「Zalo」はベトナムのIT企業VNGが開発したメッセージアプリで、2012年11月に正式にリリースされました。
全世界で1億人以上がダウンロードしていますが、ユーザーのほとんどはベトナム人が利用しています。 「Zalo」は、ベトナムでいうと日本の「LINE」みたいなものです。
家族や友達とチャットをするだけでなく、ビジネスシーン、会議、プロモーション戦略、オンラインショッピングなど、幅広く使われています。
プロモーション戦略にも使われるZaloは、旅行事業・IT事業を手掛ける株式会社エボラブルアジアや、ベトナムコカコーラ社と提携を結び、プロモーション活動を成功させています。
今回の記事では、大注目の「Zaloの概要」「プロモーション方法「プロモーションの事例」を解説していきます。
目次
Zaloとは

Zaloは、ベトナムで最も使われているメッセージアプリの1つです。
ベトナムのIT企業VNGが開発し、2012年8月に試作品が発表、同年の11月に正式版がリリースされました。 2012年11月に公式リリースされたZaloは、日本でいう「LINE」のようなアプリとして利用されています。
ベトナムでよく使われているアプリですが、ベトナム以外にもタイやフィリピンなどの東南アジアの国々でもZaloを利用されています。 ベトナムだけに留まらず他の国々でも使用されていることから、対応言語はベトナム語と英語です。日本語は設定されていないので、英語かベトナム語に抵抗感がなければ一度ダウンロードしてみましょう。
2022年の「We Are Social」では、ベトナムの16~24歳を対象にしたある調査を行っています。 調査内容は、ターゲット層が最も使われるソーシャルメディアのプラットフォームを把握する調査でした。 調査の結果、1位がFacebook、2位がZaloと発表しました。 他にもInstagramやTikTokなどの使用率も紹介されており、Facebookが93.8%、Zaloが91.3%でした。
データ結果からわかる通り、ベトナム人口のほとんどがZaloを使用していることがわかり、不可欠なアプリの1つです。
参考:https://datareportal.com/reports/digital-2022-vietnam
ベトナム人がZaloを利用する理由の1つとして、Zaloの便利性が挙げられます。 チャット機能はもちろん、電話機能や音声メッセージ、グループ機能にも対応しています。 Zaloはビジネスの場でも人気の高いアプリです。 アプリ内では、チャットや電話対応、資料やデータなども管理できます。
後ほど紹介しますが、株式会社エボラブルアジアやコカ・コーラと提携を結び、プロモーションを成功させています。
チャットやデータ管理だけでなく、Zaloでは、恋愛・教育・グルメなどのトピックニュースやニュースフィードが見ることができたりして、さまざまな便利機能が備わっているといえるでしょう。
他にもECサイトのZalo Shopは商品のオンライン販売が可能で、商品のカテゴリーや価格に合わせた掲載やプロモーションが行えます。
また、交通機関のチケット購入・予約ができるZalo Transport、ホテルの予約や支払いがモバイル決済できるZalo Pay、電話料金の支払いや、水道代・電気代などの公共料金の支払いもZaloで可能となっています。
Zaloはさまざまな分野に対応しており、Zaloを持っていれば、日常生活のほぼ全てをアプリ1つで完結させられます。
Zaloが人気の理由
『We Are Social』の発表で、最も使うソーシャルメディアのプラットフォーム第2位に選ばれたZaloですが、詳しい人気の理由はなんでしょうか?
Zaloをよく使う理由の中で、「友達とのつながり方が多様」「ECサイト、モバイル決済の充実」「仕事にも使える」の3つに分けて紹介します。
友達とのつながり方が簡単
まずZaloを使えば、友達と簡単につながれます。電話番号や友達追加をすれば、友達追加できますが、Zaloにはさらに簡単に繋がれるNearbyという機能があります。
Nearby機能は、ご近所さん検索というシステムで、近くにいるZaloユーザーを検索できる機能です。 Nearby機能をオンにしている者同士で近くにいると、自動的に友達として追加しチャットを始められます。
つまりNearbyのご近所さん検索があれば、さまざまな人とさらに簡単に繋がれるようになります。
ベトナム人は、友達作りにNearbyを使っていることが多いため、旅行や留学でベトナムに行く機会があれば、渡航前にZaloをダウンロードしておきましょう。 ベトナムに住んでいる人たちと繋がる可能性がより高くなります。
ECサイト、モバイル決済の充実
先ほども少し紹介しましたが、Zaloはチャット機能だけでなく、モバイル決済にも対応しています。モバイル決済Zalo Payは多くの企業とコラボしており、カフェ、コンビニ、通販サイトなどで使用できます。
またZalo内では、交通機関やホテルの予約ができたり、チケット購入ができたりします。
電話代、水道代、電気代などの、日常生活にかかる費用の取引もZaloで行えるため、Zaloと銀行を提携しておきましょう。
機能面が充実しているだけでなく、アプリの使いやすさもユーザに支持されていることから、多くのベトナム人に人気があります。
仕事にも使える
普段の日常生活に便利性を感じるZaloですが、実は仕事にも利用している方が多いです。
Zaloはパソコンでも使用でき、携帯で使うときと操作方法はあまり変わりません。 チャットだけでなく、Zaloはデータの共有や転送機能もついているため、ビジネスの場でもよく使われています。
『グループ』と呼ばれるZalo特有の機能を使用すれば、特定の人物だけにチャットができたり、データを共有したりすることもできます。
Zalo内で使用されている言語は、ベトナム語と英語なので、日本ではあまり使用されていません。
ですが、今後グローバル化が進む中で、多くの言語に対応するようになれば、日本でも使用する可能性が高くなるでしょう。
Zaloを使ったプロモーション方法
Zaloを使ったプロモーション方法「Zalo Ads」と「Zalo Shop」の2つ紹介します。
Zalo Ads
Zalo Adsは、ホームページ広告、動画商品広告、PR投稿など、さまざまな方法で広告を掲載できるシステムです。
しかし、GoogleやFacebookほどターゲティング精度が高くありません。
費用対効果は高くないため、認知度上げることを目的にして、広告を打つほうが効果的です。
Zalo Shop
次にZalo Shopを紹介します。先ほども紹介したとおり、Zalo Shopではオンライン販売が可能で、商品のカテゴリーや価格表示やカテゴリーに沿った掲載ができます。 Zalo Shopでは、問い合わせや個別メッセージのやりとりが可能です。
まず宣伝する商品を選び、表示させるターゲット層を細かく決めましょう。 年齢、性別、地域、好みなどを絞れば、さらに特定のターゲット層にリーチできます。
「We Are Social」の発表では、2022年ベトナムでのインターネットユーザーは人口の73.2%が使用と発表しています。 人口の7割がZaloを使用しているため、1つの効果的なプロモーション方法ではないでしょうか。
プロモーション事例、Zaloとの提携会社
ベトナムでZaloを使ったプロモーションは、1つの効果的な方法だとお伝えしました。 実際にZaloと提携したプロモーション活動を行い、輝かしい成果を残した企業を紹介します。
紹介する企業は、コカ・コーラ社と株式会社エボラブルアジアです。
コカ・コーラ社が行ったプロモーションは、独自で作ったスティッカーの『Emoticoke』を使ったブランディング戦略でした。 企画内容は、自撮りした写真をもとにオリジナルのスティッカーが作れ、Zalo上で使用できるサービスです。 コカ・コーラのスタンプシリーズでは、すべてのスタンプがコカコーラの缶にデザインされ、絵文字とそれに対応する表現がついています。 つまり、スタンプを送るときに、仮想のコーラ缶も一緒に送ることができます。
独自の顔写真で作るオリジナルスティッカーをSNSでシェアしてもらうことで、コカ・コーラ社独自で作った『Emoticoke』は、Zaloで1,000万ダウンロードを記録し、売上は30%上がりました。
次に、株式会社エボラブルアジアも、Zaloと提携しプロモーション活動を成功させました。
株式会社エボラブルアジアは、本社が東京にあるオンライン旅行事業、訪日旅行事業、ITオフショア開発事業と投資事業を行っています。 株式会社エボラブルアジアはZaloと提携し、Zalo Travelで海外航空券独占販売を開始しました。 独占販売に至った理由として、今後も事業拡大に期待ができるローカルサービスに注目したためです。
ベトナムマーケットにおいて、ベトナム語航空券サイトをリリースし、Zalo利用者がオンラインで航空券を予約購入できるようになりました。 購入時、購入後のやり取りもすべてZalo上で行えます。 すべての工程をZalo内で完了できるため、Zaloユーザーにとっても高い評価がつきました。 またZalo上で購入・予約などの履歴も見られる機能が備わっています。
Zalo内の公式アカウントに「Air Trip Vietnam」を作ることで、航空券販売や利用者のサポートが行えるようになり、よりZaloユーザーが快適に使えるようなシステムになっています。
Zaloと提携しプロモーション活動を行なっている会社を2つ紹介しました。ベトナム国内で、シェア率が高く圧倒的に多岐にわたる人々にリーチできる力は、今後も提携する会社が増えるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、ベトナムで人気のアプリZaloを紹介しました。
現在、数多くのアプリが開発され利用されていますが、料金の支払いやチケットの予約購入、航空券の入手、ニュース、チャットなど、さまざまなサービスを1つのアプリで網羅できるのは画期的な存在ですよね。
残念ながら、対応言語はベトナム語と英語のみになっているため、日本で利用されている可能性はまだまだ低いのです。 これから、グローバル化が注目される中、海外企業と提携する機会があれば、日本国内でもZaloを使用する可能性も考えられます。