韓国の2022年のデジタルマーケティングトレンド(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

本記事では、2022年時点の韓国のデジタルマーケティングの状況や、各種SNSサービスの利用状況やデジタルデバイスやデジタルサービスの利用状況をご紹介します。

韓国とは(人口、言語、宗教、GDPなど)

韓国の公用語は韓国語です。 仏教(約762万人)、プロテスタント(約968万人)、カトリック(約389万人)などです。 ※出典:2015年、韓国統計庁 

韓国の2022年1月の総人口は5,132万人で、人口は2021年から2022年の間に3万人(+ 0.06パーセント)増加しました。人口の50.0%は女性であり、人口の50.0%は男性(※)。 2022年の初めには、人口の81.5%が都市部に住んでいたのに対し、18.5%は地方に住んでいます。 ※性別データは現在、「女性」と「男性」でのみ利用できます。 

韓国の人口全体の平均年齢は、44.8歳です。年代別の人口構成比は以下の通りです。 

年齢 人口構成比 
0~4歳 3.4% 
5~12歳 6.9% 
13~17歳 4.5% 
18~24歳 7.6% 
25~34歳 13.3% 
35~44歳 14.5% 
45~54歳 16.5% 
55~64歳 15.9% 
65歳~ 17.4% 

韓国のGDPは、2020年に新型コロナウイルス感染症蔓延の影響でマイナス成長となったものの概ね伸長しています。 直近5年の数値は以下の通りです。 

 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年(※) 
名目GDP(10億USドル) 1,725.37 1,651.42 1,638.26 1,798.54 1,804.68 
名目GDP(10億韓国ウォン) 1,898,192.60 1,924,498.00 1,933,152.40 2,057,447.70 2,165,708.28 
一人当たりの名目GDP(USドル) 33,433.17 31,936.80 31,638.46 34,801.09 34,994.20 
一人当たりの名目GDP(韓国ウォン) 36,781,950.10 37,217,783.22 37,333,541.60 39,810,760.18 39,810,760.18 
経済成長率(%) 2.91 2.24 -0.85 4.02 2.54 
物価上昇率(%) 1.48 0.38 0.54 2.50 3.96 
失業率(%) 3.83 3.78 3.94 3.68 3.58 

※ 2022年の数値はIMFによる2022年4月時点の推計 

出展:IMF – World Economic Outlook Databases(2022年4月版) 

韓国のデジタルマーケティング概況

韓国のインターネット普及率は、2022年の初めに総人口の98.0%でした。Kepi​​osの分析によると、インターネットユーザーは2021年から2022年の間に543千人(+ 1.1%)増加しましたが、103万人が2022年の初めにインターネットを使用せず、人口の2.0%が年初にオフラインのままでした。ただし、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延がインターネット普及に関する調査に影響を与えているため、実際のインターネットユーザー数はこの公表数値よりも高い可能性があります。 

インターネット接続速度

インターネット接続スピードテストを提供しているOokla社の発表では、韓国の携帯電話ネットワーク経由のモバイルインターネット接続速度の中央値は104.98Mbpsで、前年より19.42Mbps(+22.7%)速度が速くなりました。 

固定インターネット接続速度の中央値は 98.86Mbpsで、前年より7.15Mbps(+7.8%)速くなりました。 

SNSシェア率

韓国の2022年1月時点でのソーシャルメディア(SNS)ユーザーは4,681万人で、前年比100万人(+2.2%)増加しました。2022年初頭のソーシャルメディアユーザー数は、全人口の91.2%相当(※)で、非常に高い数字です。このうち女性ユーザーが50.1%、男性ユーザーが49.9%と、ほぼ同じぐらいです。

1日の平均SNS利用時間は1時間13分で、1ヶ月の利用SNS数は平均4.9プラットフォームとなっています。

SNSを利用する主な目的は、60.7%が「友人や家族と連絡を取るため」で、58.6%が「暇つぶし」、47.4%が「新しいコンテンツを探すため」としています。

※ソーシャルメディアユーザー数と個人は一対(いっつい)にならない場合があります。 

対象SNS1カ月に利用する割合
Kakaotalk87.2%
Instagram63.3%
Facebook52.5%
Kakaostory30.6%
Twitter27.5%
Facebook Messenger25.8%
TikTok19.5%
Line18.3%
Snow16.6%
IMessage12.3%
Pinterest11.2%
Discord9.1%
Telegram9.1%
Skype5.7%
Tumblr5.1%
引用:GWI.com

カカオトークユーザー数

カカオトークの2021年第3四半期の投資家収益発表で発表された数字の見通しでは、2022年の年初の月間アクティブユーザー数は4,681万人で、総人口の91.2%(※)だと発表されました。カカオトークは、2022年初頭のアクティブユーザー数で韓国のトップソーシャルメディアプラットフォームでしたが、現時点で韓国がプラットフォームの全グローバルアクティブユーザーベースの86.4%を占めていることを強調する価値があります。 

カカオトークはアクティブユーザー数で、韓国トップのソーシャルメディアプラットフォームですが、またカカオトークの世界全体のアクティブユーザー数の86.4%を占めていることも特徴的です。 

※本数字は韓国の総人口の91.2%に相当しますが、この数字には重複するアカウントが含まれている可能性があります。 

Facebookユーザー数

Facebookを提供するMetaの広告リソースで公開されているデータによると、2022年の年始のFacebookのユーザー数は1,065万人でした。Facebookは利用を13歳以上に限定しているため、「利用対象ユーザー」のみに限定すると総人口の20.8%がFacebookを利用しています。 

Facebook広告のリーチは、総人口の23.1%で広告利用者の男女比は、女性が40.5%、男性が59.5%(※)、Facebookの広告リーチは、2022年1月時点でインターネットユーザー(年齢不問)の50.4%相当でした。 

※Meta社の広告リソースは、「女性」「男性」ユーザーのオーディエンス性別データのみを公開しています。 

YouTubeユーザー数 

Googleの広告リソースによると、2022年の年始のYouTubeのユーザー数は4,640万人で、YouTubeの2022年の広告リーチは年初の総人口の90.4%相当です。2022年1月のYouTubeの広告は、韓国の全インターネットユーザー(年齢不問)の92.3%に到達しています。また、YouTubeの広告視聴者は女性が50.1%で、男性が49.9%(※)でした。 

※Googleの広告リソースは、「女性」と「男性」のユーザーのオーディエンス性別データのみを公表しています。 

Instagramのユーザー数 

Metaの広告ツールで公開されているデータによると、2022年の年始のInstagramのユーザー数は2,065万人でした。同データによると、Instagramの広告リーチ(到達率)は、総人口の40.2%相当でした。Instagramは利用を13歳以上に限定しているため、「利用対象ユーザー」のみに限定すると総人口の44.9%がInstagramを利用しています。 

また、2022年の年初のInstagramの広告到達率は、韓国の全インターネットユーザー(年齢不問)の41.1%相当でした。また、Instagram広告の利用者は、女性が53.3%で、男性が46.7%(※)でした。 

※Metaの広告リソースは、「女性」「男性」ユーザーのオーディエンス性別データのみを公開しています。 

TikTokユーザー数

TikTokを運営するByteDance社の広告リソースによると、2022年の年始の18歳以上のTikTokのユーザー数は489万人でした。ByteDanceでは、18歳以上のユーザーのオーディエンスデータしか表示されません。ByteDance(※1)の数値によると、2022年の年初にTikTok広告は、18歳以上の全成人の11.2%にリーチしました。 

一方、韓国のTikTokの広告到達率は、年齢に関係なく、年初に現地のインターネットユーザー層の9.7%相当です。2022年年始のTikTokの広告利用者は女性が57.0%、男性43.0%(※2)でした。 

※1 ByteDanceとは、動画共有サービスTikTokなどを運営する中華人民共和国のテクノロジー企業。 

※2 ByteDanceの広告リソースは、「女性」「男性」ユーザーのオーディエンス性別データのみを公開しています。 

Facebookメッセンジャーのユーザー数 

Metaの広告リソースで公開されているデータによると、2022年の年始のFacebook Messengerの広告が445万人のユーザーでした。Facebook Messengerの広告リーチは、2022年の年初では総人口の8.7%でした。Facebook Messengerは利用年齢を13歳以上に限定しているため、「利用対象ユーザー」のみに限定すると8.8%に達しています。Facebook Messengerの広告到達率は、現地のインターネットユーザー(年齢不問)の8.8%相当です。2022年の年初でのFacebook Messengerの広告オーディエンスは、女性が39.8%で、男性が60.2%(※)でした。 

※Metaの広告リソースは、「女性」「男性」ユーザーのオーディエンス性別データのみを公開しています。 

※Facebook Messengerの広告フォーマットの一部は現在フランスのマーケティング担当者が利用できないため、プラットフォームの広告リーチの数値は同国のプラットフォームの総アクティブユーザーベースよりもかなり低くなっている可能性があります。 

LinkedInユーザー数

LinkedInの広告リソースで公開されている数字によると、2022年の年始のLinkedInのユーザーは320万人でした。LinkedInの広告ツールは、他のSNSプラットフォームが公表する広告リーチの数値の基礎となる月間アクティブユーザーではなく、総登録会員に基づくオーディエンスリーチデータを公表しているため、この記事でご紹介している他のSNSプラットフォームの数値と直接比較できない点にご注意ください。 

LinkedInのオーディエンスは、総人口の6.2%相当です。LinkedInは利用年齢を18歳以上に限定しているため、「利用対象ユーザー」のみに限定すると2022年中にLinkedInの利用ユーザーは7.3%まで伸長する可能性があります。 

LinkedInの広告リーチは、インターネットユーザー(年齢問わず)の6.4%相当で、2022年の年初のLinkedInの広告利用者は、女性が49.5%、男性が50.5%(※)でした。 

※LinkedInの広告リソースは、「女性」「男性」ユーザーのオーディエンス性別データのみを公開しています。 

Twitterユーザー数

Twitterの広告リソースで公開されている数字によると、2022年の年初のTwitterのユーザーは720万人で、広告到達率は総人口の14.0%相当でした。ただし、Twitterは利用年齢を13歳以上に限定しているため、「利用対象ユーザー」のみに限定すると15.6%相当です。 

補足すると、Twitterの広告到達率はインターネットユーザー(年齢不問)の14.3%でした。 

2022年の韓国におけるモバイル接続状況 

GSMA Intelligenceのデータによると、2022年の年初のセルラーモバイル接続数は6,292万でした。世界中で多くの人が複数のモバイル接続を利用しており、例えば個人用と仕事用の端末を保有するなど、モバイル接続数は総人口の数値を大きく上回ることもあります。GSMA Intelligence社が公表したデータによると、韓国のモバイル接続数は2022年1月に総人口の108%相当で、2021年から2022年にかけて122.6%(+1.1%)増加しました。 

検索エンジンシェア率

検索エンジンのシェアは、Googleが78.03%で大半を占めており、次いでBINGが2.04%、Yandexが0.19%、DuckDuckGoが0.16%、Yahoo!0.47%、Baidu(百度)が0.18%、Ecosiaが0.01%、その他が018.92%でした。 

新しい商品・ブランドの認知経路

新しい商品やブランドの認知経路や認知経路のシェア率は、以下の通りです。 

ブランドの認知経路 認知経路のシェア率(%) 
検索エンジン 36.7% 
テレビ広告 34.0% 
口コミサイト 29.7% 
消費者レビューサイト 23.8% 
製品比較サイト 20.8% 
テレビ番組や映画 19.8% 
モバイルアプリの広告 18.3% 
店内ディスプレイとプロモーション 16.7% 
専門家ブロガーによるレビュー 15.8% 
ソーシャルメディア広告 15.5% 
ウェブサイト広告 15.5% 
ブランドサイト 14.5% 
ソーシャルメディアコメント 13.3% 
オンライン小売サイト 12.5% 
プレロールオンライン動画広告 12.0% 
引用:GWI.com

商品・ブランドの購入までの行動

韓国で商品を購入するまでの行動は、以下の通りです。 

・ネットでブランドをリサーチしてから購入する 60.8% 

・購入前の30日以内に、ブランドのウェブサイトを訪問 44.8% 

・購入前の30日以内にウェブサイト上のバナー広告をクリックまたはタップ 13.2% 

・購入前の30日以内に、スポンサー付きソーシャルメディアの投稿をクリックまたはタップ 9.8% 

・過去30日以内にブランドのモバイルアプリをダウンロードまたは使用 13.2% 

また、16歳から64歳までのインターネット利用者が、オンラインでの購入動機になるものを回答した割合は以下の通りです。 

購入動機 購入動機のシェア率(%) 
検索エンジン 50.9% 
価格比較サイト 33.7% 
消費者レビュー 27.0% 
モバイルアプリ 25.5% 
ブランドサイト 23.2% 
ブランド&製品ブログ 22.6% 
ソーシャルネットワーク 22.3% 
割引クーポンサイト 16.7% 
動画サイト 15.8% 
Q&Aサイト 14.3% 
専門家レビューサイト 10.8% 
フォーラム&メッセージボード 8.5% 
ブログ 7.9% 
マイクロブログ 4.1% 
メッセージング&ライブチャット 4.0% 
引用:GWI.com

デバイスの比率(PC、スマートフォン、タブレット)

16歳から64歳のインターネット利用者のうち、各種デバイスを所有している人の割合は以下の通りでした。 

デバイスシェア率 前年比 
携帯電話全般 96.8% -0.1% 
スマートフォン 96.6% -0.1% 
フィーチャーフォン 1.8% -35.7% 
ラップトップやデスクトップ端末全般 76.9% -5.7% 
タブレット端末 36.5% +7.7% 
ゲーム機 13.9% -16.8% 
スマートウォッチ/スマートリストバンド 20.8% +14.3% 
TVストリーミング端末 8.2% -18.8% 
スマートホームデバイス 10.3% -3.7% 
バーチャルリアリティ端末 4.5% -13.5% 

まとめ

韓国のインターネット普及率は、2021年から2022年にかけても1.1%伸長し、2022年の年初では総人口の98.0%と非常に高い普及率です。 

・SNSユーザーは4,681万人で全人口の91.2%に相当し、インターネット同様に高い普及率です。各SNSの普及で特徴的なのは、カカオトークで2022年の年初の月間アクティブユーザー数は4,681万人で、総人口の91.2%が利用しており、またカカオトークのアクティブユーザーでも韓国が86.4%を占めているなど、韓国独自のSNSと言えます。 

・新たなブランドや商品の認知経路としては、検索エンジンが50.9%、価格比較サイト33.7%、消費者レビューが27.0%とオンラインで商品の価格やレビューを参考に商品を認知し購買に至るなど、韓国においてもデジタルマーケティングの重要度が増しています。 

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター