カナダのデジタルマーケティングトレンド2022(Web/SNS事情/EC、マーケット傾向分析)

カナダのデジタルマーケティングを知りたい。

カナダで事業展開をしたいが、マーケティングはどうなの?

カナダのマーケティングトレンドを知ってビジネスをしたい。

そのようにお考えのあなたへ、この記事では2022年におけるデジタルマーケティングのトレンドについてご紹介します。

カナダの概要

人口約3,823万人
首都オタワ
男女比率女性50.4%:男性49.6%
都市人口率81.8%
公用語英語、フランス語
宗教キリスト教(67.3%)
無宗教(23.9%)

2022年1月現在、カナダの人口はおよそ3,800万人を超えています。前年と比較して約50万人程度の増加が見られているため、今後も人口は増加の傾向が見られます。また、男女比は50.4%が女性、49.6%が男性と、やや女性の方が多い結果です。カナダの人口の81.8%が都会に住んでおり、経済発展がされている国として考えられます。

カナダで話されている公用語は、英語とフランス語です。主にカナダの西は英語が公用語で、東はフランス語が公用語として使われます。カナダはキリスト教が浸透している国で、キリスト教が67.3%、その内39%がカトリック教徒です。無宗教も23.9%とある程度の人口を占めており、主にキリスト教と無宗教の2つで占めています。

カナダのGDPですが、2021年の名目GDPは2.49兆カナダドルでした。2020年には2.2兆カナダドルのため、ここ数ヶ月は増加傾向にあります。以前は新型コロナウイルスの感染拡大が主な原因で下がり気味ではありました。ただし、機械の輸入増と建築資材の需要や、サービス生産部門もサッカーのワールドカップの入場者数増加により、GDPも増加傾向にあります。直近5年の数値は以下の通りです。

 2018年2019年2020年2021年2022年※
各目GDP(10億ドル)1,725.301,742.021,645.421,990.762,221.22
各目GDP(カナダドル)2,235.682,311.292,206.762,496.172,802.52
一人当たりの各目GDP(ドル)46,625.8646,403.9943,306.6452,078.5257,405.93
一人当たりの各目GDP(カナダドル)60,418.6261,568.5058,080.8165,300.0572,429.34
経済成長率(%)2.81.9-5.24.63.9
物価上昇率(%)2.271.950.723.405.64
失業率(%)5.915.759.587.435.89

※1 2022年の数値はIMFによる2022年4月時点の推計 

出展:IMF – World Economic Outlook Databases(2022年4月版) 

カナダのデジタルマーケティング概況

カナダのデジタルマーケティングに関する情報をご紹介します。

インターネットユーザー数3,689万人
1日のインターネット使用時間6時間45分
スマホ普及率93.6%
スマホからのインターネット利用率86.5%

カナダにおけるインターネットユーザーの数ですが、2022年2月時点で3,689万人を記録しています。総人口比で96%にあたる数字で、おおむね全ての人がインターネット利用環境にあると推測できます。1日あたりでインターネットを使用している時間は平均6時間45分に達しており、インターネット使用頻度が高いことがわかります。また、スマホ普及率も93.6%と高く、インターネット利用者の86.5%はスマホからインターネットを利用しています。

カナダにおけるSNSユーザー数

カナダでは3,330万人のSNSユーザーが存在し、複数のSNSサービスを利用しています。それぞれの主要なSNSの人口について、確認しておきましょう。

対象SNSユーザー数
Facebook2,090万人
Youtube3,330万人
Instagram1,740万人
TikTok1,119万人
Facebook Messenger65万人
LinkedIn1,900万人
SnapChat1,030万人
引用:Meta,Google,Twitter,Tiktokなど各社のオープンデータ

Youtubeのユーザー数

カナダで最も利用者の多いSNSが、Youtubeです。世界最大の動画共有サイトであるYoutubeのカナダにおけるユーザー数は、インターネット利用者の90%の3,330万人となっています。広告リーチ数もインターネットユーザーの90%を超えるため、非常に大きな影響力を与えると示しています。

Youtube内で検索されているワードとしては、1位「song」で2位「music」となっており、音楽を楽しむツールとして利用しているユーザーが多いことがわかります。Youtubeは多様なジャンルのコンテンツの投稿が多い特徴により、一般人から著名人、幅広い世代に利用されています。

GWIの調査により、「短い空き時間の暇つぶし」という目的でSNSを利用すると回答したカナダのインターネットユーザーが多数だという。それで、カナダにはYoutubeが最適なプラットフォームのでしょう。

Facebookのユーザー数

2022年時点で、カナダにおけるFacebookユーザー数は2,090万人以上に達しています。それに対してFacebook Messengerは、カナダにおいて65万人のユーザー数と利用率が落ちてしまいます。Facebookを活用する場合はメッセンジャーよりは、Facebook自体に向けたマーケティング対策が必要となります。

95%以上のユーザーがスマートフォンのみを利用してアクセスしており、パソコンとスマートフォンの両方でアクセスしているユーザーが41.2%、パソコンからのみアクセスしているユーザーがわずか4.6%と、圧倒的にスマートフォンからのアクセスが多いことがわかります。

Instagramのユーザー

数日本では有名なInstagramでのカナダのユーザー数は、2022年時点で1,740万人です。

現在のカナダでは1年間で240万人の利用者が増えているため、今後のInstagramの可能性は大きいと考えられます。将来的にはInstagramのマーケティングも穴場かもしれません。

TikTokのユーザー数

短い動画を共有できる最新SNSのTikTokは18歳以上のみのユーザー数で1,119万人に達しています。カナダにおけるインターネットユーザーの30%がTikTok利用者のため、まだこれから成長が期待できるSNSの1つです。2022年の年初のTikTokの広告利用者は、女性が59.7%、男性が40.3%(※)でした。 

※ByteDanceの広告リソースは、「女性」「男性」ユーザーのオーディエンス性別データのみを公開しています。

LinkedInのユーザー数

求人SNSとして有名なLinkedInのカナダのユーザー数は、1,900万人に達しています。ビジネス向けサービスであるLinkedInは、18歳以上の広告リーチ数が61.3%と比較的高い数値を示しているため、18歳以上に向けた広告はリーチしやすいと考えられます。

SnapChatのユーザー数

SnapChatはアップした写真や動画が24時間で削除されるSNSです。カナダにおけるSnapChatのユーザー数は、1,030万人に達しています。他のサービスに劣りますが、全インターネットユーザーの27.9%にリーチするため、隠れたSNSプラットフォームと言えます。

Twitterのユーザー数

限られた文字数で発信することができるTwitterは、カナダにおいて790万人のユーザーを抱えています。広告のリーチ数については、カナダの人口の20%にリーチが出来ると示されています。こちらも他のSNS広告に比べるとリーチ数は劣るため、リーチ数を増やすためには別のSNS媒体を利用したほうが効率的と言えます。

検索エンジンシェア率

カナダにおける検索エンジンのシェア率は、Googleが91%以上を占めており、高いシェア率を維持しています。次にBingが検索エンジンとして利用されていますが、5.4%にとどまっており、Googleのシェア率が圧倒的となっています。Yahoo!もランキングには入っていますが、1.8%とGoogleには到底及ばないシェア率です。検索エンジンでの広告リーチはGoogleが一番と言えます。

検索エンジンシェア率前年比
Google91%-0.5%
Bing5.48%+5.0%
Baidu0.03%不明
Yahoo!1.81%+7.7%
Yandex0.07%+40%
DuckDuckGo1.37%+12.3%
Ecosia0.12%-7.7%
その他0.12%-33.3%
引用:SStatcounter

カナダの検索言語

カナダの公用語は英語とフランス語です。その為に検索キーワードも大半が英語かフランス語で検索されています。海外の情報を仕入れるにあたっては主に英語で検索されているケースが多いため、英語があればカナダの大きなシェア率は獲得できると考えられます。ただしフランス語圏ではフランス語しか分からない国民もいるため、フランス語も網羅するとカナダのシェア率は格段に向上します。

新しい商品・ブランドを何で最初に知るか

カナダで新しい商品やブランドを認知するには、口コミか検索エンジンが最も認知される媒体です。カナダでは36.8%のユーザーが口コミで新しい商品やブランドを知り、35.8%が検索エンジンで新しい情報を取得しているというデータが出ています。ブランド認知を高める上で検索エンジン広告を打つことが多くのユーザーにヒットしやすいと言えます。

口コミ36.8%
検索エンジン35.8%
オンライン小売サイト30.5%
テレビCM29.8%
SNS25.1%

商品・ブランドを何を通じて調べるか

ブランド認知が口コミや検索エンジンでされている中、ブランドについて自ら調べる場合も検索エンジンで行われています。60.6%が検索エンジンで自ら調べており、41.9%は口コミサイトも利用しているため、検索エンジンと口コミサイトの2つを網羅すると、効率的な手法として活用できます。

検索エンジン60.6%
口コミサイト41.9%
ブランドサイト38.8%
SNS31.8%
価格比較サイト23.3%

デバイスの比率(PC・スマートフォン・タブレット)

カナダにおけるスマホ保有率は、93.6%と非常に高いと言えます。スマホ保有率の高さに対して、パソコンの保有率も78.8%とある程度の保有者はいます。タブレット保有率も50.3%のため、国民の約半数はスマホ、パソコン、タブレットの3台持ちと言えるでしょう。ただし、パソコンの保有率は-0.8%、タブレットの保有率は-4.0%と下がっているため、今後はスマホ保有率が高くなってくることが予想できます。

まとめ

カナダでは人口の増加とともに、すでにインターネットの普及も広がっています。特にスマホの普及率は非常に高く、9割以上の国民がスマホを使いこなしているのが現状です。

インターネットもスマホを経由して検索エンジンで検索することが多く、あらゆる情報は検索から口コミサイトを見ている様子も伺えます。

スマホユーザーと検索エンジンを考慮したデジタルマーケティングが、カナダでは必須です。

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター