マッサージ機器などが該当し、電子レンジやX線装置、手荷物検査装置なども放射能機器カテゴリの一部です。

放射能機器を輸出する場合は登録番号、日本製造の場合は米国代理人を立て、FDAといつでも連絡をとりあえる状況にしておく必要があります。

参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/united_states/16495.php

参考URL:https://www.ppmj.com/fda/

FDA認証を受け付けるためのプロセス

FDA認証を受けるために必要なプロセスは下記のとおりです。

【食品・飲料の場合】

  • 製造施設を登録する:製造・加工・包装といった製造プロセスに関わった場所
  • 米国における代理人を指定する
  • 商品ラベルを英語に直す
  • 食品安全計画の策定
  • 事前通知

米国に飲食物を輸出する場合は、製造・加工・包装といった商品の製造元を明記しなければなりません。

また商品を輸出する際に米国側の代理人を立てる必要があります。

米国側の代理人は、製造業者の米国向け商品に関する質問への回答、FDAによる製造業者の検査が必要な場合には、スケージュール調整に応じることが求められます。

FDAから米国代理人への連絡は「製造業者への連絡」とみなされ、企業と円滑なコミュニケーションをとれる米国代理人を立てることが重要です。

商品ラベルも英語に直し、FDAの栄養分析の結果を「食品必要表示要件」「成分リスト」「食品名」「強調表記」「正味内容量表記」の項目ごとに記載しなければなりません。

またFDAが定める基準によって規制されている食品添加物や着色料、製造過程で使用される器具について厳しくチェックする必要があります。

ちなみに飲食物が完成するまでの製造過程で使用されている食品添加物や着色料も規制されているので、製造過程についても確認する必要があるでしょう。

【化粧品の場合】

化粧品の場合、製造元や原材料の詳細の届出は任意となっています。

そのためFDA認証を受けることは必須ではありませんが、一部の病気の診断・治療・予防に関わる化粧品については、「医薬品」として規制される点には注意したいです。

【医薬品】

医薬品の場合、臨床試験データの信ぴょう性や整合性があるデータをとる必要があります。GCPによって規定されている臨床研究を実施しなければいけません。

【医療機器】

FDAが定める製品のクラス分類を確認して、クラスに応じた申請の準備が必要です。

【放射能放出装置】

機器の輸出にはアセッション番号と呼ばれる登録番号を取得するか、日本が製造元の場合は、米国代理人を立てる必要がある点を覚えておく必要があります。

参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/united_states/16495.php

参考URL:https://www.ppmj.com/fda/

FDA認証における注意点

FDA認証が必要なのに許可なく商品を米国に輸出してしまうと、FDA当局によって下記のような対応をとられる可能性がある点に注意したいです。

  • 警告書:改善点や法的な問題点が記載された警告書が送付される
  • 商品の差し押さえ:表示成分の偽装など悪質な商品は差し押さえられることも
  • 活動禁止命令:FDAルールへの違反や改善の兆しがない場合は活動禁止も
  • 刑事告訴:法律違反や健康被害があれば賠償金の支払いを命じられる可能性

このようにFDA認証を受けずに輸出したり、成分表示を偽装したりするとペナルティを受ける可能性があり、改善の兆しが見られない場合は活動禁止命令を受けることも。

米国向けの海外マーケティングを続けたいと考えているなら、FDAが定めたルールに乗っ取って商品の検査を実施し、成分表を記載するようにしましょう。

海外マーケティングを成功させるためFDA認証などのルールを把握しよう

海外マーケティングを成功に導くためには、ターゲティングや市場調査が必要不可欠です。また米国向けに食品や医薬品、化粧品を輸出する際には、FDAが定めるルールに乗っ取ってFDA認証などを取得する必要があります。マーケティング上の注意点や米国輸出に伴うルールをおさえて、海外マーケティングを成功に導きましょう。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 プルーヴ株式会社事業開発部シニアマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優秀賞受賞

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター