小手先の技術は通用しない。Googleアップデートの歴史に見るSEO対策のエッセンス

世界最大のシェアを有する検索エンジンのGoogleにおいて、検索結果の上位表示を獲得することはコンテンツ発信者に大きな影響力をもたらします。

Google検索エンジンにおいて評価されやすいコンテンツ発信を目指すSEO対策ですが、ノウハウの蓄積や研究こそ進んでいるものの、度重なるアップデートによって小手先の技術は段々と通用しなくなってきています。

アップデートを重ねても、変わらず上位表示されているコンテンツというのは、どのような施策が施されているのでしょうか。今回はGoogleが施してきたアップデートの歴史を辿りながら、時代に左右されない、SEO対策に必要なエッセンスを見出していきましょう。

Google検索における順位を決定する主な要素

まず、Google検索にはいくつかの要素に基づいて検索結果の順位が決定されていると言われています。具体的にそれぞれがどれほど結果に影響しているかについては不明ですが、アップデートを重ねても変わらない要素は、以下の4つに絞られます。

Webサイトの関連性

まず重要なのは、検索エンジンを使ったユーザーのニーズにどれくらいコンテンツの内容がマッチしているか、という関連性です。家電製品を調べたいのに、サプリメントのサイトが上位に表示されていてはサービスとして成立しないのは明らかですが、Googleでは「このキーワードを検索している人はどんな情報を求めているのか?」という問いに対して徹底的に取り組んでいる様子がアップデートからもうかがえます。

Googleで上位表示されるコンテンツは、言わばユーザーニーズの最も高いコンテンツです。コンテンツの順位を高めるためには、ユーザーに有益なコンテンツであることをアピールできる仕上がりであることが不可欠です。

コンテンツの品質

まだ検索エンジンのアルゴリズムがままならない20年近く前は、適当な関連キーワードの羅列だけで簡単に上位表示が実現していました。しかし近年は検索エンジンのアップデートによって、コンテンツの品質を極めて正確に評価できる仕組みが実装され、コンテンツの良し悪しが直接検索順位に影響しています。

良質なコンテンツとは、ユーザーニーズの解消に最も役立つコンテンツということです。単に情報を寄せ集めるだけではなく、他にはない独自性や読みやすさを追求することで、自然と検索順位は上位へと移っていくようになります。

ユーザビリティ

コンテンツは中身も大事ですが、中身を読んでもらうための仕組みづくりも大切です。ページが正しく、そして素早く表示されるかどうか、ページ内で快適に過ごせるよう仕組みづくりが行われているかを改善していくことで、上位表示を目指せるようになります。

ユーザーとコンテンツの関係性

コンテンツがユーザーとどのような関係にあるのかも、上位表示には大きく影響します。例えば日本人は日本語のコンテンツを好んで読むため、海外のWebページが上位に表示されることはありません。ユーザーが違えば検索結果も異なるので、全てのユーザーに等しく検索結果が表示されない可能性もあるわけです。

ある程度ターゲットを絞りながら、上位検索結果を狙うというのが有効な方法です。

Google検索のアップデートの歴史

ここで、Google検索がどのようなアップデートを繰り返してきたかについて、主要なイベントを中心に見直しておきましょう。アップデートの歴史を振り返ることで、Googleがどのような検索エンジンを作りたいのか、そしてどんなコンテンツが求められているのかを垣間見ることができます。

ベニスアップデート

Googleが実施したアップデートとして大きな変化をもたらしたものは、一つにベニスアップデートが挙げられます。これは2014年に初めて実施されたアップデートで、ユーザーの位置情報に基づいて検索結果が表示されるという仕組みが実装されました。

現在地に関連するエリア名を入力しなくても、ただ「ランチ」と入力するだけで、現在地付近のランチ情報を表示してくれる仕組みへとアップデートされています。

パンダアップデート

2011年に実施されたパンダアップデートは、端的に言えば低品質なコンテンツやサイトの表示順位を下げるために行われたものです。コピペで作成されたテキスト、あるいは自動作成されたテキストと思われるコンテンツを含むサイトは順位が軒並み低下し、オリジナリティのあるサイトが上位へ来やすい仕組みづくりが行われています。

2015年にも追加アップデートが行われており、独自性のない情報しか取り扱わない、量産型のコンテンツに対してはペナルティが課されるように変更が加えられています。

ペンギンアップデート

2012年に実施のペンギンアップデートは、不正プログラムを使って順位を高めようとするサイトの自動排除を行うためのアップデートです。

隠しテキストや隠しリンクが設置されたコンテンツ、ユーザーニーズとは直接関係のないリダイレクト設定が行われているサイト、情報の羅列だけのサイトはこれによって排除されることとなりました。

ハミングバードアップデート

ハミングバードアップデートは、検索ユーザーの利便性をさらに向上するために実施されたアップデートです。音声による検索や、会話形式の検索によって、ニーズに則った検索結果が得られるような仕様へと変更されています。

パイレーツアップデート

パイレーツアップデートは、著作権の侵害が疑われるサイトを排除する目的で実施されたアップデートです。違法な漫画や映画などのコンテンツ配信を行っている、あるいはそれらの海賊版サイトに関連するサイトを取り締まる目的で行われています。

そのためエンタメ情報サイトなどのメディア運営を本格的に行っているサイトの場合、悪質でなければ規制の対象とはなりません。

モバイルフレンドリーアップデート

モバイルフレンドリーアップデートは、モバイル端末からの検索があった場合には、モバイル表示に最適化されているサイトを優先して表示するようにしたアップデートです。

近年はスマホやタブレットの普及により、PCよりもモバイル端末からのGoogle検索利用が圧倒的に増えています。スマホとPCの両方に対応しているレスポンシブデザインのサイトが増えているのは、このような仕様に対応するためのSEO対策につながるからです。

コアアルゴリズムアップデート

2021年の7月に実施されたコアアルゴリズムアップデートは、その名の通り検索エンジンのコアとなる部分に実施されたアップデートです。コアアルゴリズムアップデートは定期的に実施されており、現在進行形でユーザビリティ向上に向けた改善が行われています。

2021年に行われた主な変更点としては、更新が久しく行われていないサイトに対してペナルティが課せられたり、モバイルフレンドリーなサイトに対しての評価を向上させたり、優れたUXやコンテンツを持ったサイトを優先させるような改善が施されています。

Googleを通じて優れた体験価値をモバイルユーザーに届けられるサイトが、今後もSEOにおいては重視されることになりそうです。

Googleでオーガニック検索を増やすために必要な3つのエッセンス

上記のようなアップデートの歴史を振り返ると、検索流入の改善につながるエッセンスとしては以下の3点が見いだせます。下記を自社のマーケティング施策に落とし込み、効果的なアプローチを実現しましょう。

Googleから認識されやすいHTML構造

まず大切なのは、Googleから認識されやすい、つまりユーザビリティに優れると評価してもらえるHTML構造を設けることです。

独創性にこだわりすぎず、あくまでも基本的なHTMLの原則に基づくサイト作りを実現することで、可読性を高めます。

Googleサーチコンソールでサイトマップを登録し、構造的な見出しタグの設置や言語設定の定義、パンくずリストのセットや画像に対するaltタグの設置など、些細な設定を忘れずに行うことが重要です。

ユーザーニーズを満たすコンテンツ

2つ目に、ユーザーニーズを満たすコンテンツ作りを実践することです。ユーザーが満足する有益なコンテンツの定義は様々ですが、やはりオリジナリティがあることと、サイト内に十分な数のコンテンツを蓄えていることが重要です。

また、サイトの回遊率や離脱率も定期的にチェックしながら、改善点をアップデートして加えていくことも大切です。ユーザーにとって見やすい、何度でも来たいと思われるWebページ作りを追求しましょう。

ドメインスコアの獲得

サイトの上位表示においては、ドメインスコアを意識することも大切です。ドメインスコアとはそのサイトドメインの信頼度合いを数値化したもので、サイトの年齢(設立してからの年数)、被リンク数と、被リンク元のサイトのドメインスコア、被リンク元とどれくらい親和性のあるサイトなのかといった統計情報が反映されて算出されます。また、過去にGoogleにおいてペナルティを受けたことがあるのか、低品質なサイトとのリンク率などのマイナス情報も数値化の対象となるため、これらに対しても対策が求められます。

運営元の企業のブランド力なども、ドメインスコアにも大きく影響します。会社の注目度と比例して大きくなる数字と考えて差し支えないでしょう。

おわりに

SEO対策は多くの企業が実践しているハードルの低いWeb施策ですが、上手く上位表示を実現するためにはいくつもの課題を乗り越える必要があります。とにかく実践を何年も継続して取り組み、改善を繰り返すことで結果につながるため、積極的に取り組む価値のある施策です。

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この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター