自社プロダクトを海外のクラウドファンディングサービスで広告・販売することで、大きな利益を上げている企業があることをご存知でしょうか?
海外のクラウドファンディングは、資金調達額や投資家の人数、マーケット規模の面で、国内のクラウドファンディングサービスよりも圧倒的なアドバンテージがあります。
しかし海外のクラウドファンディングサービスに馴染みのない企業だと、どのようなサービスがあり、どれが自社に合ったサービスがわからない方もいるでしょう。
この記事では、海外のクラウドファンディングサービスがもつ特徴やメリット、サービスの5つのタイプ、おすすめのサービス、3つの選び方について解説します。
自社プロダクトの資金調達や販路の拡大を計画している方は、参考にしてみてください。
目次
海外クラウドファンディングサービスの3つの特徴
海外クラウドファンディングサービスの3つの特徴は、下記の3点にまとめられます。
- 世界中の企業や案件がサービスに集結している
- 取引金額が圧倒的に多いサービス
- 海外企業や顧客に自社プロダクトをPRできる
国内クラウドファンディングサービスと比較しながら海外クラウドファンディングサービスには、一体どのような特徴があるのか見ていきましょう。
参考URL:https://shikin-pro.com/guide/5837#i
参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/world/19940.php
世界中の企業や案件がサービスに集結している
海外のクラウドファンディングサービスの特徴は、世界中の企業が進出し案件数が国内クラウドファンディングサービスより圧倒的に多いことです。
競争相手も含めた企業や投資家も多くなりますが、その分商品が売れた際の売上のインパクトは計り知れません。
またグローバル企業がどのようにPRをし、目標とする資金を勝ち取っているのかを観察することで、海外マーケティングの知見を得られ、マーケティングを強化できます。
世界中の企業や個人に注目されているクラウドファンディングサービスこそが、海外で名が通ったクラウドファンディングサービスなのです。
取引金額が圧倒的に多いサービス
海外のクラウドファンディングサービスは、参加人数・企業数が多く、取引金額自体も大きくなりがちです。なかには数十億円規模の投資を受けるサービスやプロダクトも。
旺盛な投資が参加者を増やし参加者の増加が投資を増やすというサイクルができており、海外クラウドファンディングの利用が大きな売上につながる可能性が高いのです。
ライバル企業が多いぶん大きなヒットサービス・商品を売り出すことは難しいですが、一度注目され、サービス・商品が売れ始めると、莫大な利益になることでしょう。
参考URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000036578.html
海外企業や顧客に自社プロダクトをPRできる
海外のクラウドファンディングサービスには、日本だけでなく、世界中の国々からのユーザーや投資が集まります。
そのため日本人以外のユーザーや日本以外を拠点に活動している企業などに自社商品やサービスのブランドをアピールできるのが魅力です。
日本国内だけで商品・サービスをPRするよりも世界中の方に向けてPRでき、ファンを獲得できる可能性があるのは非常に魅力的だといえます。
海外展開も見据えた商品・サービスの展開や認知を目指している企業は、海外クラウドファンディングサービスも利用してみるべきでしょう。
海外クラウドファンディングサービスのメリット3選
海外クラウドファンディングサービスを使う際の、企業側のメリットは下記のとおり。
- 海外マーケットに対するテストマーケティングができる
- プロダクトを使ったキャンペーンを活用できる
- 世界中に自社プロダクトのファンを獲得できる
この章では、それぞれのメリットについて見ていきましょう。
参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/world/19940.php
参考URL:https://海外出品.com/post-1260/
海外マーケットに対するテストマーケティングができる
海外クラウドファンディングを利用するメリットは、海外マーケットで反応がいい商品やサービスは何かどのようなマーケティングが効果的なのかを検証できる点です。
コストをかけずに海外市場向けのマーケティングを学べるので、これから海外展開を検討している企業にとってとてもおすすめできる機会だといえます。
複数の融資方法や商品を出品すれば、どのオプションや商品カテゴリーの反応がよく売上につながるのかを比較検証することもできるでしょう。
プロダクトを使ったキャンペーンを活用できる
海外クラウドファンディングでは、プロダクトを使ったキャンペーンを多く活用できるのが特徴です。
それに対して国内のクラウドファンディングは、各種のイベントや開店資金を募るといった性質のものが多くなっています。
自社プロダクトを積極的にPRしたいなら、海外クラウドファンディングを利用するのがおすすめです。
世界中に自社プロダクトのファンを獲得できる
海外クラウドファンディングを有効活用することで、世界中に自社プロダクトのファンを獲得できる可能性があります。
海外に向けた商品・サービスのPRをし、世界中のユーザーに自社プロダクトを認知して欲しいと考えている企業におすすめです。
海外クラウドファンディングには5つのタイプがある
海外クラウドファンディングは、資金の調達方法ごとに5つのタイプがあります。
- 購入型のタイプ
- 寄付型のタイプ
- 融資型のタイプ
- 株式投資型のタイプ
- ファンド型のタイプ
海外クラウドファンディングを有効活用するためにも、これらのタイプごとの特徴について見ていきましょう。
参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/world/19940.php
参考URL:https://ltd-regalo.co.jp/new-era/crowdfunding/12247/#i-8
参考URL:https://blog.btrax.com/jp/cf-2/
購入型のタイプ
企業が立ち上げたプロジェクトや商品、サービスに対して投資家・支援者がお金を支援し、その見返りにサービスや商品などお金以外の返礼を受け取るプロジェクトタイプです。
「All in 方式」と「All or Nothing 方式」の2タイプがあり、前者は1人でもお金をサポートすれば成立する形式、後者は目標金額を達成しなければ成立しない形式です。
寄付型のタイプ
プロジェクトに対して返礼なしに寄付のみをするタイプのプロジェクトです。
ただしプロジェクトによっては、簡単な返礼品がつく場合もあります。
動物愛護や自然保護、特定の文化の保護・継承など何かしらの対象を保護したり、純粋にサポートする目的で立ち上がったりするプロジェクトが多いのが特徴です。
融資型のタイプ
プロジェクトの発案者が投資家たちから小口融資を受け大口化して借りて企業に融資し、支援者(投資家)は金利の受け取りという形で還元されるタイプです。
購入型や寄付型とは違い、利子という形で金銭的なリターンを受けられるという点が大きな違いだといえます。
プロジェクトが立ち上がった段階で利回りについては明記されている可能性が高いです。
株式投資型のタイプ
株式会社がクラウドファンディングで資金調達する際に投資者に自社の未公開株を50万円分まで譲渡する形で、資金調達する方法もあります。
ただし起案者側が「第一種少額電子募集取扱業」の資格を有している必要がある点に注意です。
ファンド型のタイプ
株式会社がプロジェクトの起案者となるタイプのクラウドファンディングで、売上や成果の一部の利益に加え、商品・サービスを受け取れることもあるタイプのプロジェクト。
売上金の増減によって利回りが変化するのが特徴です。
起案者には「第二種金融商品取引業」の登録が必要で、出資者は「匿名組合契約」などの出資に関する契約を結びます。
おすすめの海外クラウドファンディングサイト5選
海外クラウドファンディングには、多種多様なサービスがありますが、その中でも人気が高く、おすすめ度が高いクラウドファンディングサイトは下記の5つです。
- Kickstarter
- Indiegogo
- JustGiving
- Demohour
- Patreon
この章では、これらのサービスの特徴について見ていきましょう。
参考URL:https://www.digima-japan.com/knowhow/world/19940.php
参考URL:https://ltd-regalo.co.jp/new-era/crowdfunding/12247/#i-8
Kickstarter
Kickstarterは、2009年に発足したアメリカ発のクラウドファンディングサービスです。
2022年12月28日時点で23万2,000件以上のプロジェクトが成功し、70億ドル以上のクリエイティビティに対する投資を実行している点が特徴だといえます。
投資タイプは、購入型のタイプの「All or Nothing形式」です。
投資額が希望額に達しない場合は、投資は実行されない点に注意しましょう。
またプロジェクトのサイト掲載の基準が厳しいため、クオリティの高いプロジェクトに仕上げてから、サイト掲載に挑戦する必要がある点が特徴です。
参考URL:https://www.kickstarter.com
Indiegogo
indiegogoは、2008年にアメリカで発足したクラウドファンディングサービスです。
「All ot Nothing方式」と「All in 方式」の購入型タイプの投資に対応しています。
プロジェクト内の圧倒的多数が、支援された金額をもらえる後者のタイプを採用しています。
少額のクラウドファンディングからスタートしたいと考える企業にとっては、投資された金額をそのまま受け取れる「All in 方式」の投資タイプがおすすめです。
Kickstarterよりも審査が緩いことでも知られているので、まずはプロジェクトを通過させて、海外クラウドファンディングにはじめて挑戦したい方は利用してみましょう。
参考URL:https://www.indiegogo.com
JustGiving
JustGivingは、イギリスで最も有名なクラウドファンディングサービスです。
購入型のタイプの投資しかないアメリカのサービスとは異なり、寄付型のクラウドファンディングに特化している点が特徴です。
プロジェクトを通じて他の人のお金をサポートし、夢や達成したい目標、イベントの成功をサポートするといったプロジェクトが多くなっています。
参考URL:https://www.justgiving.com
Demohour(点名時間)
Demohour(店名時間)は、取引額は150万ドルを超える中国発のクラウドファンディングサービスです。
中国ならではの独創的なアイデアが溢れるプロジェクトも多いので、自社プロダクトを考案する際のヒントを得ることもできるでしょう。
また国内では受け入れられにくいアイデアでも、中国版のクラウドファンディングであれば資金調達できる可能性もあり、国外での資金調達の手段としても検討したいです。
参考URL:https://www.crunchbase.com/organization/demohour
Patreon
Patreonは、2013年にアメリカで発足した、アーティストやクリエイターに対するサブスク型のサポートシステムが特徴のクラウドファンディングサービスです。
25万人以上のクリエイターが登録しており、お気に入りのミュージシャンやアーティスト、配信者をサポートできるサービスとして知られています。
特定の起業家・クリエイター個人として、クラウドファンディングで資金を調達したいと考えている方は、Patreonのサービスを有効活用しましょう。
参考URL:https://crowd-answer.com/articles/海外のクラウドファンディング#Patreon
海外クラウドファンディングサービスを選ぶ際の3つのポイント
海外のクラウドファンディングを選ぶ際は、下記の3つの点に着目しましょう。
- 手数料の低いか
- 調達額は大きいか
- サポートはあるか
これらのポイントをおさえて、サービスを選ぶ際の参考にしてみてください。
参考URL:https://sogyotecho.jp/crowdfunding-overseas/
手数料の低いか
国内のクラウドファンディングサービスは手数料を20%程度に設定されていることが多いですが、KickstarterやIndiegogoの手数料は5%程度にとどまっています。
海外のクラウドファンディングサービスの間にも手数料の違いがあり、手数料が少なければ少ないほど、プロジェクトの起案者にとっては魅力的です。
手数料に着目してプロジェクトを提案するクラウドファンディングサービスをどこにするか選びましょう。
調達額が大きいか
海外クラウドファンディングは、世界中から投資資金が集まるのが特徴です。
自社プロダクトの売上を伸ばすためには、需要の大きい海外サービスで挑戦してみるのがおすすめ。
国内のクラウドファンディングサービスよりも資金調達できる可能性が高い、海外のクラウドファンディングサービスも検討してみましょう。
サポートはあるか
海外のクラウドファンディングサービスを利用する際に不安なのが言語の問題です。
サービスにサポートサービスはあるか、実績のある代行業者にプロジェクトの起案を依頼できるかなど、言語の問題に対応しやすいサービスを選ぶことも検討しましょう。
海外クラウドファンディングサービスで資金調達にチャレンジしよう!
海外クラウドファンディングには取引額や参加企業数、投資家の人数が国内向けクラウドファンディングとは比較にならない規模の大きさがあります。
目標とする資金調達額の達成や自社プロダクトの海外マーケティングにチャレンジする意味でも、海外クラウドファンディングサービスを利用してみるのがおすすめです。
手数料や取引額の規模、サポートの受けやすさなども考慮して、利用する海外クラウドファンディングサービスを検討してみましょう。