Youtubeを海外向けに発信するための設定方法と注意点

日本人だけではなく外国人にも情報を届けたいけれど、具体的な方法が分からない。配信する言語が違うだけでとても難しく感じる気持ち、分かります。いきなり世界に繋がると考えると、道に迷った気持ちに近いかと思います。

でも実は、海外向けに発信するやり方は簡単で、誰でも今直ぐに設定できます。動画配信を初めて間もない初心者の方でも、本記事の内容を参考にするだけで、海外向けの動画配信の準備を整えられます。

本記事では、海外向け動画配信のメリットやYoutubeでの具体的な設定方法、注意点など、押さえておきたいポイントをまとめて解説しています。

Youtubeの配信設定を海外向けにすることで、より多くの人に情報を発信できるようになり、インバウンド需要を高めたり、新規ファンの獲得に繋げられたりとビジネスチャンスを広げるきっかけとなります。Youtubeを上手く活用し、認知度を高めて情報戦略でライバルに打ち勝ちましょう。

海外向けに動画を発信するメリット

改めて、Youtubeを使って海外向けに動画を発信するメリットは何でしょうか。不特定多数の人に情報を届けられる、今まで届けられなかった人にリーチできるなど、様々なメリットを思いついたことでしょう。たくさんのメリットがあるなか、特に企業や組織にとって有益な点は、次の3つに絞れるのではないかと思います。

① 認知を広められる

② ファンを増やせる

③ 外国人の興味を探れる

つまり、Youtubeで海外向けの動画を配信することで、世界に向けてあなたの商品やサービス、観光情報などたくさんの人に知ってもらう機会が増え、視聴者の興味を知り新たなファン獲得に繋げられるのです。海外向けの動画を配信し、再生回数を伸ばしファンを獲得できれば、売り上げ拡大やインバウンド需要の増加に期待できるでしょう。

では、ここからは3つのメリットについて詳しく解説していきます。

認知を世界に広められる

Youtubeの月間アクティブユーザー数は、世界で何人か知っていますか。実は、20億人を超えているといわれています。Youtubeにログインしているユーザーは、世界の人口の約4分の1に相当しているのです。

世界に20億人ものアクティブユーザーを持つYoutubeにおいて、2019年の3月時点でのアメリカの登録者数は、20億人を超えており第1位でした。第2位はインド、第3位はブラジルで両国とも約10億人、以降はイギリス、メキシコ、スペインの順番で多いことが分かりました。対して日本の登録者数はというと約2億人で、Youtube全体からすると一部でしかないことが分かると思います。

(参考サイト:https://medium.com/@ChannelMeter/youtubes-top-countries-47b0d26dded

よって、海外向けの動画配信を行うことで、視聴者が多いマーケットに情報を流すことに繋がり、認知度を高められる可能性が高まるのです。

もしも、インバウンド需要を伸ばしたい、海外の方にも商品やサービスを購入してもらいたいと願っているのであれば、日本のYoutube市場より世界のYoutube市場に目を向けるのが得策でしょう。今よりも認知を広めたいなら、海外向けの動画配信に一歩踏み出すことが一番の最短距離になるかもしれません。

ファンを増やせる

海外向けの動画を発信していくことで、外国人の新規ファンの獲得に繋がる可能性があります。個人Youtuberにおいても、日本人向けのチャンネルと外国人向けのチャンネルを使い分け、ファン獲得の拡大を実現している人もいます。

日本人向けの動画でもファンの獲得に期待できるかもしれませんが、先ほど説明した通り、チャンネル登録者数が多い国は英語圏の国ばかりです。海外向けの動画を発信すると、日本人ユーザーより多くの外国人に動画を届けられる可能性があります。よりたくさんの人の目に触れる機会が増え、新たなファンの獲得を伸ばせるかもしれません。

コンテンツの内容に左右されるかもしれませんが、新たなファンを獲得したい場合には、海外向けの動画配信は有効となるでしょう。

海外展開へのきっかけを作れる

Youtubeには「Youtubeアナリティクス」の分析機能があります。Youtubeアナリティクスでは、人気動画の順位、クリック率、視聴回数や視聴者がアクセスしている時間帯など、視聴者の状況を把握できます。

海外の視聴者のアクセスが増えれば、どの国の人に届きやすいコンテンツなのか、どんなコンテンツが人気になりやすいのかと、海外の視聴者の傾向を掴むことができます。Youtubeアナリティクスで得たデータを活用することで、どの地域の人にどんなコンテンツがハマるのか予想でき、海外展開で失敗する確率を下げられるでしょう。

例えば、地元への訪日観光客を増やしたい場合、Youtubeアナリティクスを活用した宣伝活動と、過去の観光客の情報だけを頼りにした宣伝活動では、前者の方が効果的であると想像できるのではないでしょうか。

ただ、これらのメリットは理解できるものの、英語が苦手で海外向けの動画作成に高い壁を感じている方も多いかと思います。しかし実際のところ、想像以上に簡単に作成できます。そこで、具体的に何をすれば良いのか解説していきますので、合わせて読み進めていきましょう。

海外向けのYoutubeを発信する方法

海外向けの動画で欠かせないのは「言語の設定」です。言語設定と聞くと面倒くさそうと思うかもしれませんが、ここさえできれば海外向けの動画配信の準備は終わったも同然です。

