目次
マーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティングを効率化するツールです。
施策実行をシステムで省力化・自動化し、Webで見込み客を獲得し購買意欲を高めて、営業の成約率を高めます。
MAならばキャンペーンをWebのみで完結することも可能なため、ターゲットが海外の顧客でも使えます。
【MAの主な機能】
- 顧客情報の収集と蓄積
- 見込み客(リード)の育成
- 施策の効果分析
マーケティングオートメーション(MA)とSFA、CRMの関係
営業分野の顧客管理システムにはマーケティングオートメーション(MA)とSFA、CRMがあります。この3つのシステムは顧客との関係の深さによって使い分けします。
- MA :「潜在顧客」との関係強化(マーケティング)
- SFA :「見込み客」の契約促進(営業支援)
- CRM :「既存客」のサポート・情報管理(データベース)
以下に顧客の段階別に用いるツールを示します。
マーケティングオートメーション(MA)の主要機能
マーケティングオートメーション(MA)の主な機能は「自動化」と「リード管理」の2つです。
- マーケティング業務の自動化(オートメーション)
- リード管理
- (1)リード獲得(リードジェネレーション)
- (2)リード育成(リードナーチャリング)
- (3)リードのふるい分け(リードクオリフィケーション)
MAではマーケティングの施策実行を自動化できます。たとえば、顧客の行動をトリガーとしたメール配信、興味・関心に応じたキャンペーンの実施などです。
MAでは個々のリードの状況を把握・管理できます。顧客ファネルでいうと、(1)広告や検索流入で獲得した潜在顧客なのか、(2)情報提供などで購入意欲を高める(育成)段階なのか、(3)間もなく成約・商談が可能かの判断材料を提供します。
マーケティングオートメーション(MA)導入前の準備工程
マーケティングオートメーション(MA)による自動化の実現には、導入前の準備工程が重要になってきます。
- シナリオ/プロセス設計
- 提供コンテンツの用意
- 運用体制の確立
次項以降でそれぞれの要点を説明します。
シナリオ/プロセス設計
マーケティング業務の自動化・システム化には、さまざまな設定が必要です。そこで、リード獲得から成約(購入)までの大まかな流れ(シナリオ)と、その中でどんなトリガー(条件)をきっかけに何をMAにさせるか、プロセスを一つひとつ定義しなければなりません。
こういったシナリオやプロセスはゴール(成約)まで一直線ではなく、分岐や戻りなど複数のシナリオの可能性と、それにともなうプロセスをセットで考えなくてはならないことに注意しましょう。
提供コンテンツの用意
リード育成には何らかの情報提供が不可欠です。MAは主にオンライン上の行動を記録し、トリガーとするため、Webコンテンツに誘導するほうがやりやすいです。
必要なWebコンテンツは、次のようなものです。
- メルマガ
- 自社サイト
- 記事、ブログ、FAQ
- ダウンロード資料(ホワイトペーパー、製品資料、事例集)
- ウェビナー
コンテンツの数は少なくても、顧客ニーズが高く、購入検討で重視される情報を用意さえすれば一定の役割が果たせます。
運用体制の確立
MAを営業体制にどう組み込むか、リード獲得・育成・ふるい分けの3段階における担当や業務分担を決めます。MAでマーケティング業務を省力化できますが、設定や方向性の判断、効果測定・改善は人が行わなくてはなりません。MAツール運用者に必要なスキルは、自社商材と顧客の理解、データリテラシー、マネジメントです。
なお、MAはマーケティングと営業部門の業務横断的なシステムなので、運用メンバーは両部門、また経営戦略部門との橋渡しができる人材であることが望ましいです。
国内で人気のマーケティングオートメーション(MA)
マーケティングオートメーション(MA)の数は多く、機能もさまざまです。
ここで、参考のため国内で実績のある製品を5つピックアップ、皆様の関心の高い項目・機能をかいつまんで解説します。
Pardot | Marketo | Hubspot | SATORI | Zoho CRM | |
海外対応 | 〇 | 〇 | 〇 | やや△ | 〇 |
メルマガ 作成 |
◎ | 〇 | ◎ | 〇 | × |
動的コンテンツの差込可 | エディタ 内蔵 |
デザイン性の高い メールを作成 |
エディタ 内蔵 |
要別途ソフト ※月270円~ |
|
行動履歴の把握 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
CRM連携 | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ |
特に自社製品 | 5分毎の同期 | 上位プラン契約 | 月5万円+α | 自他ソフト | |
利用料金 | △ | △ | ◎ | △ | ◎ |
人気プラン48万円 | 他製品より高め | 有効リード数毎の 課金制なのでコスパ良 |
初期30万円 月148,000円 (一律プラン) |
企業内ユーザー数毎の課金制 ※少数なら安価 |
MAは製品により課金の仕組みや料金水準もさまざまです。必要な機能や運用体制、オプションを慎重に検討しましょう。
MA選択の大原則は機能です。大手の「Pardot」「Marketo」も良いですが、コストパフォーマンスを重視するなら「Hubspot」「SATORI」もおすすめです。商材数や売り上げが小さくて予算がシビアなら、安価なZohoもあります。
海外事業で利用したいのであれば、実績のある海外製のMAをおすすめします。国産のSATORIは日本語表記なので、現地運用にはやや難があります。
Webマーケティングで定番のメールの作成機能はどの製品にもあります。モダンな構成で顧客の目を引きたいなら、高機能なメールエディタが使えるPardotやHubspotがおすすめです。
後々、成約(購買)後のフォロー、リピート販促のためにCRMと連携させたい場合、製品によっては上位プランや支払いオプションの契約が必須です。料金アップを吸収できるだけの展開が望めるか、慎重に見極めましょう。
当社おすすめのマーケティングオートメーション(MA)
最後に、当社でおすすめしているマーケティングオートメーション(MA)ツール、「Pardot」「Hubspot」を紹介します。
Hubspot Marketing hub
Hubspotとは、無料のCRMと各種の有料ツールで構成された製品群です。
主なツールと機能は以下のとおりで、任意に組み合わせて利用します。
- Hubspot(CRM/無料)
- Marketing Hub(MA)
- Sales Hub(SFA)
- Service Hub(カスタマーサポート・ナレッジ提供用)
Hubspot Marketing hubは同社のSFAはもちろん、他社製品とも相性が良く、導入しやすいです。
Hubspot社のMAツールは、次に上げるようなインバウンドによる顧客開拓に注力した製品です。
- WebサイトのSEO対策
- チャットボット
- サイトコンテンツのパーソナライズ表示
- リードスコア別の対応フロー
なお、Hubspot Marketing hubのプランは複数あり、自動化には最安プランの「Starter」ではなく上位プランの「Professional」の契約が必要になります。ただ、有効なリード数に応じた課金制度なので費用対効果が高いのがメリットです。
Salesforce Pardot
Salesforce Pardotは高機能なMAツールで、プルとプッシュを組み合わせた施策が展開可能です。
自社サイト流入のインバウンドのほか、リードの行動とスコアに応じたプッシュ配信によりリードとの関係を維持します。配信コンテンツには動的コンテンツを挟み込めるため、リードの興味を引いてコンバージョンを導きます。
【Pardotの主な特徴】
- SalesforceのSFA「Sales Cloud」との連携の良さ
- 行動追跡と可視化、分析、多変量テストも可
- 営業担当者にリードを自動割当
- 簡単な操作でコンテンツを作成可能
Pardotの顧客情報や行動データをSalesforceと連携できるので、営業部門との情報共有も容易です。営業担当者はリードの関心を把握でき、商談にも生かせるでしょう。一定のスコアに達したリードは営業部門に自動で引き継げるため商機を逃しません。
リード獲得用のランディングページや入力フォームは、サイト制作会社に依頼せずともレイアウトテンプレートとドラッグ&ドロップにより簡単に内製できます。
まとめ
海外のWebマーケティングをするにあたり、文化や商習慣のギャップに直面することもあるでしょう。マーケティングオートメーション(MA)による効率的なリード獲得、仮説検証、テストが行えれば、成果創出につなげやすくなります。
MAツールの活用に興味を持たれましたら、当社までお気軽にお問い合わせください。
資料ダウンロード:国内から海外企業と商談を進める仕組み作り
資料ダウンロードはこちらから