検索流入によって集客を増やすためには、検索ユーザーの動向を正しく理解する必要があります。彼らが検索エンジンを利用する理由や、ニーズがどの方向を向いているかを把握すれば、ターゲットに最適なWebページ運用を実現可能です。
今回は、ユーザーの検索ニーズと密接に関連している検索クエリについて、4つの分類をご紹介していきます。
目次
検索クエリとは
検索クエリはGoogleが定義している、ユーザーの検索意図に合わせた語句の分類です。ユーザーが検索エンジンを使ってキーワードを入力するとき、どのような語句を盛り込んでいるかによって、ニーズを細かく分類し、それらに最適化したWebページを用意することで、高い集客効果を見込めます。
検索ニーズとは一言で言っても、どのような需要がそこに存在しているのか、ということはユーザー本人にしかわからない繊細なものです。検索クエリの概念は、そんなパーソナライズされたユーザーニーズを理解する手助けとなる指標のようなもので、検索クエリを意識しながらサイト作りやコンテンツ制作を行えば、ユーザーニーズの解消、つまり検索上位サイトへと改善できるようになります。
検索キーワードとの違い
検索クエリと似たような言葉として、「キーワード」と呼ばれる語句も頻繁に使用されています。一般的に広く普及しているのは「キーワード」の方ですが、クエリとの違いはどこまでの範囲をひとかたまりとして認めるか、という点にあります。
例えば「アップルパイ おすすめ」と入力窓に入力してユーザーがGoogle検索を行っているとします。この場合、キーワードとなるのは「アップルパイ」の部分のみで、「おすすめ」については重視されません。
一方で検索クエリを指定する場合「アップルパイ おすすめ」という入力した語句全てを指すこととなります。
キーワードだけでなく、検索クエリまで正しく把握することで、ユーザーニーズを詳細に理解することが可能となります。
検索クエリを確認する方法
検索クエリを確認するためには、「Google 広告キーワードプランナー」というGoogleの公式サービスが活躍します。自社サイトに最適なキーワードはもちろん、クエリの検索ボリュームや、どれくらい競合しているか、ということもわかりやすく数値化してくれます。
本格的なWebマーケティングを進めていきたい場合、検索クエリのチェックは欠かせないと言えます。
公式サイト:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
4つのGoogle検索クエリ
続いて、主な4つのGoogle検索クエリについてご紹介します。それぞれのクエリの特徴や目的を理解し、Webページの最適化を進めましょう。
インフォメーショナルクエリ(knowクエリ)
インフォメーショナルクエリは、何らかの情報を獲得するために用いられる検索クエリです。「SEO 対策方法」「マーケティング とは」など、キーワードに関連する情報を仕入れることがユーザーニーズとして発生していることがわかります。
インフォメーショナルクエリは検索回数が多く、初歩的な情報の理解を促す上で非常に有用なクエリです。コンテンツ制作におけるファーストステップとしても選ばれているため、SEO対策においては基本とされています。
客観性のある意見や、事実を発信している、信頼性の高いサイトとして認知してもらうこともできるので、ユーザーとの関係構築、及びコンバージョンの獲得に強いクエリです。
ナビゲーショナルクエリ(Goクエリ)
ナビゲーショナルクエリは、ユーザーが目的地としているサイトが明確な検索クエリを指しています。例えば「Twitter」や「Twitter ログイン」という検索クエリの場合、検索ユーザーは明らかにTwitterへのアクセスを求めていることがわかります。
これが「SNS」のように、抽象度の高い検索クエリであれば別のニーズがある可能性も想定できますが、明らかに名指しでサイト名を検索している場合、ナビゲーショナルクエリであるとみて間違いありません。
特定のサイトへのアクセスを意識したクエリであるため、SEO対策においては重視されていないというのも特徴です。
トランザクショナルクエリ(Doクエリ)
トランザクショナルクエリは、検索ユーザーが何らかのアクションを起こしたいという意図がみられる検索クエリのことを指します。「Twitter ダウンロード」「勤怠管理ソフト 資料請求」のように、ある程度目的が想定できる検索クエリの多くは、トランザクショナルクエリであるケースがほとんどです。
トランザクショナルクエリで検索しているユーザーは、自社のターゲットとなれる層であれば、大いにコンバージョンに繋がってくれる可能性の高いユーザーです。トランザクショナルクエリを対策することで、SEOの順位を高め、コンバージョンの改善にもつなげることが可能です。
コマーシャルクエリ(Buyクエリ)
コマーシャルクエリは、トランザクショナルクエリの一種とされることもありますが、こちらは購買行動を強く意識している検索クエリを指します。「メンズコート 購入」「アップルパイ おすすめ」のように、明らかに何か買いたいものがあって調べているユーザーのクエリはほぼコマーシャルクエリに分類可能です。
「ラップトップ 格安」など、値段を意識した検索クエリも「予算にあったものがあれば買う」というニーズが潜在しているため、コマーシャルクエリということができます。
アクセス流入に強い検索クエリとは?
以上のような4つの検索クエリの分類を理解した上で、SEO対策に有効な検索クエリについても整理しておきましょう。
まず最もアクセス流入に強い検索クエリですが、これはインフォメーショナルクエリ、ナビゲーショナルクエリ、トランザクショナルクエリ、コマーシャルクエリの順に有効であることがわかっています。
検索エンジンはそもそもユーザーの情報インプットを促進する意図で運営されているサービスなので、インフォメーショナルクエリの需要が高いのは当然とも言えるでしょう。また、特定のサイトへのアクセスを簡便にするという機能性においても検索エンジンはサービス開始当初から評価されてきたため、ナビゲーショナルクエリの需要が高いというのも納得です。
トランザクショナルクエリは、行動に移したいというニーズをはらんだクエリで、漠然とした情報収集よりも意思力があります。そのため、アクセス流入というよりも何らかのコンバージョンを達成する上では重要になってくる検索クエリです。
コマーシャルクエリもトランザクショナルクエリと同様の検索ニーズを持っていますが、購買意欲が強く、多くの検索広告はコマーシャルクエリを対策して広告出稿を行っています。やはりこちらもアクセス流入というより、購買行動に直結するクエリとして意識されている傾向にあります。
成約に繋がりやすい検索クエリとは?
どれだけアクセス流入が増えても、Webサイトを運営する目的である成約や購買行動を促すことができなければ、サイト運営の意味がありません。検索クエリとして成約に繋がりやすいとされているのは、コマーシャルクエリ、トランザクショナルクエリ、インフォメーショナルクエリ、ナビゲーショナルクエリの順です。
購買や問い合わせに直結する検索クエリはマーケティングや営業部門の成果に大きく関わるため、アクセス流入目的のコンテンツと合わせて、こちらも意識する必要があるでしょう。
SEO対策につながる検索クエリの活用方法
SEO対策を改善する上で、検索クエリの指標はどのように活用すればよいのでしょうか。最後に検索クエリの主な活用方法について、ご紹介します。
検索クエリを俯瞰し、必要なコンテンツを確認する
まず、自社のターゲットとなりうるユーザーの検索クエリを一覧で確認し、どのような検索ニーズを抱えているか、分析を行いましょう。漠然と検索クエリを眺めるだけでは期待しているような成果が得られないため、自社のコンテンツ状況やアクセス状況を踏まえながら、どんな検索クエリに対策が必要かを検討します。
国ごとの検索クエリの傾向を確認する
検索クエリの傾向は、実は国によって大きく異なるケースがあります。自社サイトがどのような地域で、どんな検索クエリに対応できているのか、あるいはできていないのかを把握し、別個に対策を進める必要があります。
グローバル市場を意識したWebマーケティングを展開したい場合も、検索クエリの概念が役に立つでしょう。
まとめ
検索クエリは4つのカテゴリに分類することができ、情報収集が目的のものや、購買行動が目的のもの、あるいはサイトへのリンクを目的としているものなど、多くの傾向を読み取ることができます。
検索クエリを俯瞰的に分析することで、自社サイトがどんなニーズに応えられているのか、今後どんなコンテンツを強化していけばよいのかが明らかになります。
検索クエリの概念を積極的に活用し、狙い通りのサイト運営を実現できるよう改善していきましょう。