Matomoとは。GDPRに対応した欧州版Google Analyticsとして注目を集める

自社のオウンドメディアや管轄するWebサイトへの読者の流入や商品・サービスの購入率を分析して、コンテンツの内容を改善していくためには解析ツールが必要になります。

よく耳にするGoogle Analyticsだけでなく、Matomoといったツールの活用を検討することで、Webサイトのコンテンツをより詳しく分析し、改善することができるでしょう。

本記事では、Matomoというツールの概要や選ばれる3つの理由、Google Analyticsとの違い、プライバシー法を遵守するべき理由について見ていきます。

Matomoとは?サービスの概要

Matomoとは、世界中の企業や個人、政府機関などに利用されているWebサイトのオープン解析プラットフォームです。

Web解析ツールとしてよく知られているGoogle Analyticsと似通った部分もありますが、セキュリティ性や使いやすさの面など、Matomoが選ばれる理由があります。

Google AnalyticsはGT4へのアップデートがなされますが、蓄積されたWebサイトのデータをインポートする機能がなく、アップデート以降のデータと比較ができません。

そのため、Google Analyticsのアップデートに伴い、Matomoへの移行を検討している企業の担当者の方も多いのではないでしょうか?

ここからは、Matomoが選ばれる理由について具体的に紹介します。

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Matomoが選ばれる3つの理由

Matomoが選ばれる理由には、使いやすさとカスタマイズ性の高さ、無料で使える気軽さなどが挙げられます。Matomoを利用する理由について確認していきましょう。

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無償で使えるソフトウェア

Matomoは、GPLライセンス(フリーソフトウェア向けのライセンス)を採用しており、無償で利用できるソフトウェアとして知られています。より精巧なアナリティクスを無料で使える点が、日本だけでなく世界でユーザー数が増えている理由だといえるでしょう。

セキュリティが強いオンプレミス型

Matomoはセキュリティ性の高いオンプレミス型のシステムで、公官庁や大企業のWebサイト分析にも広く使われている信頼性の高いツール。

オンプレミス型は、自社でカスタマイズして開発・運用できるので、セキュリティ性やカスタマイズ性が高いシステム・サービスだと言われています。

パブリッククラウドのように、他のサービスとクラウドのシステムを共有して運用することはないので、セキュリティが堅牢です。

カスタマイズ自由でコミュニティも豊富

Matomoは、オープンソースのサーバーインストール型アクセスログ解析ツール。ユーザーインターフェースの拡張やカスタマイズも自由にできます。日本語にも対応しているので、操作方法がわかりやすく、カスタマーサポートも充実している点がポイントです。

個人や企業にとってベストな状態にカスタマイズし、ツールを最大限に活用できます。

MatomoとGA4の違い

MatomoとGoogle Analyticsの新バージョンGA4の違いは、ユーザーインターフェースや分析機能の違い、GA4やプライバシー法を遵守した設計になっているかといった点です。

この章では、MatomoとGA4との具体的な違いについて見ていきましょう。

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ユーザーインターフェースが使いやすい

Matomoの特徴は、ユーザーフレンドリーなUIです。たった5分でインストールでき、旧バージョンから新バージョンにアップデートできる気軽さだけでなく、気になる分析データを選別し、自由に管理画面をカスタマイズできる柔軟性も大きな魅力だといえます。

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高度な分析機能を使える

Matomoは高度なデータ分析ができる点で、多くの事業者や企業に信頼されています。一般的なWebサイト分析では、訪問数やコンバージョン率、KPIをトラッキングでき、Eコマースサイトのコンバージョン率や商品に関する統計情報を活用可能です。

Webサイト上の詳細なデータを追跡できるので、サーバートラッキングするのにも最適で、組織内のプライバシー要件を保守しながらのイントラネット解析も行えます。

プライバシー法を遵守している

Matomoは外国のプライバシー法を遵守したサービスです。GDPRやCCPAなどの欧米のプライバシー法を遵守しながら、サイト解析を行える点が特徴です。

プライバシー法の遵守が求められる政府系サイトや大企業のWebサイトの分析にも広く活用されている点が、GD4との大きな違いといえるでしょう。

GDPRとは?

GDPRは「General Data Protection Regulation(一般データ保護規則)」という英語の頭文字をとった言葉で、EU域内のデータ保護に関する法律です。

GDPRは、EUの居住者に関する以下のような情報を取り扱う際に適用されます。

  • 氏名
  • メールアドレス
  • 住所
  • 位置情報
  • IPアドレス
  • Cookie ID

非公式には、SNSへの投稿や写真、取引履歴もGDPRによるデータ保護の対象に該当すると考えられており、EUとのビジネスを行う際の障害となる可能性が高いです。

過去にはGoogleがフランス当局によって5,000万ユーロの罰金を課されたという事例があり、日本企業も欧米企業とのインターネットビジネスのあり方が問われています。

ビジネス上のWeb解析を行う際にも、ユーザーがEUの居住者を対象とする分析であれば、GDPRに遵守したMatomoなどのサービスを利用すべきだといえるでしょう。

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CCPAとの違いは?

GDPRと同列に語られることが多い言葉に「CCPA」があります。CCPAは「カリフォルニア州消費者プライバシー法」を意味し、カリフォルニア州の住民を対象としたプライバシー保護法です。GDPRがEU域内の全ての住民を対象とした法律であるのに対して、CCPAは州内の住民のみを対象とした法律となっています。

CCPAは2020年1月に施行された比較的新しい法律で、他の州でも同様の法律が可決され、より個人情報の取扱いがシビアな時代になっていくことが予想されています。

CCPAの法律は、非営利団体でも個人情報の販売を行う組織は対象となり、幅広い組織にCCPAを遵守した個人情報の取扱いを求められる点が大きなポイントです。

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プライバシー法の遵守が重要視される理由

GDPRもCCPAも、域内の住民の個人情報を保護し、その個人情報やデータを取り扱う海外企業に対して、より厳格に対応するための法律だといえます。プライバシー法に遵守し、企業情報のセキュリティ性も高いMatomoを利用する利点は大きいでしょう。

法律違反で多額の賠償金を支払うケースを回避するためにも、プライバシー法を遵守したツール・サービスを利用することを心がけましょう。

GDPRを遵守しながらWebサイト解析するならMatomo

この記事では、Webサイト分析ツールのMatomoの概要とGoogle Analytics(GA4)との違い、プライバシー法を遵守するべき理由について解説しました。

欧米におけるプライバー保護法GDPRやCCPRを遵守しながら、安心・安全にインターネット上でビジネスを展開したいなら、Matomoを利用するのがおすすめです。

ユーザーフレンドリーなUIや多様な分析機能、セキュリティ性の高さをほこり、世界中の大企業や政府系のサイトで使用されている安心・信頼のサービスだといえます。

インターネットビジネスに必須のWebサイト解析を外国の法律を遵守しながら実行するなら、Google AnalyticsのGT4だけでなく、Matomoの導入・活用も検討してみましょう。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター