Naver、韓国でシェア率No.1の検索エンジン。広告の仕組みと併せて解説。

Naverは韓国でシェア率No.1を誇るポータル型の検索エンジンサイトです。 日本では、GoogleやYahoo!が主流ですが、韓国での検索エンジンはNaverと言っても過言ではありません。

 過去には日本にもサービスを提供していたこともあり、現在は韓国で最も使われているサイトの1つということで、広告市場に与える影響もかなり強くなっています。 

本記事では、韓国で大注目のNaverの過去、大手Googleとの違い、Naverを使った広告運用をする上で必要なポイントを解説します。 特に、GoogleのSEO対策はNaver上で効果がないため、代わりのweb集客をする方法を紹介しているので参考にしてください。 

Naverの過去 

NaverはNaver Corporationが運営しており、韓国国内でシェア率No.1のサイトです。 1996年にサービスが開始されたNaverは、韓国独自のポータル型の検索エンジンで、たくさんのサービスを検索エンジン上で利用できます。 

シェア率No.1のNaverの影響は、隣国の日本にも届き、2001年にサービスが開始されました。2005年に一度撤退したものの、2009年にNaverまとめなどの特徴的な機能を加えた検査サービスを導入し、再度日本でサービスが開始されています。 残念ながら、新サービスも日本に根付かず、2013年にLINEがNaverまとめを除く、Naver検索エンジンとNaverブランドのサービス提供を終了し撤退しました。 

Naverはどんな検索エンジン? 

韓国での検索エンジンサイトはNaverといっても過言ではありません。 なぜなら韓国では、10人中8人がNaverを利用しているとも言われており、Googleの利用率が25.94%に対して、Naverを利用しいている人の割合は63.07%です。 

参考:http://internettrend.co.kr/trendForward.tsp 

日本では、Yahoo! JAPANやGoogleが主流ですが、2022年現在の韓国では、Naverの利用率が圧倒的に多いです。Naverの利用率が多いと言える一方、Googleを利用している人も少なからず存在しています。 現在の韓国で、Googleの立ち位置は未だ成長の途中であり、今後伸びる可能性があると期待されています。 

Naverの仕組みや見た目は? 

NaverのデザインはYahoo! JAPANに似ているデザインで構成されています。 

メイン画面にはニュースを含めた数多くのコンテンツが出されているので、Webの知識がなくても、すぐにご自身の見たい記事が閲覧できるデザインです。 Naverの1つの特徴として、検索エンジンのユーザーアビリティ向上のために、全てのコンテンツをカテゴリーのどれかに分類しています。 

後述しますが、この全てのコンテンツを50以上あるカテゴリーに分けていることが、SEO対策や広告運用に大きな影響を与えています。 

デザインはYahoo! JAPANに似ていると紹介しましたが、実際に何かを検索したときの検索画面はどんな感じでしょうか? 実際に『日本 旅行』のキーワードを韓国語で調べたときの検索画面を紹介します。 

参照:https://search.naver.com/search.naver?where=nexearch&sm=top_sug.pre&fbm=1&ie=utf8&query=일본+여행 

参考URLのように、韓国語表記なだけで、デザインはYahoo! JAPANによく似ています。 一方、デザインだけでなく中身のシステムも異なるGoogleですが、異なるポイントはどこでしょうか。 

次の項目で、NaverとGoogleの違いを紹介します。 

NaverとGoogleの違い 

NaverはYahoo! JAPANとデザインが似ていると紹介しましたが、Googleと比べると異なるところがあります。 先ほどの画像からでもわかるように、Naverの検索画面は各カテゴリーで、3〜4つずつコンテンツが表示されます。 つまり、上位に表示されない限り、残りのコンテンツが見られる可能性は極めて低いといえるでしょう。 

リスティング広告の掲載先と表示される広告の数 

Naverの広告枠は、青色で上に表示されるようになっているため、ユーザーの目がとまりやすい仕組みです。 Naverは全てのカテゴリーから3〜5つぐらいのコンテンツが上部に表示されます。 つまり、上位1位から5位の間に入れなければ、ユーザーに見られる可能性は極めて低でしょう。 

さらに、企業のwebサイトや自社制作のECサイトなどは、ウェブサイトというカテゴリーに分類されるが、検索結果の上位にほとんど表示されないデメリットがあります。 表示されるためには、ブランド名や企業名・サイト名を直接検索した場合のみとなっています。 

NaverSEO対策しづらい? 

前述のとおり、Naverは全てのカテゴリーから3〜5つほどコンテンツが紹介され、企業のウェブサイトや自社制作のECサイトなどは、検索結果の上位にほとんど表示されません。

 そして、一般的に知られているSEO対策は、Googleのアルゴリズムを基準として対策されているため、Google対策用に学んできたSEOを、Naverに利用しても機能しない可能性が高いです。 

NaverはGoogleとは全く異なるアルゴリズムをシステムに組み込んでいるため、従来通りのSEO対策では、検索上位に組み込まれるのは難しいでしょう。 

キーワードによって表示されるコンテンツが変わる 

Naverは全てのコンテンツを50種類以上あるカテゴリーに分けられると解説しました。

 画像、ブログ、サイト、ニュースなどのカテゴリーがまとまって表示されるため、検索窓に入れたキーワードによって、表示される順番が異なります。 またウェブサイトのカテゴリーは上位に表示されにくくなっているため、SEO対策がかなり難しくなっています。 

Naverで広告を出す際のポイント 

上記通り、全てのコンテンツがカテゴリー化され、なおかつキーワードによって表示されるコンテンツが変わるので、NaverでのSEO対策が難しいと思われます。 

Naverを利用する中で、会社の知名度を上げたり、利益を得たりするにはネットワークが必要不可欠です。 知名度も利益もすぐに上がる期待性があるものは広告運用ですが、Naverでの広告運用は注意すべきポイントがいくつか存在します。 

GoogleやYahoo!の広告運用とは異なるため、Naverの特徴を知った上で、広告運用をしましょう。 

掲載順位とインプレッションシェア 

元々、Googleでは掲載順位が表示されていましたが、2019年9月に掲載順位は表示されなくなりました。 

一方、Naverでは掲載順位が表示されており、数字の代わりに金メダル、銀メダル、銅メダルがタイトルの下についています。 

他にもGoogleと異なる機能の中で、インプレッションシェアがNaverにはありません。 インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合を指します。 

実際のインプレッションシェアを求める計算式は次になります。 

インプレッションシェア=広告が表示された回数÷広告が表示可能だった合計回数 

例えば、『日本 旅行』のキーワードでリスティング広告を配信したとして、そのインプレションシェアを求めたい場合で考えてみましょう。 『日本 旅行』Googleで1000回表示され、自社で製作した広告が600回表示されたとき、600÷1000=0.6 つまり60%のインプレッションシェアとなります。 広告運用で大事なことは、キーワードを100%に近づけることですが、Naverはインプレッションシェアがありません。 

そのため、広告の表示回数や掲載順位を細かく研究して追っていく必要があります。 

拡張素材の違い 

拡張素材とは、広告表示オプションのことで、Naverで広告運用する際に重要な手法の1つと言えます。 

広告表示オプションとは、キーワードを検索した場合、それぞれ表示される項目内にある写真・画像のことです。 文字だけのタイトルと、写真・画像があるタイトルを比べた場合、明らかにユーザー側が受ける印象は違います。 

この項目では、広告表示オプション機能の「パワーリンクイメージ」「イメージ型サーブリンク」「ブログレビュー」の3点を紹介します。 

パワーリンクイメージ 

パワーリンクイメージは、何かのキーワードを検索した際に、タイトル横に写真が掲載せれるオプションです。 

広告主が提供している商品やサービスのイメージ写真を追加して、ユーザーにより具体的な情報を提供し、サイトに促せる効果が見込まれます。 

イメージ型サーブリンク 

最大3つまでリンク付きのイメージ画像が表示されるシステムをイメージ型サーブリンクと呼び、前述したパワーリンクイメージと少し似ています。 

多数のイメージとイメージごとのリンクを利用して、自社の認知度をさらに上げられる機能です。 

ブログレビュー 

2019年10月に新しく追加された拡張機能のブログレビューは、ユーザーたちがNaverブログで作成したレビューを、広告として利用できる機能です。 

運営者にとっては、実体験したリアルな感想を利用できるので、新規ユーザーの獲得率も上がるでしょう。 

ですが、低評価のレビューがあれば、新規ユーザーにとってはネガティブな印象で受け取られるため注意が必要です。 

Naverを使ってどうやって集客するのか 

ここまで、Naverの特徴や広告運用する際のポイントなどを紹介しましたが、実際にNaverを利用している企業はどうやって集客しているかあというと、リスティング広告です。 

リスティング広告 

Naverの広告文は、1つのタイトルと1つの説明文しか表示されません。 

リスティング広告は、検索キーワードに応じて最大20個まで表示され、青色で区別されています。 そのため他のカテゴリーよりも視認性が高く、新規ユーザーの獲得が見込めます。 

Naverのコンテンツは、キーワードの並び方、ユーザーの検索ワードに応じて、簡単に順番が入れ替わって表示されます。一方、リスティング広告は、入れ替わりの影響を受けず、常に1番上に表示されるため、ユーザーに認知されやすいでしょう。 

先ほども紹介したように、Naverはウェブサイトが検索上位に表示されにくいため、韓国企業の多くは、リスティング広告をじっくり検討して集客しています。 

Naverリスティング広告の運用上の違いを知っておこう 

Naverの広告文は最大45文字表記になっているため、サービスの強みを入れやすくなっています。 

また、Naverは完全一致式での広告出稿です。 

完全一致とは、広告主が設定したキーワードで検索をした場合のみ広告が表示されます。 

そのため、広告運用を始めた初期の段階で、あらゆるキーワードの組み合わせや言い回しの登録が必要になります。多ければ多いほど、検索ワードと一致する可能性が高まるため、普段から言い回しやキーワードのリストアップをしましょう。 

まとめ 

いかがでしたか? 本記事では、韓国で人気のあるNaverを紹介しました。 
Naverを使い、広告運用を考えている方は、Naverの特徴を理解した上で広告を始めてみましょう。

 Googleのアルゴリズムとは全く異なるアルゴリズムを採用しているため、Googleをよく利用する方は特に注意が必要です。 

この記事を書いた人

野口慎平

GDX 事業責任者 兼 UDX株式会社ゼネラルマネージャー。
新卒で大手外資系総合コンサルティングファームにビジネス&テクノロジーコンサルタント職として就職。2016年よりプルーヴ株式会社に法人営業職として入社。慶應義塾大学理工学部・同大学院 理工学研究科電子工学修了。
海外SEOとマーケティングオートメーションを軸としたデジタルマーケティングを得意とする。
Salesforce Pardot甲子園2021優勝

取得資格:
応用情報技術者、IPAプロジェクトマネージャ、上級ウェブ解析士、IoTコーディネーター取得
Salesforce認定アドミニストレーター