海外SEOで重要な概念のWebページの表示速度。サイトスピード改善方法からCDN、CloudFlareをご紹介 

集客効果の高いWebサイト運営において、サイトスピードを高速化することは必須の取り組みと言えます。他のサイトに比べて表示速度が著しく遅い状態が続いていると、SEOの面でもマイナス効果が表れる可能性もあります。 

今回は、サイトスピードの改善に取り組むべき理由や、具体的な改善方法について、解説していきます。 

Webサイトの表示速度にこだわるべき理由 

Webサイトがどれくらいのスピードで表示されるかについては、企業のホームページを閲覧していると様々であることがわかります。表示速度を高めた方が良い具体的な理由として、以下の2つの点が挙げられます。 

SEOに影響があるため 

一つ目の理由は、SEOへの影響です。Google検索エンジンでは、2020年に行われたコアアップデートにより、サイトアクセスの際にかかる時間が検索順位を決定する上で重視するという仕様に変更されています。 

もちろん、ページの表示速度は検索順位を決定づける指標の一つに過ぎず、コンテンツの品質やドメインの信頼性の方が重視される傾向にあります。それでも、露骨にアクセスの際に時間を必要とするWebサイトは、そうでないサイトに比べて順位が下がってしまう重みづけが行われています。 

SEO対策において、サイトスピードにも気をつける必要が出てきている点には注目です。 

UXの改善につながるため 

Webサイトの表示速度が遅いと、単純にユーザーエクスペリエンス(UX)の面で悪影響を及ぼすことがわかります。特に競合の多い検索ワードを扱っているサイトだと、よほどサイトコンテンツにオリジナリティがなければ、ユーザーは競合の別のサイトを利用しようという判断を選ぶことは想像に難くありません。 

逆にUXをできる限り高めていくことで、使いやすく、居心地の良いサイトとして回遊率を高め、何度も訪問してくれるきっかけを作ることができます。UX体験の改善は、そのままSEO対策にも繋がってくるでしょう。 

海外SEOを考えるうえではサイト表示スピードは特に重要

海外からのアクセスを考えると、サイト表示スピードは重要です。
特に、北米や欧州などは日本からはどうしても物理的な距離があり、かつ、現地での通信環境が整っていない等の状況が考えられるため、サイト表示スピードが遅くなる可能性があります。

サイト表示スピードが遅いと上に記載の通りGoogleの検索順位が落ちることやユーザーの離脱につながってしまいます。

サイトスピードを測る上での指標

サイトスピードの速度についての重要性は上記の通りですが、それではサイトスピードが早いかどうかというのは、どのようにして判断すれば良いのでしょうか。サイトスピード測定の指標としては、以下の3つの指標が採用されています。 

これらの指標はいずれも後ほどご紹介するサイトスピード測定ツールのGoogle Pagespeed Insightsで用いられており、スピード改善の際には多くの企業が参考にしています。 

LCP(Largest ContentfulPaint) 

1つ目の指標は、LCPと呼ばれるものです。これはページ内で最も大きなコンテンツが表示されるまで、どれくらいの時間がかかっているかを表す数値です。 

優れたUXを実現する上では、LCPはおよそ2.5秒以内がベターとされています。それより多くの時間を必要としてしまうと、サイト内の全てのコンテンツを感覚的に把握することが難しくなり、ユーザー体験にも悪影響を及ぼします。 

ユーザー体験に優れていないと、Googleにとっても適切なサイトコンテンツをユーザーに届けることができなかったとして、そのサイトは順位を落としてしまうことになります。SEOで意識すべきは、やはりどれだけユーザーファーストなサイトづくりができるかどうかにかかっていると言えるでしょう。 

FID(First Input Delay) 

2つ目の指標はFIDです。FIDはユーザーがサイトを訪問し、サイト内でボタンやリンクをクリックした際、その操作に対してブラウザが反応するまでにどれくらい時間を必要としているかを数値化したものです。 

Google Pagespeed Insightsにおいては、100ミリ秒以下の反応速度であることを推奨しており、それよりも時間がかかってしまうと改善の余地があると評価されます。

CLS(Cumulative Layout Shift) 

CLSは、サイト内でレイアウトシフトが発生した回数を数値化したものです。レイアウトシフトというのは、ページを読み込む際に発生する、画像や広告といった、重量のあるコンテンツの位置がズレて表示される現象を指します。 

レイアウトシフトの回数が少なければ少ないほど、サイトの表示に負荷がかかっていないということになるため、評価としては良いものになります。Google Pagespeed InsightsではスコアとしてCLSが表示され、小さければ小さいほど良いとされています。推奨スコアは0.1以下で、それよりも大きくなってしまうと改善の余地があるとみなされます。 

なぜWebサイトの表示速度が低下するのか 

それでは、なぜWebサイトの表示速度はそれぞれで大きく変わってくるのでしょうか。最も大きな理由としては、サイトそのものの重さによって表示の遅延につながっていることが考えられます。 

サイトが重くなる要因としては、主に以下の3つの要素が挙げられます。 

画像の問題 

Webサイトが重くなる最もポピュラーな原因の一つが、画像です。高品質な画像を掲載することそのものは悪いことではありませんが、画像に何らかの処理を施さなければ、データ量が大きすぎるあまり、サイトが重くなる原因となってしまいます。 

フォーマットが最適化されていない、Webサイトに掲載するにはあまりに高画質すぎるといった改善点や、縦横のサイズが指定されていない、遅延対策が施されていないなどの問題が挙げられます。

コーディングの問題 

2つ目はコーディングの問題です。HTMLやJavascriptを書き込んでいく際、余計なコードを書いてしまうと、その分読み込み速度に悪影響を与えてしまいます。 

画像に手を加えても改善が見られない場合、コードの処理に時間がかからないよう、最適化されているかどうかを見直さなければなりません。 

フォントの問題 

3つ目に、フォント指定の問題です。Webフォントと呼ばれる、あらかじめサーバーに用意されているフォント、あるいはネット上で配布されているフォントを呼び出す技術を実装することで、表示機種に依存しないフォント表示を実現できます。 

サイト表示に遅れが出ている場合、フォントの読み込みに時間がかかっている場合があります。Webフォントが適切に読み込める環境かどうか、確認しておきましょう。 

サイトスピードを計測するためのツール 

サイトスピードを計測するためのツールとしては、以下の3つがポピュラーです。それぞれ活用を進めましょう。 

Google Pagespeed Insights 

一つ目は、Google Pagespeed Insightsです。サイトスピード計測における最も主要なサービスで、様々な指標をURLを入力するだけで表示してくれるため、非常に便利です。 

表示された結果は一目で確認できるように数値化された情報であるだけでなく、どういった部分が原因でサイトの表示が遅くなっているか、ということもある程度把握できるため、改善点を迅速に発見できるのも強みです。 

サイトスピードを改善したい場合、ひとまずGoogle Pagespeed Insightsを使いながら、ここで表示される要件を全てクリアできるように取り組むと良いでしょう。 

Googleサーチコンソール 

Googleサーチコンソールは、Googleが提供しているWeb分析ツールです。読み込みの遅いページの有無や、どれくらいのスピードが出ているのかを、わかりやすい指標で教えてくれます。 

GoogleサーチコンソールはSEO対策に必要な情報やレポートを様々な方向性から取得できるため、それらと併せて確認するような使い方がおすすめです。 

サイトスピードを改善するためのアプローチ 

サイトスピードを計測した後、改善の余地があることがわかった場合、どのように施策を進めていけば良いのでしょうか。最後にサイトスピードの改善につながる具体的なアプローチについて、ご紹介します。 

サイトの軽量化に努める 

まずは、上述した画像やコーディングが原因で発生している速度低下を改善しましょう。読み込みが遅い時は、大抵の場合この要因を全て排除することで、適切なスピードを得られます。 

サイトを軽量化して、モバイルデバイスでも楽に表示できる仕様へ改善しましょう。 

サーバーの設置地域を見直す 

海外向けにWebサイトを展開する場合、サーバーをターゲット国、あるいはその周辺エリアに設置して運用することが有効です。 

サーバーがどれだけユーザーと離れているかは、サイト表示の良し悪しへ大いに直結します。海外のサイトを訪問した際、繋がりにくい体験をしたことがあるひともいるかと思います。 

日本よりも海外のサイトの方がつながりにくいのは、サーバーの設置場所が関係しており、日本にサーバーがないことに起因しています。 

CDN(Content Delivery Network)で負荷分散を行う 

アクセスの多いサイト、あるいは動画などの容量の大きいコンテンツを扱うサイトにおいては、CDNを利用した運用が有効です。CDNはContent Delivery Networkの略称で、配信サーバーへの負荷を分散し、軽量な表示を実現する仕組みです。

単体のサーバーへの負荷を抑え、スピーディなコンテンツ配信を実現します。

CDNおススメツールの「CloudFlare」 

CloudeFlareはCDNの代表格で、無料で使うことが出来ます。

本来CDNは大規模なリクエストを円滑に処理するように生まれたサービスなので、小規模なWebサイトで導入する事はあまりありませんでしたが、こちらのCloudeFlareは無料で使用できるため非常におススメなツールです。

海外製品のため、もちろん海外対応もしています。

おわりに 

サイトスピードはユーザーの体験へ大きく影響するだけでなく、SEOの観点からも重視されています。サイトスピードを改善するためには、現在のサイトの読み込み速度を数値化し、改善点を探るところから始めなければいけません。 

自社サイトのパフォーマンスを理解し、最適な解決策を実行しましょう。

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この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター