この記事では、CPAやROAS、CTCなどのデジタルマーケティングで活用される指標の計算式を紹介。それぞれの指標の特徴や活用の場面について解説します。デジタルマーケティングの分析で使用する各種の指標について知りたい方は、参考にしてみてください。
「CPAやROAS、CTCなどのマーケティング指標の特徴が知りたい」、「マーケティング指標がどのような場面で活用されるのか知りたい」と考えている方もいるでしょう。
正確なマーケティング分析をするためには、それぞれの指標と計算方法、具体的に使われる場面について知って、指標を活用する場面をイメージしておくことが大切です。
この記事では、代表的なマーケティング指標の特徴と計算式、具体的な活用シーンについて紹介します。マーケティング分析に活かせる指標を活用していきましょう。
目次
指標早見表
指標 | 式 | 説明 |
---|---|---|
ROAS | コンバージョンを通じた売上金額÷広告費 | 広告の費用対効果(特に売上)を測定する指標。最も重要な指標。特に単価の差の大きいビジネスモデルでは重要な指標。 |
ROI | コンバージョンを通じた粗利金額÷広告費 | 広告の費用対効果(特に利益)を測定する指標。最も重要な指標。 特に利益率の差が大きいビジネスモデルでは重要な指標。 |
LTV | 顧客収益の合計 | 顧客当たりの収益合計。期間を3年や10年で設定し、その1顧客当たりの収益合計を指す。 |
CPO | (広告費+販促費)÷受注数 | 1オーダーを獲得するためにかかった費用 BtoCビジネスでは重要な指標 |
CPA | 広告費÷コンバージョン数 | 1メールアドレスを獲得するためにかかった費用。無料相談などを設けているビジネスモデルや人力での商談が重要なBtoBビジネスでは重要な指標 |
CVR | コンバージョン数÷クリック数 | サイト流入者がどれくらいコンバージョンしたかを示す指標 |
CTR | クリック数÷表示回数 | 検索や広告を見た人がどれくらいクリックしたかを示す指標 |
CPC | 広告費÷クリック数 | 1クリックにかかる費用 |
CPM | 広告費÷広告表示回数×1,000 | 1表示するのにかかる費用 |
指名検索数 | 社名や商品名の検索回数 | 社名・商品名の認知度 |
CV | コンバージョン数 | 資料請求や資料ダウンロード、問合せの数。 一般的にメールアドレスの入力数を指す。 |
クリック数 | クリック数(サイト流入数) | サイトへの流入数 |
インプレッション数 | 表示回数 | 検索や広告の表示回数 |
CPAとは?特徴や計算式、似ている指標
マーケティングの指標の一つであるCPAは「Cost Per Action」(顧客獲得単価)」を意味する略語。一件の売上や顧客の獲得をするために、どれくらいの広告費用やマーケティング分析に、どの程度のコストがかかるのかを見る指標です。
ちなみに、お問い合わせを獲得するためにかかるコストを「Cost Per Action」、1件の売上を出すためにかかったコストを「Cost Per Acquisition」と区別して表現することも。
Webマーケティングの費用対効果を表現する指標として、広く活用されています。
参考URL:https://www.onemarketing.jp/contents/cpa-re/
参考URL:https://www.willgate.co.jp/promonista/cpa/
参考URL:https://www.seohacks.net/blog/992/
CPAの計算式は?
CPAの計算式は、以下の通りです。
- CPA=広告費用÷コンバージョン件数(顧客獲得や売上など)
- 1,000円(CPA)=100万円(広告費用)÷1,000件(コンバージョン件数)
たとえば、100万円の広告費を使って、コンバージョンを1,000件達成した場合、CPAは1,000円となります。つまり、1件あたりのコンバージョンを達成するために、1,000円の広告費用を使った計算になります。
上記の計算式を分解して、目標とするCPAとコンバージョン達成件数をもとに、広告費用を概算することも可能です。
- 1,000円(CPA)=広告費用÷1,500件(コンバージョン件数)
たとえば、CPAを1,000円として、コンバージョンの達成件数を1,500件とした場合、広告費用は150万円ほどかかると概算できます。
また、目標CPAと広告費用を決めておくことで、目標とするコンバージョン件数を決めることもできます。
- 1,000円(CPA)=50万円(広告費用)÷コンバージョン件数
たとえば、CPAが500円、広告費用が50万円だとしたら、目標とするコンバージョン件数は500件だとわかるでしょう。
このように、CPAを分解して活用することで、広告費用とコンバージョン件数を割り出すことができ、将来におけるマーケティング戦略を立てることに役立ちます。
参考URL:https://www.onemarketing.jp/contents/cpa-re/
参考URL:https://www.willgate.co.jp/promonista/cpa/
参考URL:https://www.seohacks.net/blog/992/
CPAの計算ロジックはCPC÷CVRに変換できる
CPAの計算ロジックはCPA=CPC÷CVRに変換できます。
つまり、CPAを下げるにはCPCを下げるか、CVRを上げるかによって仮説を立てることができます。
CPAが役立つ3つの場面
CPAの指標が役立つ場面は、以下の3つのシチュエーションが考えられるでしょう。
- Web広告やセールスライティング内容の見直し
- 動画広告やLPにかかる予算の概算
- 広告にかかる予算と期待される集客効果のシミュレーション
CPAは集客や購入に至るまでの費用を求める指標で、広告費の予算やコンバージョン件数の目標を立てるのに役立ちます。あらかじめ予算を決めて、目標とするCPAや売上目標を検討できるでしょう。
Web広告の具体的な効果を測定したり、これからWeb広告を出そうと考えている時の予算や目標とするコンバージョン件数・CPAを考えるのもいいですね。
参考URL:https://www.onemarketing.jp/contents/cpa-re/
参考URL:https://www.willgate.co.jp/promonista/cpa/
参考URL:https://www.seohacks.net/blog/992/
CPAと似ている指標「CPO・CPR」
CPAと似ている指標に、CPO・CPRというものがあります。具体的には、以下のような考え方と計算式で表す指標です。
- CPO(新規顧客の獲得単価)=広告費÷受注件数
- CPR(1件あたりのレスポンスにかかった費用)=広告費÷登録件数
CPAと計算式は同じですが、新規顧客の受注単価を求める指標がCPO、1件あたりのレスポンスにかかった単価を求める指標がCPRといったように使い分けます。
CPAとCPO、CPRの使い分けに迷ったら、基本的な計算式は同じですが、指標を使う目的によって使い分ける場合もあると覚えておきましょう。
参考URL:https://www.onemarketing.jp/contents/cpa-re/
参考URL:https://www.willgate.co.jp/promonista/cpa/
参考URL:https://www.seohacks.net/blog/992/
ROASとは?特徴や計算式、似ている指標
マーケティング指標の一種であるROASは、英語の「Return On Advertising Spend」の略で、「広告の費用対効果」を意味する指標です。広告費に対する売上高について求められる指標で、広告費1円あたりの売上高、広告費に対する売上の回収率がわかります。
ROASの指標が高いほど、広告に対する売上のリターンが大きいことを意味するので、広告費をさらに増額して、売上を伸ばすための判断をすることが可能です。その逆もしかりで、ROASが低い広告に関しては、広告費をへらすか内容の見直しが検討されます。
参考URL:https://ecnomikata.com/ecnews/27445/
参考URL:https://www.nttcoms.com/service/b2b_marketing/glossary/roas/
参考URL:https://marketing-x.goo.ne.jp/blog/internetad/what-is-roas/
ROASの計算式
ROASの計算式は、売上÷広告費×100%です。具体例を出すと、以下のようになります。
- 200%(ROAS)=100万円(売上)÷50万円(広告費)×100%
100万円の売上に対して、50万円の広告費をかけたとすると、ROASは200%。つまり、広告費に対して200%のリターンがあったことがわかります。売上と広告費の関係性と費用対効果を明確に計算できることがわかるでしょう。
また、実際に広告宣伝する際に上記の式を活用して、必要な広告費や売上を概算することもできます。
- 150%(ROAS)=売上÷100万円(広告費)×100%
たとえば、広告費の予算が100万円で、ROASの目標を150%に設定するなら、必要な売上は150万円だということがわかります。
- 400%(ROAS)=100万円(売上)÷広告費×100%
また、予想する売上が100万円で、ROASの見込みが400%の場合、必要な広告費は25万円ということになるのです。このように、ROASは広告の費用対効果を求められる便利な指標だといえます。
参考URL:https://ecnomikata.com/ecnews/27445/
参考URL:https://www.nttcoms.com/service/b2b_marketing/glossary/roas/
参考URL:https://marketing-x.goo.ne.jp/blog/internetad/what-is-roas/
ROASのメリット・デメリット。商品単価の差が激しいようなビジネスモデルではCPAではなくROASを重視すべき。
ROASのメリットは、広告宣伝がどれだけ売上に貢献しているのかを具体的に測定できる点です。とくに広告宣伝が売上に貢献する割合が大きい商品・サービスのマーケティングを行う際に、役立つ指標だといえるでしょう。
特に商品単価の差が激しいようなビジネスモデルの場合、CPAではなくROASで考えていくと非常に有効です。
その一方で、ROASは利益を考慮していない点がデメリットです。売上が大きい商品・サービスでも、利益率が低い商品ばかり広告宣伝するのは非効率だといえます。
売上を求める場合と利益を求める場合とで、参考にする指標を使い分けましょう。
参考URL:https://ecnomikata.com/ecnews/27445/
参考URL:https://www.nttcoms.com/service/b2b_marketing/glossary/roas/
参考URL:https://marketing-x.goo.ne.jp/blog/internetad/what-is-roas/
ROASと似ている指標「ROI」
ROASと似ている指標に「ROI(投資に対する利益)」があります。ROIは利益÷投資額×100%で計算でき、投資額に対する売上額のリターンを求められるのが特徴です。
投資額に対する売上額のリターンを求めるのに便利な指標だといえます。
広告費に対する売上金額のリターンを求めたいならROAS、投資金額に対する売上金額のリターンを求めたいならROIを活用しましょう。
参考URL:https://ecnomikata.com/ecnews/27445/
参考URL:
参考URL:
CTCの特徴って?計算式と似ている指標
マーケティングの指標であるCTCは、英語の「Click to Conversion(獲得クリック率)」の略で、サイト流入後のコンバージョン率を求める指標です。
サイト内でクリックしたユーザーの中から、さらに商品・サービスの購入や有料の会員登録など、特定の実績を残したクリック率を割り出します。
CTCの値が大きいほど、コンバージョン率が高いことをあらわしています。
複数のサイトやページを比較して、コンバージョン率が高いサイトに改善するといった用途に使用されることが多いです。
参考URL:https://studio-ak.jp/marketing/web-ads-glossary.html
参考URL:https://www.life-escort.co.jp/contents/?p=6072
CTCの計算式
CTCの計算式は、コンバージョン数÷クリック数×100%で求められるのが特徴。
- CTC=100(コンバージョン数)÷1000(クリック数)×100%
たとえば、クリック数が1,000、コンバージョン数が100のサイトは、CTCが10%です。
目標のCTCを達成する、コンバージョン数やクリック数を割り出すこともできます。
- 50%(CTC)=50回(コンバージョン数)÷クリック数×100%
CTCを50%にし、コンバージョンを50と設定すると、クリック数は100回です。
- 40%(CTC)=コンバージョン数÷300回(クリック数)
CTCを40%にし、クリック数が300回と設定すると、コンバージョン数は120回となります。このように、CTCは総クリック数に対するコンバージョン率を割り出せる指標です。
参考URL:https://studio-ak.jp/marketing/web-ads-glossary.html
参考URL:https://www.life-escort.co.jp/contents/?p=6072
CTCと似ている指標「CVR・CTR」
CTCと似ている指標に「CVR(コンバージョン数率)」、「CTR(クリック率)」があります。CVRは目標達成率を求められ、コンバージョン数÷セッション数やページビュー数など、ユーザーの特定の行動におけるコンバージョン率を導く計算式です。
CTRは広告表示率をあらわし、クリック数÷広告表示数で求められます。
CTCはクリック数に対するコンバージョン率、CVRは特定の行動に対するコンバージョン率、CTRは広告表示数に対するクリック率を意味します・
どれもコンバージョン率を求める指標で、特定のコンバージョン率を目標に掲げている方が、コンバージョン率の達成度合いを確認・計算するのに役立つ計算式です。
参考URL:https://studio-ak.jp/marketing/web-ads-glossary.html
参考URL:https://www.life-escort.co.jp/contents/?p=6072
指標の違いと活用する場面を知って、マーケティング戦略に活かそう!
この記事では、CPAやROAS、CTCなどのマーケティング指標ごとの特徴や計算式、似ている指標との用途の使い分けについて紹介しました。
- CPA=広告費用÷コンバージョン件数
- ROAS=売上÷広告費×100%
- CTC=コンバージョン数÷クリック数
CPAは1件のコンバージョンに対する広告費用をあらわし、ROASは広告費に対する売上金額のリターンがどれほどかをあらわします。また、CTCはクリック数に対するコンバージョン率をあらわす指標です。
それぞれの指標は目的や活用するべき場面が異なります。最適な指標を用いて、マーケティング戦略の立案に活かしていきましょう。