具体的には次の3つの準備を行います。

① チャンネル名と説明の多言語化

② 動画タイトルを多言語化

③ 動画の字幕を翻訳

それぞれ、初心者の方でも設定できる難易度であり、既存の翻訳ツールを使うことで字幕の翻訳も簡単にできます。実際の方法を手順で確認していきましょう。

具体的な設定方法

では早速、設定方法の手順を解説していきます。是非、Youtube Studioを開いて確認しながら操作してみてください。

・チャンネル名、チャンネル説明を多言語化するステップ

① 「Youtube Studio」にアクセスする

② 「カスタマイズ」のアイコンから「基本情報」をクリック

③ チャンネル名と説明の翻訳から「言語を追加」をクリック 

④ 「元の言語」選択し、チャンネル名と説明欄を記入

⑤ 「翻訳言語」を選択し、翻訳後のチャンネル名と説明欄を記入

・動画タイトルを多言語化するステップ

① 「Youtube Studio」にアクセスする

② 「字幕」のアイコンをクリック

③ 翻訳したい動画をクリック

④ 動画の字幕の設定画面で「言語を追加」をクリック

⑤ タイトルと説明欄に翻訳後の文章を入力

・動画の字幕の多言語化するステップ(手動で入力)

① 「Youtube Studio」にアクセスする

② 「字幕」のアイコンをクリック

③ 字幕を付けたい動画を選択

④ 「言語を追加」をクリック

⑤ 字幕に表示させたい言語を選択

⑥ 「手動で入力」をクリック

字幕追加の方法は「手動で入力」の他に、「ファイルをアップロードする」「自動同期」の方法もあります。手動入力を面倒に感じる方は、別の方法でトライすると良いでしょう。

多言語化を順調にできない方は、Youtubeヘルプが参考になるかと思います。

(参考:https://support.google.com/youtube/answer/2734796?hl=ja

注意点

動画タイトルを多言語化する際、Google翻訳やDeepL翻訳などを使うかと思います。翻訳ツールは大変便利ですが、1つ注意すべきことがあります。それは、上位表示を取りたいキーワードが入っているかの確認です。

狙いたいキーワードが動画タイトルに入っていないと上位表示を取りにくくなり、ユーザーの画面に表示される回数が増えないため、翻訳後の確認が重要になります。再生回数を伸ばしたいのであればWebサイト同様、上位表示が大切です。

いかにユーザーの画面に表示される回数を増やせるかが、Youtubeで認知度を高める際の鍵になります。そのため、翻訳サイトの翻訳に全て任せるのではなく、アップロードの前にキーワードの抜けチェックを怠らないようにしましょう。

ここまで、海外視聴者向けの言語設定や注意点を解説してきました。これらのポイントを踏まえることで海外向けの動画配信はできますが、少しでも再生回数やファンを獲得したい場合には不十分です。

では、どうすればもっと効果的に視聴者へ動画を届けられるのでしょうか。

認知を広げる3つの秘策

海外向けに発信するということは、同じ動画配信者のライバルを増やすことになるかもしれません。なぜならば、世界で1分間に500時間もの動画が配信されているためです。今この記事を読んでいる間にも、世界中から動画がわんさかアップロードされ続けています。

誰でもどこでも動画を配信できるため、コンテンツのジャンルによっては、既に人気を誇っているチャンネルが居座っている可能性も十分あり得るでしょう。もしも、強いライバルに打ち勝ちたいなら、次の「認知度を高める3つの秘策」が必要になります。

・上位表示を意識する

・サムネイルを海外向けにする

・海外向けショート動画を配信する

特に、上位表示とサムネイルが重要なため、2つについて深堀していきます。

上位表示させるには

「SEO」という言葉を聞いたことはありますか。Web上で上位表示させるために重要な言葉で、実は、Youtubeにも「VSEO」という似た言葉が存在します。動画で上位表示させるには「VSEO」について知識を深め、対策を行うことが重要です。

そして、VSEO対策でポイントなのが「キーワードの導入」です。タイトル、説明文、字幕などにキーワードを散りばめることで、上位表示される可能性を高めていきます。海外向け動画に取り組み始めた段階であれば、まずは「VSEO対策」を学ぶところからスタートした方が良いでしょう。

対策方法を知っているのと知らないのでは、大きな差が生まれてきます。

海外向けのサムネイル

海外向けの動画においてもサムネイルは重要です。日本人向けにはウケが良いサムネイルなのに、海外向けではヒットしないこともあるほど、視聴者によって刺さる部分が異なり、奥が深い分野です。

例えば、恋愛系の動画の場合、日本人向けのサムネイルではピンク系の画像やハートを散りばめたデザインが多いですが、海外向けの場合、シンプルなデザインで大人の恋愛を感じさせるサムネイルが多い傾向にあります。

この例から分かるように、日本人の感覚と外国人の感覚には違いがあると認識しておきましょう。実際にサムネイルを作成する際は、既に人気のある動画の分析から始めるのを推奨します。成功者の方法を真似するところから始めると、目標に達するまでの時間を短縮できるでしょう。

まとめ

海外向け動画のメリットを始め、具体的な言語設定の方法などを解説してきました。記事前半の内容を思い出すためにも、改めて本記事のポイントを振り返りましょう。

・海外向けの動画配信のメリットは3つ

 ① 認知を世界に広められる

 ② ファンを増やせる

 ③ 海外展開へのきっかけを作れる

・海外向けに「言語設定」を行う

・翻訳時、キーワードの抜けチェックをする

日本の大手飲料メーカー、ヘアケアメーカー、カメラメーカーなど、既に各業界で海外向けの動画配信に取り組み、ファンを獲得している企業がたくさんあります。そのため、今から動画配信を始めても遅いのではと感じている方も多いでしょう。

ですが、目の前の情報だけで判断してはチャンスを掴み損ねているかもしれません。成功の鍵は隠れていることが多いものです。もしも、少しでも売り上げを伸ばすチャンスを掴みたい、海外のファンを増やしたいと思っているのであれば、弊社のサービスが役に立つかと思います。

海外マーケットへの進出が初めての方は、是非、一度ご連絡ください。一緒に海外進出を成功させていきましょう。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター