オランダのデジタルマーケティングトレンド2022(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

オランダのデジタルマーケティングを知りたい

オランダで事業展開をしたいが、マーケティングはどうなの?オランダのマーケティングトレンドを知ってビジネスをしたい。そのようにお考えのあなたへ、この記事では2022年におけるオランダのデジタルマーケティングのトレンドについてご紹介します。

オランダの概要

人口約1,719万人
首都アムステルダム
男女比率女性50.2%:男性49.8%
都市人口率92.8%
公用語オランダ語
宗教キリスト教(34.9%)
無宗教(54.1%)

2022年2月現在、オランダの人口はおよそ1,719万人を超えています。オランダの人口は例年増加の傾向が見られます。また、男女比は50.2%が女性、49.8%が男性と、やや女性の方が多い結果です。オランダの人口の92.8%が都会に住んでおり、経済発展がされている国として考えられます。オランダで話されている公用語は、オランダ語です。ドイツ語にも似ているため、ドイツ語が分かればオランダ語も理解ができます。国民のほとんどが英語も話せるため、英語とオランダ語が主流の言語と言えます。オランダは無宗教の次にキリスト教が浸透している国で、キリスト教が34.9%を占めています。

オランダの主要産業は専門サービス業、小売、製造業などがあり、製造では食品や医薬品等が主な製造物とされています。オランダのGDPですが、2021年の名目GDPは57,000ドルでした。2020年には52,000ドルのため、増加傾向にありますが、2022年の推計が57,800ドルと下がる推計となっています。直近5年の数値は以下の通りです。

 2018年2019年2020年2021年2022年※
各目GDP(10億ドル)914.46910.30913.131018.681013.60
各目GDP(ユーロ)773.99813.06800.10860.72909.49
一人当たりの各目GDP(ドル)53224.6952672.5052456.0958292.4057835.73
一人当たりの各目GDP(ユーロ)45048.7947045.9145962.4449253.1451895.20
経済成長率(%)2.42.0-3.85.03.0
物価上昇率(%)1.602.671.122.835.18
失業率(%)4.884.444.854.234.00

※2022年の数値はIMFによる2022年4月時点の推計 

出展:IMF – World Economic Outlook Databases(2022年

オランダのデジタルマーケティング概況

オランダのデジタルマーケティングに関する情報をご紹介します。

インターネットユーザー数1,650万人
1日のインターネット使用時間5時間11分
スマホ普及率96.1%
スマホからのインターネット利用率89.6%

オランダにおけるインターネットユーザーの数ですが、2022年2月時点で1,650万人で、前年比50万人(+3.3%)増加したことを記録しています。総人口比で96%にあたる数字で、おおむね全ての人がインターネット利用環境にあると推測できます。このうち女性ユーザーが51.6%、男性ユーザーが48.%と、やや女性ユーザーが多くなっています。

1日あたりでインターネットを使用している時間は平均5時間11分に達しており、インターネット使用頻度が高いことがわかります。

また、スマホ普及率も96.1%と高く、インターネット利用者の89.6%はスマホからインターネットを利用しています。

オランダにおけるSNSユーザー数

オランダでは1,560万人のSNSユーザーが存在し、複数のSNSサービスを利用しています。それぞれの主要なSNSの人口について、確認しておきましょう。

対象SNSユーザー数
Facebook850万人
Youtube1,560万人
Instagram850万人
TikTok480万人
Facebook Messenger480万人
LinkedIn970万人
SnapChat610万人
引用:Meta,Google,Twitter,Tiktokなど各社のオープンデータ
対象SNS1カ月に利用する割合
Whatsapp88.6%
Facebook71.5%
Instagram58.9%
Facebook Messenger45.3%
LinkedIn38.8%
Pinterest32.7%
SnapChat28.3%
TikTok27.2%
Twitter25.5%
IMessage14.9%
Skype14.4%
Reddit11.8%
Discord11.2%
Telegram11.2%
Nextdoor6.7%
引用:TWI.com

Youtubeのユーザー数

オランダで最も利用者の多いSNSが、Youtubeです。世界最大の動画共有サイトであるYoutubeのオランダにおけるユーザー数は、インターネット利用者数94.5%の1,560万人となっています。18歳以上の広告リーチ数も18歳以上の人口の95%を超えるため、大きな影響力を与えると示しています。

Facebookのユーザー数

2022年時点で、オランダにおけるFacebookユーザー数は約850万人です。オランダの総人口の49.4%にリーチができると推測されています。それに対してFacebook Messengerは、オランダにおいて480万人のユーザー数と利用率が落ちてしまいます。

Facebookを活用する場合はメッセンジャーよりは、Facebook自体に向けたマーケティング対策が必要です。

Instagramのユーザー数

日本では有名なInstagramでのオランダのユーザー数は、2022年時点で850万人です。広告オーディエンスの54.5%は女性で、45.5%が男性となっており、男性よりも女性にとって有力なSNSであることがわかります。また「国内で人気のあるSNS」と「国内で最も使用されるSNS」のランキングにおいていずれも3位にランクインしています。

現在のオランダでは1年間で90万人の利用者が増えているため、今後のInstagramの可能性は大きいと考えられます。18歳以上の人口に対して57%のリーチとなるため、将来的にはInstagramのマーケティングも穴場かもしれません。

TikTokのユーザー数

短い動画を共有できる新興SNSのTikTokは、四半期プラス4.%の19,4万人増で、18歳以上のみのユーザー数で480万人に達しています。利用者の58.6%は女性です。他のSNSに比べて女性人気が高くなっている点が特徴です。

オランダにおけるインターネットユーザーの29.1%がTikTok利用者のため、まだこれから成長が期待できるSNSの1つです。

LinkedInのユーザー数

求人SNSとして有名なLinkedInのオランダのユーザー数は、970万人に達しています。

ビジネス向けサービスであるLinkedInは、18歳以上の広告リーチ数が69.5%と比較的高い数値を示しているため、18歳以上に向けた広告はリーチしやすいと考えられます。

SnapChatのユーザー数

SnapChatはアップした写真や動画が24時間で削除されるSNSです。オランダにおいて、WhatsappとFacebook Messengerの次のメッセージプラットフォームはSnapchatと知られるが、連絡を取るのに使われるより、Snapchatは近くにいる人との出会いや、知人と情報を共有することができ、魅力があるプラットフォームとなります。

オランダにおけるSnapChatのユーザー数は、610万人に達しています。他のサービスに劣りますが、全インターネットユーザーの37.0%にリーチするため、隠れたSNSプラットフォームと言えます。

Twitterのユーザー数

限られた文字数で発信することができるTwitterは、オランダにおいて420万人のユーザーを抱えています。広告のリーチ数については、オランダの人口の24.4%にリーチが出来ると示されています。こちらも他のSNS広告に比べるとリーチ数は劣るため、リーチ数を増やすためには別のSNS媒体を利用したほうが効率的と言えます。

検索エンジンシェア率

オランダにおける検索エンジンのシェア率は、Googleが93.7%以上を占めており、高いシェア率を維持しています。次にBingが検索エンジンとして利用されていますが、3.4%にとどまっており、Googleのシェア率が圧倒的となっています。Yahoo!もランキングには入っていますが、0.89%とGoogleには到底及ばないシェア率です。検索エンジンでの広告リーチは圧倒的にGoogleが一番と言えます。

検索エンジンシェア率前年比
Google93.78%-0.8%
Bing3.4%+2.4%
Baidu0.02%+100%
Yahoo!0.89%+43.5%
Yandex0.32%+33.3%
DuckDuckGo1.01%+24.7%
Ecosia0.37%+15.6%
その他0.21%+50.0%
引用:Statcounter

オランダの検索言語

オランダの公用語はオランダ語です。その為に検索キーワードも大半がオランダ語で検索されています。海外の情報を仕入れるにあたっては主に英語で検索されているケースが多いため、英語があればオランダの大きなシェア率は獲得できると考えられます。オランダ語と英語の両方で検索できるようになれば、大きなシェア率を維持できますが、英語だけでも十分と言えます。

新しい商品・ブランドを何で最初に知るか

テレビCM34.8%
検索エンジン34.3%
口コミ30.8%
オンライン小売サイト24.3%
SNS21.7%
引用:GWI.com

オランダで新しい商品やブランドを認知するには、テレビCMか検索エンジンが最も認知される媒体です。付随して口コミも最初に知るきっかけとなっています。オランダでは34.8.8%のユーザーがテレビCMで新しい商品やブランドを知り、34.3%が検索エンジンで新しい情報を取得しているというデータが出ています。ブランド認知を高める上でテレビCMと検索エンジン広告を打つことが多くのユーザーにヒットしやすいと言えます。

商品・ブランドを何を通じて調べるか

検索エンジン59.2%
価格比較サイト40.2%
消費者サービス38.1%
ブランドウェブサイト29.7%
SNS21.4%
引用:GWI.com

ブランド認知がテレビCMや検索エンジンでされている中、ブランドについて自ら調べる場合も検索エンジンで行われています。59.2%が検索エンジンで自ら調べており、40.2%は価格比較サイトも利用しているため、検索エンジンと価格比較サイトの2つを網羅すると、効率的な手法として活用できます。

デバイスの比率(PC・スマートフォン・タブレット)

オランダにおけるスマホ保有率は、96.1%と非常に高いと言えます。スマホ保有率の高さに対して、パソコンの保有率も78.5%とある程度の保有者はいます。タブレット保有率も52.8%のため、国民の約半数はスマホ、パソコン、タブレットの3台持ちと言えるでしょう。ただし、パソコンの保有率とタブレットの保有率は連続的に下回っており、今後はスマホ保有率が高くなってくることが予想できます。

デバイス流入シェア前年比
モバイル42.08%+3.1%
デスクトップ55.02%-1.5%
タブレット2.87%-12.5%
その他0.02%-50%
引用:Statcounter

まとめ

オランダでは発展国として、すでにインターネットの普及も広がっています。特にスマホの普及率は非常に高く、9割以上の国民がスマホを使いこなしているのが現状です。

インターネットもスマホを経由して検索エンジンで検索することが多く、あらゆる情報は検索から価格比較サイトを見ている様子も伺えます。

スマホユーザーと検索エンジンを考慮したデジタルマーケティングが、オランダでは必要です。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター